── 過去最高益を一気に更新した“OpenAI決算”の全貌を分かりやすく解説!
こんにちは、株ちゃんです。
今回は ソフトバンクグループ(SBG)の2026年3月期 第2四半期決算(2025年4〜9月) をできるだけ噛み砕いてお話しします。
では、順番に見ていきましょう。
■ 1. 今回の決算は“歴史的な数字”──純利益は2.9兆円(前年+1.9兆円)
まずは全体のハイライトから。
| 指標 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3兆7,368億円 | +7.7% |
| 投資損益 | 3兆9,267億円 | +1兆2,756億円 |
| 税引前利益 | 3兆6,864億円 | +2兆2,252億円 |
| 親会社純利益 | 2兆9,241億円 | +1兆9,187億円 |
とくにすごいのが純利益の 2兆9,241億円(約29,000億円)。
前年同期が1兆円だったので ほぼ3倍。
四半期ベースでも、SBGの歴史の中で“過去最高”を叩き出しました。
この爆発的な数字を生み出した主役が──
✅ OpenAI投資の評価益(2兆1,567億円) です。
■ 2. 「OpenAIバブル」を完全に取り込み、SBGの投資益は3.9兆円へ爆増
◆ OpenAI関連の投資利益
- 2兆1,567億円($14.6B) → 評価益として計上
・出資持分の公正価値増加:9,805億円
・フォワード契約の公正価値増加:1兆1,762億円
OpenAIは2024〜2025年にかけて複数の資金調達・株式売却が行われ、
バリュエーションは以下のように急騰。
| タイミング | バリュエーション |
|---|---|
| 2024年9月 | $150B |
| 2025年3月 | $260B |
| 2025年10月(従業員売却) | $500B |
未上場企業としては世界最大級。
この爆上げを丸ごと取り込んだのがソフトバンクグループです。
孫さんの“超大型ベット”が、今回ついに大きく炸裂した形です。
■ 3. いったいSBGは OpenAI にいくら突っ込んでいるのか?
決算資料から総額を整理すると、こうなります。
◆ OpenAI追加出資(2025年3月契約)
- コミット総額:400億ドル
(うち外部投資家100億ドル → 実質SBG 300億ドル) - 2025年4月:100億ドル出資(うちSBG 75億ドル)
- 2025年12月:225億ドル追加出資予定
つまり、
✅ 2025年末までに3兆円規模をOpenAIへ突っ込む計画
です。
さらにSBGは フォワード契約(将来の株式取得権) も持っており、
評価額の上昇に合わせて利益が膨らんでいます。
今回の数字を見る限り、
「OpenAIバブルの中心にいるのはSBG」
という状態になっています。
■ 4. 投資以外の本業はどうなの? → ソフトバンク事業・アームとも堅調
OpenAIの影響が巨大すぎて目立っていませんが、
本業も着実に伸びています。
◆ ソフトバンク事業
- 通信・法人向け事業が増収
- LINEヤフーやPayPayとの連携も進展
◆ アーム(Arm)事業
- AI需要によってライセンス収入が好調
- 半導体企業の設計投資が加速し、アームの契約数も増加
売上高が前年から +7.7% 増えているのは、本業もちゃんと伸びている証拠です。
■ 5. 大型の資金調達・資産売却も続々──余力4.2兆円
SBGは大型投資に備えて資金調達と資産売却を継続しています。
◆ 普通社債
- 日本で6,200億円発行
- 米ドル建22億ドル発行
- ユーロ建17億ユーロ発行
◆ ハイブリッド社債
- 国内2,000億円
- 海外(USD/EUR)で27.5億ドル相当
◆ 資産売却
- Tモバイル株:91.7億ドルで売却
- ドイツテレコム株:23.7億ドルで資金化
- NVIDIA株:58.3億ドルで全売却
◆ 手元資金
- 4.2兆円(前期比 +0.6兆円)
OpenAIへの超大型出資に向けて「弾薬」を積み上げている状況です。
■ 6. 株主還元も実施──自社株買い3,303億円・株式4分割へ
今回の決算期間では以下を実施。
✅ 自社株買い
- 3,303億円分(4,203万株)
- 2025年10月に全株式を消却 → 株主価値向上策として強い
✅ 株式分割
- 1株 → 4株へ分割(2025年12月31日)
投資家が買いやすい環境を整えており、株主還元姿勢は強めです。
■ 7. 孫さんの描く“フィジカルAI構想”──ロボティクスへ本格参入
決算資料では大きく取り上げられているテーマがもう一つあります。
✅ “フィジカルAI + ロボティクス(物理AI)”の世界戦略
ロボティクス関連会社を統合する「ロボHD」を設立し、
AI × ロボット の領域へ本格投資を開始。
さらに…
◆ ABB ロボティクス事業を
総額 53.75億ドル(約8,000億円)で買収
2026年後半の買収完了を予定しており、
世界トップクラスのロボットメーカーをグループに取り込む計画です。
OpenAI × ロボティクス × Arm × 半導体
という“AIメガエコシステム”の構築が、今回の決算資料でより明確になりました。
■ 8. 今回の決算の良い点・悪い点
✔ 良い点
- 過去最高益(2.9兆円)を大幅更新
- OpenAI評価益のインパクトが絶大
- アーム・通信事業も堅調
- 資金余力4.2兆円で大型投資可能
- 自社株買い&株式分割で株主還元姿勢を明確
- 世界的ロボティクス企業を買収し、AI×ロボット戦略が本格化
✘ 気になる点
- 利益の大半が“未実現の評価益”である点
- OpenAI投資の規模が極めて大きくリスクも高い
- 財務費用(利息負担)も増加傾向
- 投資会社として変動が激しく、収益が安定しづらい
■ 9. 投資家目線での総括──「AI覇権を獲りにいく企業」そのもの
今回の決算を一言でまとめると…
「OpenAI特需を丸ごと取り込んだ歴史的決算」
ソフトバンクグループは、完全に
“AI覇権の中核企業を取りにいく戦略”
に舵を切っています。
- OpenAI への超大型出資
- Arm でAI半導体を抑える
- ABB でロボティクスを統合
- Tモバイル・ドイツテレコム等の株を売却して戦略集中
もはやSBGは通信会社や投資会社ではなく、
AI・ロボティクス・半導体の“巨大テック複合体” へ変貌しようとしています。
もちろんリスクはあります。
OpenAI関連の評価益が逆回転した時のインパクトは計り知れません。
しかし、今回の決算内容を見る限り、
孫さんが描いてきた“AI中心の30年ビジョン”が、
いよいよ現実味を帯びてきたように感じます。
■ 10. 投資妙味はあるのか?
結論としては…
✅ 長期では「AI覇権の中心を握る企業」になりうる
✅ ただし短期では「評価益頼みの超ハイボラ銘柄」
値動きは激しいが、ストーリーは強烈。
ソフトバンクGに投資するということは
「AIの未来そのものに賭ける」ということです。
今回の決算は、その象徴と言える内容でした。
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