【重要】AIバブル崩壊のXデーと2つの起点について_2025/11/21

どうもこんにちは、株ちゃんです。

本記事では「AIバブル崩壊くるの? もし来るなら“Xデー”はいつ頃か?」を、NVIDIAの最新決算とAI市場のデータをまとめて、ざっくり・噛み砕いてお話しします。
あくまで個人的主観ではありますが、参考といただければ幸いです。


目次

1.結論:AIブームは本物だが、“フルスロットル”で走れるのはあと3〜5年ほど

先に結論からいきます。

  • AIブーム自体は本物
    • NVIDIAの売上は570億ドル(前年+62%)と、決算数字だけ見れば「バケモノ級」です。
    • 特にデータセンター売上が512億ドル(前年+66%)と、完全にAI向けGPUが主役になっています。
  • でも、その裏側では…
    • データセンター用の電力需要が2030年までに世界全体でほぼ2倍〜2.5倍になると国際エネルギー機関(IEA)などが試算。
    • 米国だけ見ると、データセンターの電力が130GW(全電力需要の1割超)に増える可能性があるというレポートも出ています。
    • さらに、生成AIを入れた企業の約95%が「まだ利益への貢献が見えない」と回答している調査もあります。

このあたりを総合すると、私のざっくり結論はこうです。

AIバブルの「フル加速モード」が限界にぶつかるXデーは、早ければ2028〜2030年ごろ。
きっかけは「電力・インフラのボトルネック」と「投資額に見合わない収益」の両方から来る。
ただし、AIそのものがオワコンになるのではなく、“過剰な期待”だけが剥がれ落ちる調整になる可能性が高い。

→今株価が下ればAIバブル崩壊と言われてますが、それはまだ少し先かなと・・(そうであってほしい)

ここからは、

  1. NVIDIA決算が教えてくれたこと
  2. 「循環マネー」とROEなき投資ラッシュ
  3. 電力インフラという“物理の壁”
  4. 需給が崩れるシナリオとXデー予想
  5. それでもAIはなくならない理由
  6. 個人投資家としてどう向き合うか

の6章で、順番に噛み砕いていきます。


2.NVIDIA決算が示した「AI需要は本物」だが、すでに歪みも見え始めている

まずは、今回のNVIDIA 2026年度第3四半期決算をざっくり整理します

2-1.数字だけ見ると“完璧”

  • 四半期売上:570億ドル
    • 前期比:+22%
    • 前年同期比:+62%
  • そのうちデータセンター関連:512億ドル
    • 前期比:+25%
    • 前年同期比:+66%
  • GAAP営業利益:360億ドル
  • 純利益:319億ドル
  • 希薄化後EPS:1.30ドル

ガイダンス(次四半期見通し)も、

  • 売上:650億ドル(±2%)
  • 粗利率:約75%

と、市場予想を上回る“モンスター級”。

「AI需要はガチで来ている」というのを、数字で見せつけた決算でした。

2-2.それでも気になる「粗利益率のじわ下がり」

一方で、細かく見るとこんな変化もあります。

  • 粗利益率:74.6% → 73.4% に低下
  • 研究開発費(R&D):前年4,287億ドル → 今期5,839億ドルと大きく増加

まだ超高収益なのは間違いないですが、

  • 「一方的に値上げしても通る」状態から
  • 競争やコスト増で、じわじわマージンが削られ始めている

というサインでもあります。

たとえば、

  • AMDやインテルがAI向けGPU/アクセラレータを本格投入
  • 各国政府も「自前のAI半導体」を育てようとしている(中国、欧州、日本など)

こうした競争激化の“影”が、粗利率にじわっと出てきている、と見ることもできます。
 →競争は良い面もありますが。


3.循環マネーと「まだ回収できていないAI投資」

次に、「お金の流れ」をざっくり整理してみます。

3-1.AIマネーはどこからどこへ回っているか

今のAIブームでは、だいたいこんな循環になっています。

  1. 投資家・機関投資家
    → マイクロソフトやNVIDIA、メガテック企業に資金投下
  2. メガテック企業
    → AIスタートアップ(OpenAI、Anthropicなど)に出資&クラウド契約
  3. AIスタートアップ
    → そのお金でNVIDIAのGPUを大量購入、クラウド料金としてメガテックに支払う
  4. メガテック・半導体メーカー
    → 売上・利益が爆発 → 株価上昇 → さらに資金調達が容易に

いわゆる「循環マネーマシン」になっているわけですね。

3-2.でも、リターンはまだほとんど出ていない

問題は、「このお金がどのくらい回収できているのか?」です。

  • 生成AI関連への企業投資は年300〜400億ドル規模と言われていますが、
    約95%の企業が「まだ利益への明確な貢献がない」と回答した調査があります。
  • OpenAIは年130億ドル前後の売上に達したと報じられる一方で、
    数十億ドル規模の赤字を出しているという報道も出ています。

つまり、

「売上は伸びているけど、投資額に見合う利益はまだ出ていない」

という状態です。

ドットコムバブル期も「インターネットの価値」は本物でしたが、
“いつ・どこから儲かるのか” が見えないまま投資だけが先行し、2000年に一度リセットが入りました。

今回も、

  • AIが経済全体へ与えるインパクトは年間2.6〜4.4兆ドル(McKinsey)、あるいは7〜10兆ドル(各種調査)という試算もあり、ポテンシャルはとんでもない一方で
  • その“果実”が企業決算に本格的に表れるには、あと数年のタイムラグが必要そう

というギャップがあります。


4.最大のボトルネックは「電力」と「データセンター」

続いて、株ちゃんが一番気にしているポイント、電力インフラです。

4-1.データセンター電力は2030年までに“倍〜2.5倍”へ

各種レポートをざっくりまとめると、こんなイメージです。

  • IEAなどの試算
    • 2030年には世界のデータセンター消費電力が約945TWh(2024年比ほぼ2倍)
    • 世界の電力需要の約3%弱をデータセンターだけで食う規模になる予想。
  • 米国だけの試算
    • データセンター電力は2022年の17GW → 2030年に最大130GWと、一気に7〜8倍になる予測も。
    • これは米国全体の電力需要の約1〜1.2割に相当。

GPUを並べまくるAIデータセンターは、

  • 1施設で1GW級の電力を食うことも珍しくなく、
  • 「中規模都市まるごと1つ分」の電力をデータセンターが使うイメージです。

4-2.送電網・発電所の増設はそんなに早く進まない

一方で、

  • 原発や大型火力・送電線などのインフラ増強には5〜10年単位の時間がかかります。
  • すでに米国や欧州では、「電力引き込みが間に合わず、AIデータセンター計画が遅延」というニュースも出始めています。

さらに、電力会社側にも別のバイアスがあります。

  • 一部の電力会社は、将来需要をかなり“盛った”シナリオで計画を立てているという指摘もあり、
    実際には
    「電力不足」ではなく「投資過剰」になるリスクも指摘されています

ざっくり言うと、

「本当に必要なAI電力は足りないかもしれないが、
“期待されているほどのAIブーム”分の電力はどう考えても用意できない」

という状態になりつつある、ということです。


5.需給が崩れるシナリオと“Xデー”のタイムライン

ここまでを踏まえて、私なりに「Xデー」のシナリオを組み立ててみます。
※あくまで個人的な仮説です。ほんとに参考にならない前提でお願いします。

5-1.ざっくりタイムライン

〜2026年:AI投資バブル“本格点火”フェーズ

  • NVIDIAやメガテックの決算は、まだ「右肩上がり・最高益更新」モード。
  • 各国でデータセンター投資・AI半導体工場の建設ラッシュ。
  • 株式市場でも、
    • AI関連銘柄のPER拡大
    • 「AI絡みならなんでも買われる」状態が続きやすい。

2027〜2028年:電力・インフラのボトルネックが表面化

  • 既存の電力網・送電線のキャパに近づき、
    「データセンターは建ったのに、フル稼働できない」案件が増える。
  • 一部のAIスタートアップやクラウド事業者が、
    • GPUを確保しているのに
    • 電力制約や需要不足で稼働率が想定以下 → 減損・計画見直し
  • 同時に、企業のAI投資についても
    「思ったほど売上・利益に結びついていない」事例がニュースになり始める。

→ このあたりが、AI関連株の“バリュエーション調整”の始まりになりやすいゾーンだと見ています。

2028〜2030年:期待と現実のギャップが一気に修正される“Xデー”候補ゾーン

  • 2024〜2026年に決めた大型データセンター投資・GPU購入契約の3〜5年目がちょうどこのタイミング。
  • その時点で、
    • 「本当に儲かっているAIサービス」
    • 「全然マネタイズできていないAIプロジェクト」
      がハッキリ分かれてくるはずです。
  • ここで、
    • GPUのキャンセルや減額交渉
    • データセンター投資の凍結・縮小
      が広がると、
    • NVIDIAを含むAIインフラ企業の成長率がガクッと鈍化
    • 「永遠に続くと思われていたAI成長ストーリー」に疑問符がつく

株ちゃんの感覚値では、

最初の大きな“逆風イベント”が出るのは、早ければ2027年ごろ。
でも「AIブームのフルスロットル」が本格的に限界を迎えるのは、
2028〜2030年あたりがXデー候補。

というイメージです。

5-2.どんな形の調整になりそうか?

考えられるパターンをざっくり分けると、

  1. ソフトランディング型
    • 成長率は落ちるが、AIの実需もゆっくり追いついてくる
    • バリュエーションが「超割高 → 普通に高い」くらいまで落ちるイメージ
  2. ハードランディング型(“ミニITバブル崩壊”)
    • 電力制約・金利・規制などが一気に重なり
    • GPUやデータセンターが供給過剰 → 投資の見直しラッシュ
    • AIど真ん中銘柄が高値から半値〜3分の1くらいまで調整してもおかしくない

現時点の材料だけで言えば、

  • 各国政府もAIを成長戦略に乗せている
  • 原発や再エネへの投資も同時に増やそうとしている

ので、完全に弾けるというより「期待をそぎ落とす調整」寄りかな、というのが株ちゃんの見立てです。


6.それでもAIは消えない:個人投資家としてどう向き合うか?

最後に、「じゃあ個人投資家はどう考えればいいの?」という話で締めます。

6-1.バブルと“本物の成長”を分けて考える

ポイントはこの2つを分けて考えることだと思っています。

  • バブル成分:
    • 循環マネーで膨らんだバリュエーション
    • まだ収益化できていないAIプロジェクト
    • 「AIを入れたらなんでもスゴくなる」という雑な期待
  • 本物の成長:
    • 半導体・電力・データセンターの長期需要
    • 既に実用化が進んでいる業務効率化(コーディング支援、検索、RPAなど)
    • AIが産業の“標準装備”になったときに残るプラットフォーム企業

Xデーが来たときに一番ダメージを受けるのは、前者(バブル成分)に全力で乗っている銘柄です。

逆に、

  • バリュエーションが常識的な範囲に戻る
  • それでも売上・利益が右肩上がりで残り続ける

という銘柄は、むしろ長期で仕込むチャンスになる可能性もあります。

6-2.これから数年の“見るポイント”

最後に、今後チェックしておきたい指標を箇条書きでまとめておきます。

  • NVIDIAなどAIインフラ企業の粗利益率
    • 70%台前半を維持できるのか、それとも60%台に落ちていくのか
  • データセンター電力関連ニュース
    • 各国の電力不足報道
    • AI向け原発・再エネの長期契約ニュース
  • 企業決算での「AIの定量効果」
    • 「AI導入でコスト○%削減・売上○%増加」といった具体的な数字がどのくらい出てくるか
  • AIスタートアップの上場・破綻ニュース
    • ここが増えてくると、「投資サイクルの転換点」に近づいているサイン

まとめ:Xデーを“怖がる”より、“準備しながら観察する”スタンスで

改めて、この記事の主なポイントを整理すると…

  • NVIDIAの最新決算を見ると、AI需要そのものは本物で、今はまだ“絶好調フェーズ”。
  • ただし、
    • 投資額に対してリターンが出ていない企業が大半
    • 電力インフラ・データセンターのキャパに数年以内に天井が来る可能性
      が徐々に見え始めている。
  • 私の仮説では、
    • 2027年ごろから「AI投資の効き方」に対する疑問が表面化
    • 2028〜2030年あたりに、一度大きな“期待のリセット”=Xデーが来る 可能性が高い。
  • とはいえ、AIそのものは長期的には産業の標準インフラになる公算が大きく、
    本当に稼げるビジネスは“バブル崩壊後”に育っていく。

なので、

「AIは本物だが、今の期待は明らかに先行しすぎている」
という前提で、
どこでバブルが剥がれるかを観察しながら、
自分なりの“長期で持ちたいAI銘柄”を今から研究しておく。

このあたりが、個人投資家としての現実的なスタンスかなと考えています。
最後までご覧いただきありがとうございました。予想は誰にもできないですが、シナリオは立てれます。ぜひ参考としていただければ幸いです。

AIバブル崩壊とかはなしでお願いします!

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