
■ 会社概要とビジネスモデル
大手メーカーに比べて料金が安く、独立系ならではの柔軟なサービス提供で顧客を拡大中。
全国で契約台数を伸ばし、2025年にはついに保守契約台数が過去最高を更新しました。
■ 決算のポイント(2025年3月期 第3四半期)
2025年2月発表の第3四半期決算は、全体的に非常に堅調でした。
| 項目 | 実績(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 35,549 | +16.6% |
| 営業利益 | 6,120 | +28.2% |
| 経常利益 | 6,146 | +28.1% |
| 純利益 | 3,904 | +27.9% |
| 自己資本比率 | 52.3% | +1.5pt上昇 |
セグメント別に見ると、
- 保守・保全業務:22,429百万円(+15.1%)
- リニューアル業務:11,982百万円(+20.2%)
と、両部門とも高成長を維持。
また、関西の新拠点「JES Innovation Center Kansai(JIK)」の稼働により、部品供給体制がさらに強化され、利益率の改善にも寄与しています。
■ 良い点・悪い点の整理
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 良い点 | ・ストック型ビジネスで安定収益 ・営業利益率が高く、借入少なめで財務健全 ・全国展開+JIK稼働で供給力強化 ・配当も増加傾向(30円予定) |
| 悪い点 | ・新規リニューアル需要が一時的に偏る ・人材確保コスト上昇の影響が出始め ・円安や資材価格上昇の影響が今後の懸念要因 |
■ チャート分析:中期トレンドは維持、短期は調整中
チャートを見てみましょう。

株価は2024年初から右肩上がりで上昇し、2025年春には2,100円台をつけました。
その後は利確や調整で下げたものの、1,800円台で下げ止まり、50日線(黄)と10日線(青)のクロスが目前。
RSIも中立圏の51.5と、過熱も売られ過ぎもないちょうど“中間エリア”です。
🟢 短期シナリオ(11月前半)
- 1,850円付近で底固め → 1,900円突破で反発サイン
- 出来高が30万株超に戻れば、短期リバウンドの可能性が高まる
⚪ 中期シナリオ(12月~1月)
- 1,800円割れずに推移すれば、再び上昇トレンドへ回帰
- 目先の上値メドは2,000円台前半、2024年高値圏を再試し
🔴 リスクシナリオ
- 1,750円を明確に割ると下げトレンド再開の恐れあり
- 特に決算後に出来高が細るようだと、調整長期化のリスク
■ 投資家が注目すべきポイント
1️⃣ 保守契約数の伸び率:この会社の成長エンジン。決算ごとに確認必須。
2️⃣ 利益率の維持:人件費上昇の中でも利益を確保できるか。
3️⃣ リニューアル事業の拡大:老朽化エレベーターの更新需要は今後10年続く。
■ まとめ:JESは“地味に強い安定株”
派手なテーマ株ではありませんが、ジャパンエレベーターサービスは安定×成長のバランスが取れた優良企業です。
メンテナンスというストックビジネスで利益が積み上がるため、景気後退局面でも下げにくい特性があります。
現在の株価1,880円前後は“割安圏の中腹”。
中期視点で見れば、1,850円〜1,800円は押し目買いゾーン、
反発確認後のエントリーでも十分戦える位置です。
決算で業績の堅調さが再確認された今、
次の1,900円突破が「再上昇の合図」になる可能性が高いでしょう。






