1.今のJX金属、チャートは「急騰後のガス抜き」局面

- 11/13 終値:1,867.5円(前日比 -3.76%)
- 直近高値は2,300円台まであったところから、じわじわと調整中
- チャート上では
- 青い線:10日移動平均線を割り込んで下向き
- 黄色い線:50日移動平均線(だいたい1,850円前後)にちょうどタッチしている状態
- 出来高は10月24〜27日あたりの急騰局面で膨らみ、その後も30〜50M株台と、決して細ってはいない
ざっくり言うと、
「AI・銅高期待で一気に買われたあと、決算をきっかけに利益確定売りをこなしている」
そんな流れです。
2.決算の中身:数字は「普通に好調」、むしろ上方修正&増配
次に決算。
2026年3月期の第2四半期決算(4〜9月期)はざっくりこうなっています。
- 売上高:3,964億円(前年同期比 +17.6%)
- 営業利益:700億円(同 +2.8%)
- 親会社株主に帰属する中間利益:429億円(同 +16.9%)
- 通期予想も売上・利益ともに上方修正
- 売上高:7,900億円(前回予想から+3.9%)
- 営業利益:1,250億円(同+13.6%)
- 親会社株主帰属利益:790億円(同+12.9%)
- 年間配当予想も18円 → 21円に増配
数字だけ見ると、
「売上しっかり伸びてるし、利益も前年より増えてる」「通期見通しも上振れ」「配当も増やします」
と、かなりポジティブな内容です。
セグメント別でも、
- 半導体材料:AIサーバ向けなどで需要好調 → 売上・利益ともに増加
- 情報通信材料:スマホ・データセンター向けが回復、こちらも増収増益
- 基礎材料:貴金属価格は追い風だけど、銅精鉱の条件悪化や、過去の一時的利益の反動で減益
3.それなのに株価は下げている理由
「決算そこそこいいのに、なんで株価は下がるの?」というところですが、主な理由はこのあたりだと考えています。
① 期待が高すぎた「材料出尽くし」パターン
10月中旬〜下旬にかけて、JX金属の株価は1,800円割れから2,300円台まで、一気に駆け上がりました。
AIサーバ向け材料の需要期待・銅価格の上昇・円安など、「ポジティブな材料てんこ盛り」で、かなり先回りで買われていたんですね。
そこに、
- 好決算
- 通期上方修正
- 増配
という“良いニュース”が出たことで、
「とりあえず一回利益確定しよう」という大口・短期筋の売りがドッと出た形です。
典型的な「良い決算=天井」パターンに近い値動きになっています。
② 銅精鉱の条件悪化&減産検討という不安材料
決算の説明では、銅製錬事業について
「銅精鉱の買鉱条件が著しく悪化しており、製錬所の減産措置を検討している」
といった記述もあります。
これは、
- 原料の条件が悪くて、製錬を増やしても利益が出にくい
- 場合によっては生産を絞る可能性がある
という話なので、素材株としてはちょっと嫌気されやすいポイントです。
③ マクロ環境・相場全体の不透明感
- 米国の景気減速懸念
- 利下げ期待と景気悪化懸念が入り混じる微妙な相場
- 銅価格や為替(円高方向に振れるリスク)
こうしたマクロ要因も、「今は無理して高値を追わなくていいか」という心理につながっています。
4.テクニカル的なポイント:サポートとレジスタンス
チャート目線で、今どこがポイントになりそうか整理します。
サポート(下値の目安)
- 50日移動平均線付近:1,850円前後
→ 今ちょうどタッチしており、最初の押し目候補。 - その下は、
- 10月22〜23日の安値ゾーン:1,760〜1,800円
→ この辺りは直近で何度も揉み合った価格帯で、次の強めサポート候補
- 10月22〜23日の安値ゾーン:1,760〜1,800円
このあたりを出来高を伴ってあっさり割り込むかどうかで、調整の深さが変わってきそうです。
レジスタンス(戻り売りが出そうな水準)
- 直近の節目:1,950〜2,000円
→ 決算後に何度も上値を押さえられているゾーン - ここを上抜ければ、再び2,100〜2,200円台の高値圏トライも視野に入ります。
今の位置は、
「2,000円台での高値揉み合いから、一段下のレンジ(1,800〜2,000円)にシフトした」
そんなイメージです。
5.今後の見通し:短期は“調整継続”、中期は“押し目狙い”の位置
◆ 短期(〜1〜2か月):調整をこなしつつ、1,800円台で攻防
目先は、
- 1,850円前後(50日線)が守れるか
- 出来高を伴って2,000円を取り返せるか
この2点が焦点です。
今の流れからすると、
- 1,800円台前半〜半ばでもう少し下値を探る
- どこかで出来高を伴った「大陽線」が出るかどうか
この“底打ちのサイン”が出るまでは、無理に飛びつくよりは様子見でもいいゾーンです。
逆に、1,750円近辺まで突っ込んだところで下ヒゲをつけて戻るようなら、
「決算内容&中期の成長ストーリーを信じる向きの押し目買い」が入りやすい位置でもあります。
◆ 中期(3〜6か月):AI・データセンター需要次第で再度高値トライも
中期で見ると、
- 半導体材料・情報通信材料はAIサーバ向けやスマホ・PC更新需要で引き続き成長トレンド
- 通期の利益見通しは上方修正後でも増益基調
- 配当も増配で、株主還元姿勢は強め
と、ビジネスとしての方向性はかなりポジティブです。
1,800〜2,000円レンジでの調整をこなしたあと、
- AI関連銘柄全体の地合いが良くなる
- 銅価格がしっかり
- 為替が極端な円高に振れない
といった条件がそろえば、再び2,200〜2,300円台の高値ゾーンをうかがうシナリオも十分ありえます。
6.まとめ:決算は“合格点以上”、株価は「押し目をどこで拾うか」のフェーズ
整理するとこんな感じです。
- 決算は増収増益+業績上方修正+増配で、内容はむしろポジティブ
- それでも株価が下げているのは、
- 事前の上げが急ピッチで期待先行
- 銅製錬の減産検討など、ややネガティブな材料も混じっている
- 相場全体が不安定で、「良い決算=利食い」のパターンになりやすい
- チャート的には、1,850円(50日線)と1,750〜1,800円ゾーンが押し目候補
- 中期では、AIサーバ向け材料や情報通信材料が伸びていく限り、再度高値更新を狙えるストーリーは続いている
あとは、
「どのくらいのリスクを取れるか」
「どのくらいの期間ホールドするつもりか」
でスタンスが変わってきます。
- 短期でサクッと取りたい人:
1,800円を明確に割り込むようなら一旦見送り、
再び2,000円を力強く取り返してからの“順張り”のほうが安全寄り。 - 中長期でAI・銅・素材の成長に乗りたい人:
1,800円前後の調整局面は、少しずつ分散して拾っていく“押し目候補”として見るのも一つの考え方かな、というところです。
もちろん、ここで書いたのはあくまでチャートと決算をもとにした見立てなので、
最終的な売買判断は、他の保有銘柄や資金バランスも含めて、ご自身のリスク許容度と相談しながら決めてくださいね。
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