―ホテル×ブライダルの“再成長モデル”が動き出した―
どうも、株ちゃんです。
今回は、ブライダル・ホテル業界で存在感を放つツカダ・グローバルホールディング(2418)の最新決算(2025年12月期 第3四半期)を、投資家目線でわかりやすくまとめていきます。
まずは全体の数字をチェック!
ツカダHDの2025年1〜9月期は、売上高491億円(前年同期比+14.8%)と2桁成長。
営業利益は35億円(+34%)、最終利益は39億円(+71.8%)と、まさにV字回復が本格化しています
ホテルが爆伸び、ブライダルも底打ち!
業績を支えたのはなんといってもホテル事業。
売上は210億円(+26%)、利益は20億円(+4.4%)と堅調です
その背景には、
- インバウンド(訪日外国人)回復。2025年9月時点で累計3,100万人と過去最速ペース
- 高級ホテル「インターコンチネンタル東京ベイ」が安定稼働
- 米国ホテル「カイマナビーチ」「キンプトン・パラディアン」が収益貢献
- さらに4月には「ANAホリデイ・イン東京ベイ」、5月に米テキサスの「Wホテル・ダラス・ビクトリー」を新たに取得
という具合で、国内外でのホテル拡大戦略がしっかり数字に表れています
一方、婚礼事業も地味に回復。
施行件数は6,364件と微減でしたが、単価は上昇。
円安による海外挙式の伸び悩みを除けば、国内は堅調でした。
売上は259億円(+8.4%)、利益は31億円(+40.6%)と大きく改善しています
新しい柱「ウェルネス&リラクゼーション(W&R)」も黒字化
温浴施設「美楽温泉SPA-HERBS」が過去最高の来館者数を記録。
また、不採算だった「クイーンズウェイ」サロンを整理したことで、
セグメント利益は+81.7%増の1.2億円と黒字体質に転換しました
為替差損と利息負担が経常利益を圧迫
ここが注意点。
営業利益は好調なのに、経常利益は▲24%減の18億円。
その理由は、
- 借入金増加で支払利息が10億円(前年5.8億円→倍増)
- 為替差損が6億円発生(ドル高円安での評価損)
この2つで営業利益を食い潰しました
一方で、特別利益では「Wホテル・ダラス」買収による負ののれん益16.9億円、段階取得差益12.6億円などが発生し、最終利益を押し上げました
財務はどうなってる?
総資産は1,385億円(前年末比+268億円)と大幅増。
主にホテル取得による建物資産の増加が要因。
一方で、長期借入金と社債も増えており、
有利子負債合計は約700億円規模まで膨らんでいます。
自己資本比率は25.5%(前年28.9%)に低下しました
つまり、「拡大路線のために借金を増やしている」フェーズです。
このレバレッジ戦略が成功すれば一気に収益拡大へ、
逆に為替や金利が悪化すればリスクも出てくる――そんなバランスです。
配当は増配予定!
中間6円→期末6円で年間12円配当(前年比+1円)の見通し。
通期純利益見通しは72億円(+40%)、EPS152.11円と高水準です
配当性向はおよそ8%弱とまだ低く、
今後さらなる還元余地は十分あります。
株ちゃん的まとめ
ツカダ・グローバルHDの今回の決算は、
「ホテル再生×ブライダル底打ち」+「M&Aでの拡大」という構図がはっきりしました。
特に米国ホテルの買収効果が大きく、負ののれん益で最終利益が大幅増。
短期的には為替や金利リスクがあるものの、
中期的には「ホテル収益モデル企業」としての地位を固めつつあります。
投資判断(株ちゃんの見解)
✅ 成長性:★★★★☆(ホテル事業が急拡大中)
✅ 収益性:★★★☆☆(為替・利息負担がネック)
✅ 安全性:★★★☆☆(レバレッジは高め)
総合スコア:76点/100点。
→ 中期保有〜押し目買い推奨。
円安恩恵とインバウンド拡大の両方を受けられる数少ない企業で、
今後もホテルポートフォリオの拡大次第で再評価余地ありです。
チャートの全体感から
チャートを見ると、2020年コロナで200円割れまで落ちたあと、
そこから4年かけて右肩上がり。2025年春に一時755円まで到達。
まさに「ホテル・ブライダル復活相場」そのものでした。
その後、夏から秋にかけての調整局面では、
短期線(黄色ライン・10日MA)と中期線(50日MA)がデッドクロスして下向き。
現在の株価は631円前後で、50日線(682円)を明確に下回る水準です。
RSIも38近辺と“やや売られすぎゾーン”に突入しています。
つまり、中期的には調整トレンド入り、
ただし短期的には下げ止まりの兆しが出つつある――そんな局面です。
出来高から見る投資家心理
直近の出来高を見てみると、
10月末までは10〜15万株程度だったのが、
11月に入って25万株前後と明らかに増加しています。
これは、機関投資家や短期筋が“拾い始めている”可能性を示唆します。
RSIが下げ止まり、ボリュームが伴ってきていることからも、
630円前後はひとつの下値支持帯になりそうです。
ファンダメンタル的にはどう?
さきほどの決算でも触れましたが、
- 売上高:491億円(+14.8%)
- 営業利益:35.8億円(+34%)
- 最終利益:39.4億円(+71.8%)
と業績は絶好調。
特にホテル事業が業績を牽引し、
ROEは19.9%とかなり高水準。
PERも約4.6倍と超割安圏、PBR0.8倍と資産バリューも十分。
つまり、株価は業績に対して割安に放置されている状況なんです。
株価水準の目安
- 直近安値帯:620円前後(サポートライン)
- 短期戻り目標:660〜680円(50日線付近)
- 上値トライポイント:700円突破で上昇再開モードへ
- 下値リスクライン:600円割れで中期トレンド悪化
ファンダ的にPER4倍台、配当利回り1.9%。
ここは600〜630円は押し目買いゾーンとして機能しやすいです。
今後の材料とリスク
プラス材料
- インバウンド需要:訪日外国人3,000万人突破でホテル稼働率は堅調
- 新規ホテル開業(ANAホリデイ・イン東京ベイ)がフル寄与へ
- 米国ホテルのM&A効果で海外売上比率アップ
マイナス要因
- 円安が行き過ぎると米国の金利負担が増加
- 借入金増加による支払利息負担(現状10億円規模)
- 為替差損リスク(第3Qで6億円計上)
株ちゃん的まとめ
今のツカダHDは、
業績右肩上がり+チャート短期調整中という典型的な「押し目チャンス」銘柄。
短期的には630円前後で底固めをしながら、
年末〜年明けにかけて再び700円回復トライの動きが期待できます。
RSI・出来高ともに下げ止まりを示唆しており、
ファンダも割安圏ど真ん中。
✅ 投資判断:押し目買い~中期保有向き
✅ 目先ターゲット:680〜700円
✅ 損切りライン:600円割れ
ホテル復活・インバウンド復活の波に乗りつつ、
2026年は「配当+株価上昇」の両取りが狙える銘柄です。







