■現状概要
2025年10月時点、金(Gold)は1オンス=4,250ドル前後と史上最高値圏。
ドル建てでは過熱気味ですが、円建てでは為替(1ドル=約152円)との掛け算で史上最高値を更新中。
これに連動する1540(純金信託)も、
直近1年で+80%超の上昇と強烈なトレンドを維持しています。

背景には以下の要因があります↓
- 米FRBの利下げ示唆+実質金利低下
- 米中対立・地政学リスク(台湾・中東)再燃
- ドル安・円安同時進行
- 中央銀行による金購入量が過去最高水準
まさに「金が買われるべくして買われている」局面です。
■銘柄概要(純金上場信託 1540)
項目 | 内容 |
---|---|
運用会社 | 三菱UFJ信託銀行 |
連動対象 | 金地金価格(ロンドン金市場・円換算) |
信託報酬 | 年0.5%前後 |
保管形態 | 国内現物保管(信用リスク極小) |
売買単位 | 1口(約8,000円台〜) |
特徴 | 現物裏付け型。為替+金相場の両方が価格に影響。 |
他のETF(1328、1541など)と違い、現物を日本国内で保管している点が強み。
つまり「紙の金」ではなく、「本当に倉庫に眠っている金塊」を保有する信頼度の高いETFです。
① ファンダメンタル評価:強
- 金は企業の利益ではなく“通貨・信用リスクの鏡”。したがって「業績」ではなくマクロ経済ファンダで評価します。
- 米利下げ観測+地政学緊張で、リスクヘッジ需要が最大化。
- 世界の中央銀行(金保有量上位:中露印など)がドル離れ・金買いを継続。
- 日本では円安が進み、「金の円建て価格」が史上最高を更新。
→ ファンダメンタル環境は明確に「金高=強」。
つまり長期トレンドはまだ終わっていない。
② テクニカル評価:強(短期はやや過熱)
- 日足10日線(青):約4,100ドル
- 50日線(黄):約3,670ドル
- 現在値(4,250ドル)は10日線上方で推移=短期上昇加速局面。
- RSI:81.2(過熱圏)。
→ 短期的には「買われすぎ」だが、トレンドはまだ崩れていない。 - 出来高は増加傾向で資金流入続く。
- MACDもゴールデンクロス継続。
💬つまり、短期過熱・中期堅調。
押し目(4,100ドル近辺)で拾うのが王道。
③ 両者の一致/不一致
- ファンダメンタル:金利低下・リスクヘッジで強
- テクニカル:上昇トレンドだが短期過熱
→ 一致方向は上昇(強気)。
ただしRSI80台は要注意。
短期では「利確売り」が出ても不思議ではない。
④ 投資家心理(割安感・過熱感)
- 株・債券双方が不安定な中で「逃避資金」が金に流入。
- 日本では「円安で実物買いが急増」し、金地金店が売り切れ状態。
- 投資家心理は明確にリスクオフ→金買い一択。
- ただし短期的には“金が上がりすぎ”という警戒感も。
→ 投資家心理としては強気だがヒートアップ状態。
少し冷やし期間(数週間)を挟む可能性あり。
⑤ 投資戦略(短期/中期/長期)
期間 | 戦略 | 目安レンジ |
---|---|---|
短期(〜1か月) | RSI過熱中。利確・押し目狙い。 押し目買いライン:4,050ドル or ETF8,300円前後。 | 中立〜やや売り |
中期(3〜9か月) | 利下げ・地政学リスク継続で堅調。 10日線タッチで拾ってホールド。 | 買い優勢 |
長期(1年以上) | 世界的な“脱ドル”構造が続く限り、金は底堅い。 インフレ抑制が完了するまでは金保有の意義大。 | 強気ホールド |
💬もし利下げ開始や金融緩和が加速したら、
実質金利がさらに下がり、「金高・円安」のダブル追い風でETF価格は1万円超えも現実的です。
⑥ まとめ
- 現状は“強気トレンド継続中”。
- ただしRSI80超え=短期過熱、調整挟みやすい。
- 押したところで拾い、年末に向けてホールドが王道。
- 長期では「脱ドル」「地政リスク」「円安」が支え。
📊 目安ライン
- サポート:4,100ドル(10日線)/ETF8,200円
- 押し目買い:4,000ドル(50日線タッチ)
- 利確目安:4,400ドル or ETF9,000円
🧩 1. 3要因の関係をざっくり整理
要因 | 金価格への影響 | 背景メカニズム |
---|---|---|
米金利(10年債利回り) | ⬇金利上昇→金下落 ⬆金利低下→金上昇 | 金利が高いと無利息の金は不利。実質金利が低下すれば金に資金流入。 |
ドル円(為替) | ⬆円安→円建て金価格上昇 ⬇円高→円建て金価格下落 | 金はドル建て。円安だと日本円換算で上がる。 |
地政学リスク・金融不安 | ⬆上昇要因 | 有事・信用不安・株急落局面では安全資産として買われる。 |
📊 2. シナリオ別シミュレーション表(2025年後半~2026年想定)
シナリオ | 米金利 | 為替(ドル円) | リスク環境 | 金(ドル建) | 円建てETF 1540の方向性 | 想定コメント |
---|---|---|---|---|---|---|
🟩 A:利下げ局面+円安継続 | ⬇3.5→2.5% | ⬆152→156円 | やや不安定(中東・中国リスク) | ⬆上昇 | ⬆強上昇 | 最も強気パターン。ETF価格9,000円〜1万円を視野。 |
🟦 B:金利横ばい+円安停滞 | →3.5% | →152円前後 | リスク小康 | ⬆小幅上昇 | ⬆緩やか上昇 | 利下げ期待で金は底堅いが、円安伸び悩み。ETF8,500円付近で推移。 |
🟨 C:金利低下+円高(リスク後退) | ⬇3.0% | ⬇145円 | リスク後退 | ⬆ドル建て上昇 | ⬇円建て横ばい〜小反落 | ドル建て金は上がるが円高で打ち消し。ETF価格8,000円割れも。 |
🟥 D:金利上昇+円高(リスクオフ反転) | ⬆4.0% | ⬇145円以下 | リスク後退 | ⬇調整 | ⬇下落 | FRBが再び利上げに傾くなどの異常シナリオ。ETF7,000円割れリスク。 |
🟧 E:金利低下+円急落(ドル安)+地政不安拡大 | ⬇3.0% | ⬆160円超 | リスク高 | ⬆強上昇 | ⬆急上昇(1万円超え) | 「最悪の世界情勢」シナリオ。実物需要・ETF資金流入急増。 |
🔍 3. 現在のポジション(2025年10月時点)
指標 | 現状 | コメント |
---|---|---|
米10年債利回り | 約3.6%(利下げ観測) | すでに低下トレンド入り。金に追い風。 |
ドル円 | 約152円 | 円安継続中。円建て金には強力な追い風。 |
地政学リスク | 中東・中国・米大統領選不透明 | リスクオンにはなりにくい環境。 |
→ 現在は A(利下げ+円安)寄りの超強気局面。
ETF1540は「過熱してもなお上がりやすい」構造です。
💬 4. 短期〜長期の戦略
期間 | 方向性 | 戦略 | 目安レンジ |
---|---|---|---|
短期(〜1か月) | 上昇一服 | RSI80超えのため調整待ち。押し目(8,200〜8,400円)拾い。 | 8,000〜8,800円 |
中期(3〜9か月) | 続伸 | 利下げ確定・円安持続で9,000〜1万円狙い。 | 8,500〜10,000円 |
長期(1〜2年) | 強気維持 | 中央銀行金購入・脱ドル構造続く。ETF1万円台定着もあり得る。 | 9,000〜11,000円 |
⚠️ 5. 注意すべきリスク要因
- 急なリスクオン転換(株高・ドル高)
→ 金売り圧力。短期調整リスク。 - 日本の為替介入・円高転換
→ 円建て金ETFは下落しやすい。 - FRBが再び利上げ姿勢を見せた場合
→ 実質金利上昇=金にはマイナス。 - ETFの信託報酬(年0.5%)
→ 長期保有ではややパフォーマンスを削る点に注意。
🧭 6. まとめ
- 現在の環境は金にとって“3拍子そろった追い風”
①利下げ局面、②円安継続、③地政リスク高止まり - ただし短期は過熱(RSI80超え)、押し目買いが賢明。
- 年末~2026年前半にかけて、ETF1540が9,000〜1万円台を狙う展開を基本シナリオとする。
📊 押し目目安:8,200円
📊 利確目安:9,800円
📊 ストップライン:7,800円(円高急反転時)
📘投資に関する注意事項
本内容は情報提供目的であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
金ETFは価格変動および為替リスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。