「半導体が総崩れした今週、JX金属(5016)はどう動いたの?来週はもっと下がる…?」
2026年7月4日時点で、今週の値動きと来週の見通しを整理します。結論から言うと来週は「厳しい」と見るのが妥当。ただし”崩壊”ではなく”我慢の局面”です。読めば、なぜそう言えるのか・何を見て判断すればいいのかがわかります。
まず結論:来週は「厳しい」、でも”崩壊”ではない
1 半導体地合いが最悪。セクター逆風を正面から受ける立ち位置
2 信用需給が過熱(信用倍率9.08倍・買い残90%)で上値が重い
3 三角持ち合いの下限で踏ん張り中(高値から約−29%)
一方で「崩壊」と見ない理由は明確です。足元業績は過去最高圏を更新中(2026年3月期 営業利益1,750億円)、銅建値は7/1に引き上げ、増産投資も継続。ファンダは崩れておらず、今の下げは半導体セクター連動+信用需給の重さによる”株価要因”が主体です。
※本記事は2026年7月4日時点で公開された情報およびStockAnalyzer入力データに基づく事実整理であり、特定銘柄の投資を推奨するものではありません。株価・信用残・業績は各時点の数値のため、最新値は必ずご自身でご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
高値から−29%か…。業績いいのに、なんでここまで下がってるの?
PART 1 今週のJX金属を客観的に振り返る
──株価・バリュエーション・信用需給・業績
このパートの要点:株価は高値から−29%だが7/3は反発。信用需給は過熱、PERは32.4倍。ただし業績は過去最高圏で崩れていない。
JX金属(5016)7/3 15:30 終値
4,085円
前日比 +37円(+0.91%)
| 上場来高値(5/11) | 5,828円 |
| 高値からの下落率 | 約 −29% |
| 上場来安値(2025/4/7) | 650円 |
| ベータ値 | 2.55(市場平均の約2.5倍動く) |
| ボラティリティ | 約13% |
高値5,828円をつけたのは、皮肉にも自社株TOB+CB発行を発表した5月11日。そこから約2か月で4,000円近辺まで水準を切り下げ、現在は三角持ち合いの下限付近でもみ合っています。7/3は+0.91%とわずかに反発。半導体総崩れの翌日としては「よく耐えた」部類です。
バリュエーション(提供データ)
現在株価
4,085円
EPS(今期予想)
126円
PER
32.4倍
PER32.4倍は、非鉄金属という業種の一般水準(10倍台が多い)からすると高め。これは市場がJX金属を「単なる資源・精錬会社」ではなく「半導体材料の成長企業」として評価している証左であり、裏を返せば半導体の成長ストーリーが揺らぐと真っ先に売られるバリュエーションでもあります。今週の総崩れで直撃を受けた構造的な理由がここにあります。
※要確認:EPS126円・PER32.4倍はStockAnalyzer上の今期会社予想ベースの入力値を採用。会社予想の当期利益1,140億円・発行済株数から逆算する場合とは前提が異なる可能性があるため、確定計算は原データでご確認ください。
信用需給 ―― 今週の最大の注目点(6/26申込日時点)
| 信用買い残 | 2,214万0,300株(前週比 +88万2,100株) |
| 信用売り残 | 243万9,000株(前週比 +12万2,000株) |
| 信用倍率 | 9.08倍 |
| 需給バランス | 買い残90% / 売り残10% |
| 判定 | 過熱(強い買い偏重) |
これが来週を「厳しい」と見る最大の定量的根拠。信用倍率9.08倍・買い残90%は、買い方に極端に傾いた過熱水準。しかも買い残は前週から+88万株とさらに積み増しています。この状態の読み方は明確です。
業績・材料(ファンダは崩れていない)
2026年3月期:売上高8,846億円、営業利益1,750億円。AI関連需要拡大が牽引。
2027年3月期 会社予想:売上高9,300億円、営業利益1,900億円、当期利益1,140億円(前提:LME銅520セント/ポンド、為替150円/ドル)。
銅建値:7/1に3万円引き上げ(銅価上昇は収益にプラス)。設備投資:増産継続、岩井コスモが目標株価引き上げ(6月)。
最大2,500億円の自社株TOB、配当性向25%程度・下限20円。
PART 2 半導体総崩れの中での「立ち回り」評価
──銅事業がクッションになった
このパートの要点:7/2の半導体ショックの中でJX金属は相対的に底堅い。純半導体株ほど崩れず、銅という”もう一本の柱”が下値を支えた。
7月2日、AI・半導体関連株が世界的に急落しました。震源は前日の米国市場で、SOX(フィラデルフィア半導体株指数)が6.3%下落。東京市場ではキオクシアが一時15%安、日経平均は1,374円安の6万9,100円まで売られました。引き金はMetaのクラウド事業報道、アップルの中国製メモリ調達検討報道、マイケル・バーリ氏の空売り判明といった”思惑”材料の連鎖です。
その総崩れの中で、JX金属には一定の「底堅さ」が見られました。
7/3は+0.91%で反発。半導体総崩れの翌日にプラスで引けたのは、キオクシア等の純半導体株と比べて相対的に堅い動き。
銅という”もう一本の柱”。半導体材料だけでなく銅の資源・精錬・圧延という事業基盤を持ち、7/1の銅建値引き上げが半導体逆風の一部を相殺。
高値からは−29%。5月高値からの下落率は大きく、半導体セクターの一員として売られる構図からは逃れられていない。
「半導体」と「銅」の二本柱。この銅がクッションになってるのが、純半導体株との違いなんよ。
PART 3 チャートと来週(7月第2週)の見通し
──三角持ち合いの下限が生命線
このパートの要点:三角持ち合いが煮詰まり、近く放れる可能性。上放れには地合い改善と信用解消が必要で、下限(3,500〜3,800円台)の維持が当面の生命線。
日足チャートからは、三角持ち合いの形成が読み取れます。上値は5月高値5,828円から切り下がる抵抗線、下値は2025年からの長期上昇トレンドライン。この2本が収束する局面で、株価4,085円はやや下限寄りに位置しています。短期線(青、4,536円付近)は中期線を下回りつつあり短期は調整トレンドですが、長期の上昇トレンドラインは維持。RSIは46.37と中立からやや弱含みで、売られ過ぎ(30以下)ではなく、まだ下落余地を残す水準です。
直近の安値切り上げ(3,500円台での反発実績)が下値支持。投資の森のデータでは、暴落平均下落率を当てはめた場合の目安が4,101円付近、最悪ケースで3,864円付近。三角持ち合いの下限(長期トレンドライン・3,500〜3,800円台)を維持できるかが当面の生命線です。
① 半導体地合いの継続懸念
7/2のショックは思惑主体で実データ悪化ではないが、市場心理の落ち着きには時間が必要。米メモリ株(サンディスク等)の夜間の動きが東京朝の方向感を左右する。
② 信用需給の重さ
買い残90%・信用倍率9.08倍の過熱は一朝一夕に解消しない。戻り売りが上値を抑え、下落時は投げが加速しやすい。
③ PER32.4倍の割高感
グロース評価ゆえ、金利上昇局面(ウォーシュFRB議長のタカ派発言)ではさらに売られやすい。
① 半導体セクターのポジティブ材料
ハイパースケーラーの設備投資維持、エヌビディア関連の好材料などが出れば、セクター全体が反発しJX金属も連動しやすい。
② 銅価の上昇継続
銅建値の追加引き上げは、半導体逆風を相殺する独自材料。
③ 信用需給の解消
買い残が減少に転じれば、上値の重さが軽くなる。
来週チェックリスト(見るべき先行指標)
| 指標 | 注目点 |
|---|---|
| 米メモリ株(SNDK等)の夜間動向 | 東京朝の方向感の先行指標 |
| 銅価・LME銅 | JX金属独自の下支え材料 |
| 信用残の週次変化 | 買い残が減れば需給改善 |
| 三角持ち合いの下限(3,500〜3,800円台) | 維持できれば底堅さ、割れれば調整深化 |
| 次回決算(8/11予定) | 中期の方向を決める本命イベント |
来週の姿勢
新規の強気は急がない。地合い(米メモリ株の夜間動向)と銅価、信用残の週次変化を見ながら、三角持ち合いの下限を維持できるかを見極める局面です。
総括:来週は「厳しい」、でも理由は”株価要因”
① 今週は純半導体株ほど崩れず、銅事業が下値を支える立ち回り
② 信用需給は過熱(買い残90%・信用倍率9.08倍)で上値が重く下値が速い
③ 来週の厳しさは業績悪化ではなく、地合い・信用需給・金利感応度という株価要因
ファンダ(営業利益1,750億円、銅建値引き上げ、増産継続)は崩れていません。だからこそ来週は、新規の強気は急がず、半導体地合い・銅価・信用残・三角持ち合いの下限維持を確認しながら下げ止まりの兆候を待つのが、今の需給とセクター環境に最も忠実な向き合い方です。次の中期の方向は、8月11日の決算が決めます。
よくある質問
業績は崩れていない。下げているのは”株価の事情”。
だからこそ、地合い・銅価・信用残・下限維持を見極めながら、
焦らず下げ止まりの兆候を待つ局面です。
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注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
