結論から先に
どうもこんにちは、株ちゃんです。
今回は「AI覇者」NVIDIAの次の決算(2026年Q3)どう見る?というテーマで、
・今の市況
・関税・規制リスク
・半導体市況
・決算後の株価シナリオ
をまとめていきます。
最初に結論だけザッと言うと…
- 業績自体は“怪物級”の強さを維持している可能性が高い
└ 売上は会社ガイダンス540億ドルに対して、550億ドル前後の「小幅ビート」くらいが本命かな、というイメージです。 - AI向けデータセンター需要はまだまだ超強いけど、株価は“数字より期待感”で動くフェーズに入っている
└ 「成長鈍化してないか?」「ガイダンス弱くない?」といった見方が少しでも出ると、一気に売られやすい状況。 - 中国向け規制・関税・政治リスクは、ずっと頭の片隅に置いておく必要アリ
└ H20など中国向けGPUは規制の影響が続き、中国抜きでもどこまで伸ばせるかが焦点。 - 個人投資家としては、“決算一発勝負のギャンブル”というより、“3〜5年のAIインフラ覇権をどう見るか”の勝負
└ 短期の値動きはかなり荒れそうですが、長期のAIストーリーが崩れるかどうかを冷静に見たいところです。
ここからは、もう少しゆっくりかみ砕いていきますね。
まずは直近決算(2026年Q2)のおさらい
今回のQ3を予想する前に、「今どの位置にいるのか」をざっくり整理します。
NVIDIAの2026年度第2四半期(Q2)はこんな感じでした。
- 売上高:467億ドル
- 前期比(Q/Q):+6%
- 前年同期比(Y/Y):+56%
- データセンター売上:411億ドル
- 前期比:+5%
- 前年同期比:+56%
- GAAP粗利率:72.4%
- 非GAAP粗利率:72.7%
- GAAP EPS:1.08ドル
- 非GAAP EPS:1.05ドル
数字だけ見れば「どこまで行くの?」というレベルのモンスター決算です。
しかも、次世代の中核となるBlackwellデータセンターの売上は前期比+17%と、立ち上がりペースもかなり速いです。
ただしポイントはここで、
「数字はめちゃくちゃ強いのに、株価は決算後に素直に上がらなかった」
というところなんですよね。
なぜかというと、
- 市場の期待値が高すぎる
- 「データセンター売上が予想よりほんの少し弱いのでは?」
- 「成長率のピーク近いんじゃないの?」
みたいな“期待とのギャップ”をマーケットが敏感に気にし始めているからです。
業績が悪いわけでは全くない。むしろ過去最高クラス。
それでも「ほんの少しの物足りなさ」で売られてしまう。
今のNVIDIAは、そんな超ハードモードの期待値ゾーンにいるという前提をまず押さえておく必要があります。
今の市況整理:AI特需は続くけど、株価的には“高所恐怖症ゾーン”
① マクロ環境:金利ピークアウト期待と“AIバブル警戒”
- 米国では「そろそろ利下げ方向だよね」というムードが強まりつつある一方で、
「とはいえインフレも完全に収まりきってないし、利下げペースは思ったほど早くないかも」
という警戒も同時にあります。 - そのなかで、NASDAQ・AI関連銘柄は
「調整しつつも、結局はまた買われる」
という展開を繰り返しています。
ざっくり言うと、
・マクロ的にはそこまで悪くない
・でも株価はすでにかなり上がっていて、ちょっとしたネガティブで売られやすい
こんな感じのバランスです。
② AIデータセンター市場:まだ“序章”という見方がメイン
各種レポートを見ると、
- データセンター向け半導体市場は、数年で2倍以上になる予測
- AIインフラ投資全体では、「2030年までに数兆ドル級の市場になる」という見方が主流
になっています。
その中心にいるのがNVIDIAで、
- GPUハードウェア
- NVLink・ネットワーク
- CUDA・ソフトウェア
- DGX・クラウド
と、“AIインフラ丸ごと”を押さえにいっているのが強みです。
③ 競合:AMD・インテルも本気で追いかけている
もちろん、NVIDIA一社の独占状態がずっと続くわけではありません。
- AMDはAI GPUで本気モード
- IntelもCPUだけでなくAI向けGPU・ASICで巻き返し狙い
「シェアはNVIDIAが圧倒的優位だが、競争相手はどんどん増えている」というのがリアルなところです。
関税・輸出規制:中国リスクは常に付きまとう
ここは、決算説明の中でもかなり注目されるポイントです。
① H20・中国向けGPU規制
- アメリカ政府の規制で、中国向けのH20などハイエンドGPUは、ライセンスなしでは輸出できない状態になっています。
- その結果、Q2では中国の顧客へのH20売上はゼロ。
その代わりに、中国以外の顧客にH20を販売して、過去に積んでいた在庫評価損(約1.8億ドル)を戻入して利益を押し上げています。
つまり、
「中国向けは止まっているけれど、それを他地域の需要がほぼ吸収してしまっている」
というのが現状です。
② 今後の中国リスク
ここからのポイントは、
- 「アメリカの規制がさらに強くなるのか」
- 「条件付きで中国向け販売が再開される方向に進むのか」
このあたりのニュアンスを、NVIDIAが決算説明の中でどう話すかです。
ここは“数字”以上に株価を動かす可能性があるテーマなので、
- 中国向け売上をどの程度見込んでいるのか
- 規制強化 or 緩和に対してどういうスタンスなのか
このコメントには注目しておいて損はないと思います。
半導体市況:旧来セグメントの弱さをAIデータセンターが上書き
ざっくりとセグメント別に見ると、
- PC・ゲーム・スマホ向けの半導体は、全体としては“回復傾向〜横ばい”ぐらいのトーン
- 一方で、AIデータセンター向けの需要が桁違いに伸びていて、全体の業績を押し上げている
という構図です。
ゲーム向けでは、Blackwell世代のRTX 50シリーズ(5060など)も出てきており、
コンシューマ側でもじわじわBlackwellのエコシステムを広げている途中です。
イメージとしては、
「PCやスマホの市況は“普通”だけど、AIデータセンターが異次元すぎて、トータルではとんでもない数字になっている」
こんな感じですね。
2026年Q3の“数字”はどうなりそうか?(あくまで予想)
ここから、あくまで予想ベースで話します。
会社ガイダンス・市場予想
- 会社ガイダンス:
売上高 540億ドル(±2%)
粗利率:73%台を想定 - 市場コンセンサス:
売上:約549〜550億ドル
EPS:1.20〜1.25ドルあたり
つまり市場は、
「ガイダンス上限〜ちょい上」くらいは出してくるよね? それくらいなら驚かないよ?
と、かなりハードルを高く置いている状態です。
株ちゃんのざっくりシナリオ(メイン想定)
あくまで一人の投資家としてのイメージですが、
- 売上:550〜560億ドル
- データセンター売上:490億ドル近辺
- 粗利率:73〜74%台
- 次Q(Q4)ガイダンス:620億ドル前後
このくらいなら「十分に強いけど、サプライズというほどではない」というゾーンかなと見ています。
決算発表後の株価シナリオを3パターンで整理
ここが一番気になるところだと思うので、パターン別に分けておきます。
① 強気シナリオ:数字もガイダンスも“ぶっちぎり”で再び上昇トレンドへ
条件イメージ
- 売上:570億ドル前後(ガイダンス上限を大きく超える)
- データセンター:500億ドル超で成長率も加速
- 粗利率:74%台キープ or 上振れ
- Q4ガイダンス:650億ドルクラス
- 中国関連も「制限ある中でも追加の成長余地がある」などポジティブトーン
株価イメージ
- 決算直後に+10〜15%級の急騰も十分あり得る
- 「やっぱりAI覇者NVIDIA最強だわ」という空気が戻って、しばらく強気一色
ただし、ここまでのフルコンボは期待値としてかなり高いので、
確率はそこまで高くない“ご祝儀シナリオ”と見ておいた方が安全です。
② ベースシナリオ:数字は強いけど織り込み済みで、乱高下しながらレンジ
条件イメージ
- 売上:550〜560億ドル(コンセンサス前後)
- 粗利率:ガイダンス通り70%台半ば
- データセンターも順調だが、成長率は「加速」まではいかない
- Q4ガイダンスも市場予想±数%の範囲
- 中国関連は「長期的にはポジティブに見ているが、まだ不確実性はある」程度のコメント
株価イメージ
- 決算直後は+5〜-5%くらいは普通に振れる
- でも最終的には「まあこんなもんだよね」という感じで、
中期的にはレンジ相場〜じわじわ上昇に戻っていくパターン
個人的には、このベースシナリオが一番しっくり来ています。
③ 弱気シナリオ:成長鈍化+弱めガイダンスで10%級の調整
条件イメージ
- 売上:540〜550億ドルと、ガイダンス上限を超えられない or わずかなミス
- データセンターの成長率が想定を下回り、
「Blackwellの立ち上がり思ったほどじゃないのでは?」と受け取られる - 粗利率が70%前半まで低下
- Q4ガイダンスも市場予想を下回る
- 決算説明のトーンもやや慎重で、「成長鈍化シナリオ」が意識される
株価イメージ
- 決算直後に〜-10%級の一発ドカンが出ても全然おかしくない
- その後は、AIストーリー自体が崩れない限り、数ヶ月〜1年くらいかけてじわじわ戻していくイメージ
今のNVIDIAの株価水準・期待値の高さを考えると、
この「悪くはないけど期待に届かず→ガツンと売られる」パターンは、常に頭に置いておいた方がいいかなと思います。
個人投資家としての向き合い方
最後に、「じゃあNVIDIAどうするの?」という話です。
- 短期:決算一発勝負はかなりギャンブル色が強い
└ 良くても悪くても10〜20%級の値動きが普通にあり得るので、
“夜寝られないポジションサイズ”で飛び込むのはおすすめしません。 - 中長期:AIインフラ時代の“コア銘柄”としてどう評価するか
└ GPUだけでなく、ネットワーク・ソフト・クラウドまで押さえているNVIDIAは、
「AI時代のマイクロソフト」「AI時代のインテル」のようなポジションと言っても過言ではない存在です。 - 見るべきチェックポイント
決算シーズンには、少なくとも以下は押さえておくと、マーケットの反応が理解しやすくなります。- 売上・EPSがコンセンサスに対してどうだったか
- データセンター売上の成長率
- 粗利率(70%台半ばを維持できているか)
- 次四半期ガイダンス(売上&粗利率)
- 中国向け規制・関税についてのコメント
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