三菱重工業、2026年3月期・第2四半期決算を徹底解説!

―「防衛とエネルギーの二本柱」が光る、でも利益はややブレーキ気味―

どうも、株ちゃんです。
今回は日本の重工業の雄、三菱重工業(7011)の最新決算(2026年3月期 第2四半期)をわかりやすく解説していきます。


目次

まずはざっくり結論から!

今回の決算、売上や受注はかなり好調です。
発電、防衛、航空――どれも追い風で強さが見えてきました。

ただし、火力工事の損失や前年の一時的な利益の反動で、利益の伸びはやや鈍化。
それでもキャッシュフローは大幅黒字、財務はガチガチの安定感です。

つまり、
「成長の芽はしっかり育ってる。でも、短期的には利益の伸びが息切れ」
というのが正直なところです。

主要数値まとめ(第2四半期累計・IFRS)

指標実績/見通し前年比/補足
受注高3兆3,147億円+8.5%(エナジー伸長)
売上収益2兆1,137億円+7.3%(GTCC、防衛・宇宙が寄与)
事業利益1,715億円+2.1%(火力一部損失・不動産売却反動)
親会社帰属中間利益1,149億円+7.3%
EPS(中間・基本)34.21円+7.4%
営業CF2,079億円大幅改善(前年▲88億円)
投資CF▲568億円収支縮小
財務CF▲953億円返済・配当など
総資産/自己資本比率7兆253億円 / 35.6%自己資本2兆4,909億円
D/E(除くML)0.23改善、純有利子負債は▲1,083億円(ネットキャッシュ)
中間配当/通期配当計画12円 / 24円期末12円据置(年24円)
通期見通し(売上/事業利益/親会社純利益)4.8兆/3,900億/2,300億円売上上方修正、利益横ばい、純利益は▲6.3%見通し、EPS 68.49円想定。為替前提$=145円/€=165円。

売上も受注も好調!エナジー・防衛が稼ぎ頭

売上は前年同期比+7.3%の2兆1,137億円。
特に伸びたのが「エナジー(発電事業)」と「防衛・宇宙」。
ガスタービン発電(GTCC)が世界的に好調で、エネルギー需要の高まりにしっかり乗っています。

防衛関連も好調。
自衛隊向けや宇宙開発プロジェクトの受注が積み上がり、受注残高もかなり分厚くなっています。
まさに国策銘柄ど真ん中。


一方で、利益の伸びはちょっと一休み

事業利益は+2.1%の1,715億円。
売上ほど伸びていないのは、

  • 火力工事での損失計上
  • 前年の土地売却益の反動
    この2つが足を引っ張りました。

ただ、それでも利益率は8%を維持。
重工業という構造的に利益率が低い業界の中では、十分健闘です。


財務は超優良!実質“無借金企業”

今回特筆すべきはキャッシュフロー。
営業キャッシュフローは2,079億円の黒字。前年のマイナスから大改善。

自己資本比率も35.6%
D/Eレシオ(借金の比率)は0.23と、極めて健全。
純有利子負債はマイナス(つまりネットキャッシュ状態)で、実質無借金企業です。

「大型設備投資にもびくともしない体力がある」
――これ、かなり大きいポイントです。


配当は年間24円を維持

配当方針も堅実です。
中間12円+期末12円の年間24円を予定。
EPS(1株利益)は通期で68.49円を見込んでいるので、配当性向は約35%。
「儲かった分はしっかり株主に返す」スタンスを守っています。

ROEも10%台を維持しており、株主還元の姿勢は評価できますね。


セグメント別に見ると…

それぞれの事業をざっくり見ていきましょう。

  • エナジー事業:受注が爆増。GTCC(ガスタービン複合発電)が世界的に堅調。
     ただし一部工事で損失が出て減益。
  • プラント・インフラ:製鉄機械などが堅調。売上・利益ともに増加。
     通期見通しを上方修正しています。
  • 物流・冷熱・ドライブ:ターボチャージャーや冷熱機器が減速。ここはやや厳しい。
     通期見通しを下方修正。
  • 航空・防衛・宇宙:防衛・宇宙関連が好調、民間航空も回復傾向。
     利益率も高く、全体を支える柱になっています。

今後の見通しは?

通期では売上4.8兆円(上方修正)
最終利益は2,300億円(やや下方修正*の見通し。
売上は伸ばしつつ、利益はやや慎重な見方ですね。

為替前提は1ドル=145円、1ユーロ=165円。
円安基調が続けばプラス材料です。

マクロ的には、エネルギー投資・防衛予算の拡大・航空需要の回復と、三菱重工にとっては追い風が多い状況。
ただ、火力工事のリスクや一部製品の採算悪化は引き続きチェックポイントです。


株ちゃん的まとめ

三菱重工の今回の決算を一言でいえば、
「地力の強さを見せた堅実決算」です。

短期的な利益ブレはあるものの、

  • 発電・防衛・航空という国家レベルの成長領域
  • 鉄壁の財務体質
  • 安定した配当政策

これらを踏まえると、
「長期保有向き」かつ「押し目は買い場」と判断できます。

今後はGTCCや防衛装備がどこまで利益率改善につながるかが焦点。
特に世界的に脱炭素と再エネ転換が進む中で、同社の発電ソリューションは需要拡大が期待できます。


まとめ:投資判断

✅ 成長性:★★★★☆(発電・防衛が牽引)
✅ 収益性:★★★☆☆(一過性損失がやや重い)
✅ 安全性:★★★★★(実質ネットキャッシュ)

総合スコア:81点/100点。
結論は、「押し目買い~長期保有向き」。

次の決算で利益率が改善すれば、再評価の流れが来る可能性が高いです。

📘投資に関する注意事項

本レポートは情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
株式投資には価格変動などのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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