【2027年度概算要求】140兆円が株式市場に効く3つのルート|AI・半導体1.4兆円と長期金利2.9%をどう読むか

【2027年度概算要求】140兆円が株式市場に効く3つのルート|AI・半導体1.4兆円と長期金利2.9%をどう読むか
相場解説 政策と相場をつなげて読む記事です。AI活用の総論は こちらの完全解説記事 から
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2027年度の概算要求が140兆円って大きなニュースになってましたけど、正直ピンとこなくて…。これって私の持っている株に、何か関係があるんですか?

2027年度予算の概算要求が140兆円前後という話は、ニュースだけ見ると「国がたくさんお金を使うらしい」で終わってしまいます。でも投資家にとっては、ここが年内でいちばん大きい相場材料のひとつです。どの業界にお金が向かうかが決まると同時に、その財源をどう賄うかが長期金利を通じて株価水準そのものを動かすからです。

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予算のニュースは「金額の大きさ」ではなく「どこに、どのくらいのスピードで増えるか」で読む。この記事ではその読み方を、過去の実例と一緒に整理します。

✅ この記事の結論(先に要点だけ)

  • 1140兆円という数字の膨張は、半分が「見かけ」。補正予算で計上していた分を当初予算にまとめた影響が大きく、単純に前年比プラス18兆円の大盤振る舞いではありません
  • 2中身で本命なのは上限のない「強く豊かな日本」投資枠。経済産業省だけで投資枠4兆5250億円、うちフィジカルAI・半導体に1兆4342億円が要求されています
  • 3個別銘柄より先に効くのは金利ルート。国債費は過去最大の36兆6386億円、長期金利は2.9%台。予算が膨らむほど、株の「割高さ」の判定が厳しくなります
目次

まず何が起きたのか|概算要求140兆円の全体像

概算要求とは、各省庁が「来年度はこれだけ予算をください」と財務省に出す要求書のことです。毎年8月末が提出期限で、ここから年末にかけて査定され、政府案として閣議決定されます。つまり今の段階はあくまで「要求」であって、決定した予算ではありません。ここは記事の最後まで何度も出てくる、いちばん大事な前提です。

共同通信が2026年8月28日に報じたところによると、2027年度予算の各省庁による概算要求の一般会計総額は140兆円前後に膨らむ見通しです。読売新聞(2026年8月29日付)によれば、2026年度の要求総額122兆4454億円を大きく上回り、4年連続で過去最大を更新することになります。

数字の並びを見てみましょう。判明している主なものを整理すると、こうなります。

項目 金額 補足
概算要求総額(一般会計) 140兆円前後 4年連続で過去最大
前年(2026年度)の要求総額 122兆4454億円 比較の基準になる数字
国債費(返済・利払い) 36兆6386億円 過去最大。金利上昇の直接的な影響
経済産業省の要求総額 約7兆7268億円 2026年度当初予算の約2.5倍
経済産業省の投資枠 4兆5250億円 うちフィジカルAI・半導体に1兆4342億円
重要鉱物の確保 約6800億円 レアアースを含む
文部科学省の要求額 8兆7750億円 うち投資枠2兆1830億円
厚生労働省の社会保障費 33兆6872億円 2026年度当初比 約3400億円増

出典:共同通信(2026年8月28日配信)、読売新聞(2026年8月29日付)、時事通信(2026年8月20日配信)、文部科学省発表資料をもとにした報道(2026年8月28日)。金額は要求ベースであり、確定した予算ではありません。

ここで注目してほしいのが、経済産業省の「約2.5倍」です。ふつう役所の予算が1年で2.5倍になることはありません。にもかかわらずこの数字が出ているのは、予算の作り方そのものが変わったからです。

なぜ膨らんだのか|3つの構造を分けて読む

構造① 上限のない「強く豊かな日本」投資枠

2027年度から新設されたのが「強く豊かな日本」投資枠です。従来の概算要求には要求額の上限(シーリング)がありましたが、この枠については上限が撤廃され、成長につながる投資であれば各省庁が青天井で要求できるようになりました。

結果として、経済産業省が4兆5250億円、文部科学省が2兆1830億円、厚生労働省が1兆337億円といった規模で投資枠への要求が並びました。上限がないのですから、要求額が積み上がるのは制度上ある意味で当然です。「各省庁が急に強欲になった」という話ではありません。

構造② 補正予算の当初予算への一本化=「見かけの膨張」

ここが最重要ポイントです。日本の予算はここ数年、年度当初の予算を小さめに組んで、年末や年度途中の補正予算で大きく積み増すやり方が常態化していました。高市政権はこれを見直し、補正で計上してきた経常的な経費を最初から当初予算に入れる方針を打ち出しています。

つまり、これまで2回に分けて出していた数字を1回にまとめたわけです。読売新聞(2026年8月29日付)は、今回の要求規模が2026年度当初と2025年度補正を足した約140兆6000億円とほぼ同規模だと指摘しています。前年の要求122兆円と比べれば18兆円の増加に見えますが、比較対象を揃えると印象はかなり変わります。

⚠️ 数字を読むときのコツ:「過去最大」という見出しが出たら、必ず比較対象を確認します。当初予算どうしなのか、補正込みなのか、要求ベースなのか決定ベースなのか。ここを揃えないと、膨張の大きさを実際の2倍にも半分にも読み違えます。

構造③ 金利上昇による国債費の増加

3つ目は、投資家にとっていちばん怖い部分です。国債の返済と利払いに充てる国債費が、過去最大の36兆6386億円で要求されました。これは政策的な意思ではなく、金利が上がった結果として自動的に膨らむ支出です。

日本の長期金利(新発10年物国債利回り)は2026年8月28日時点で2.916%、20年債は3.801%でした(財経新聞・同日の円債市場まとめ)。金利が上がれば、国が新しく発行する国債の利払い負担も増えます。支出が増えれば国債の発行も増えやすく、需給が緩んで金利がまた上がる。この循環に市場が神経質になっている、というのが今の局面です。

市場はもう反応している|金利・為替・株の三角関係

「予算のニュースで株が動くのは決定してからでは?」と思うかもしれませんが、市場はもっと早く動きます。8月中旬から下旬にかけて各省庁の要求額が報道された時点で、債券市場では財政拡大への警戒が意識されていました。

市場 水準 読み方
長期金利(10年) 2.916% 株の割高・割安の物差しが厳しくなる
超長期金利(20年) 3.801% 財政への警戒が出やすいのはこちら
日経平均株価 66,405.56円 財政懸念より企業業績が優勢な状態
米ドル/円 159円台半ば 円安は輸出企業の追い風、輸入コストは重荷

出典:金利は財経新聞「8月28日日本国債市場」、日経平均は2026年8月28日大引け(株式新聞)、為替は同日のOANDA為替レポート。いずれも2026年8月28日時点の数値です。なお日経平均の2026年8月31日終値は66,311.93円(前週末比93.63円安)でした。

ここで押さえたいのは、財政拡大が株にとって「良いニュース」と「悪いニュース」の両方だということです。良い面は、政府がお金を出す先の業界に需要が生まれること。悪い面は、その財源が国債でまかなわれると金利が上がり、将来利益の現在価値が目減りして、特に高PER銘柄の株価水準が下がりやすくなることです。

同じ「140兆円」というニュースが、ある銘柄には追い風に、別の銘柄には逆風になる。だから業種ごとに分けて考える必要があります。

過去の実例|防衛費増額のとき、株価は4段階で動いた

予算テーマがどう株価に効くかは、直近でとても分かりやすい実例があります。防衛費の増額です。この4年間の流れを段階で分けると、予算相場の型が見えてきます。

段階 できごと 株価の性格
① 思惑 2022年6月の骨太方針、同年12月16日の防衛3文書の閣議決定 業績が動く前に期待だけで上がる
② 制度 2023〜2027年度の防衛費を43兆円規模へ。装備品の想定利益率を最大15%程度まで引き上げ 「取れる利益率」が変わり、期待が数字の裏付けを得る
③ 業績 2026年3月期に防衛・宇宙の売上収益が1兆1445億円、純利益3321億円で過去最高 数字が出てくる。ただし株価はすでに織り込み済みのことが多い
④ 減速 防衛関係費は2022年度5.4兆円→2026年度9兆353億円。ただし増加額は2023年度の約1兆4000億円に対し2026年度は約3300億円 総額は最大でも「増える勢い」が鈍り、株価は調整局面に入りやすい

出典:日本経済新聞(2025年4月18日付)、防衛関連予算の推移に関する報道(2026年8月)、企業の決算発表に関する報道(2026年5月)。株価の水準・騰落率については各自で証券会社のチャートをご確認ください。

この4段階から得られる教訓は、はっきりしています。予算テーマの株価は「金額の大きさ」ではなく「増え方の変化」で動くということです。総額が過去最大でも、前年からの増加ペースが鈍ればテーマとしての勢いは失われます。実際、防衛関連は業績が過去最高を更新した2026年になっても、株価が大きく調整する局面がありました。

この視点を今回の概算要求に当てはめると、見るべきは「140兆円」ではなく、①投資枠がどの分野で②前年からいくら増え③その増加が来年以降も続く構造なのか、の3点になります。

追い風になりうる分野|予算項目から業界へのマップ

要求されている項目を、業界に置き換えて整理します。金額はすべて要求ベースであり、年末の査定で削られる可能性がある点は常に頭に置いてください。

予算項目 要求額 つながる業界 効くまでの時間
フィジカルAI基盤モデル・半導体製造基盤 1兆4342億円 産業用ロボット、サーボ・制御機器、半導体製造装置 中期(2〜3年)
重要鉱物の確保 約6800億円 非鉄金属、レアアース・レアメタル、リサイクル 長期(3年以上)
ナフサ調達先の多角化・化学品在庫強化 約2200億円 石油化学、商社、物流 短期〜中期
17の戦略分野の研究開発・人材育成(文科省) 8645億円 計測・分析機器、宇宙、バイオ、核融合関連 長期
国土強靱化(学校・大学施設の耐災害性強化など) 2512億円(文科省分) 建設、土木、防災関連 短期(発注が早い)
中小企業支援(経産省) 約9000億円 業務システム、SaaS、省力化機器 短期〜中期

出典:時事通信(2026年8月20日配信)、共同通信(2026年8月20日配信)、文部科学省の概算要求に関する報道(2026年8月28日)。「効くまでの時間」は筆者の整理であり、根拠のある予測ではありません。

調べる価値のある3社と、シナリオ試算

ここからは、上の表の代表的な3分野について「調べる価値のある会社」を1社ずつ挙げ、株価がどのくらいの範囲で動きうるかをEPS(1株あたり利益)とPER(株価収益率)で試算します。あくまで前提を置いた計算であり、当てにいくための予想ではありません。前提が崩れたらどこで見直すかまでセットで考えます。

⚠️ 試算の前提:EPSは「株価÷PER」で逆算した概算値です。株価とPERは株探(2026年8月28日または31日時点)の数値を使用しました。自社株買いや業績修正で前提は変わります。以下の目標株価はシナリオごとの計算結果であり、到達を見込むものでも、売買を推奨するものでもありません。

① 安川電機(6506)|フィジカルAI・ロボット

サーボモーターとインバーターで世界トップ、産業用ロボットの累積出荷も首位級のメカトロ大手です。経産省がフィジカルAIの基盤モデル開発に予算を積むなら、実際にロボットを動かす部品と制御をつくる会社に需要が回る可能性があります。

株価は2026年8月28日終値で4,811円、PER26.5倍、PBR2.57倍でした(株探)。ここから逆算したEPSは約182円です。注目すべきは値動きの荒さで、年初来安値は2026年3月31日の3,987円、年初来高値は6月22日の7,915円。つまり3か月で約2倍になり、そこから約4割下げた水準に今います。

シナリオ 前提 EPS×PER 計算結果
弱気 設備投資が減速し、予算も査定で削られてテーマが剥落 150円×20倍 約3,000円(現値比 約−38%)
中立 現状の利益水準と評価が続く 182円×26.5倍 約4,820円(ほぼ現値)
強気 予算が実際に執行され、国内需要が上乗せされて評価も切り上がる 230円×32倍 約7,360円(現値比 約+53%)

面白いのはここからです。6月の高値7,915円をEPS182円で割ると、PERは約43倍になります。つまりあの高値は、業績で説明できる水準というよりテーマに付いた値段でした。同じ株価に戻るには、利益が伸びるか、もう一度テーマの熱が戻るかのどちらかが必要になります。予算テーマを追うときに、この切り分けができるかどうかで結果はかなり変わります。

賛成できる点は、フィジカルAIという言葉が予算項目として実際に書かれたこと。反対の材料は、政府予算が同社の売上に占める割合は限定的で、業績の主役はあくまで中国を含む海外の設備投資だという点です。確認できないのは、1兆4342億円のうち実際に国内メーカーの受注として落ちてくる金額で、これは年末の予算編成を待つしかありません。

② JX金属(5016)|重要鉱物・半導体材料

銅を中心とする非鉄金属大手で、半導体用の薄膜材料や圧延銅箔にも強みがあります。重要鉱物の確保に約6800億円という要求は、まさにこの会社が属する領域です。AI半導体の需要と、資源安全保障の政策と、両方の追い風が重なる位置にいます。

株価は2026年8月28日終値で3,810円、PER24.1倍、PBR5.30倍(株探)。逆算EPSは約158円です。2027年3月期第1四半期(2026年8月6日発表)は売上高2,606億円、営業利益814億円、純利益531億円で、円安と銅価上昇を背景に大幅増益となり、通期予想の上方修正も同時に示されました。年初来では1月5日の1,984円から5月11日の5,828円まで動いており、値動きの幅は安川電機以上です。

シナリオ 前提 EPS×PER 計算結果
弱気 銅価下落と円高が重なり、半導体材料も在庫調整に入る 120円×18倍 約2,160円(現値比 約−43%)
中立 現在の市況と評価が続く 158円×24倍 約3,790円(ほぼ現値)
強気 円安と銅高が続き、上方修正がさらに重なる。政策の後押しも評価される 200円×30倍 約6,000円(現値比 約+57%)

この銘柄の損益を動かす変数は、政策よりも先に銅価と為替です。第1四半期の増益要因として会社が挙げているのもこの2つでした。逆に言えば、重要鉱物の予算がついたとしても、銅が下がり円高に振れれば株価は落ちます。政策は追い風であって、エンジンではありません。ここを取り違えると、「政策が出たのになぜ下がるのか」と混乱することになります。

確認できないのは、6800億円の使い道の内訳です。備蓄なのか、権益取得なのか、リサイクル技術への補助なのか。どれになるかで、恩恵を受ける企業はまったく変わります。

③ 鹿島建設(1812)|国土強靱化

総合建設大手で、超高層ビル・耐震・原発など技術に強みがあります。国土強靱化の予算は毎年計上され、公共工事として比較的早く発注に回るのが特徴です。株価は2026年8月31日終値で4,838円、PER13.0倍、PBR1.62倍、配当利回り3.02%(株探)。逆算EPSは約372円です。

シナリオ 前提 EPS×PER 計算結果
弱気 資材高と労務費上昇で採算が悪化し、金利上昇が不動産開発にも効く 320円×11倍 約3,520円(現値比 約−27%)
中立 現状維持。配当利回りが下支えになる 372円×13倍 約4,840円(ほぼ現値)
強気 公共工事の単価改善が進み、データセンター関連の建設需要も上乗せ 420円×15倍 約6,300円(現値比 約+30%)

3社のうち、私が候補から落とすなら

3つ挙げたら、必ず1つ落とす。これは候補を絞るときに私が決めているルールです。今回落とすとすれば鹿島建設です。理由は3つあります。

1つ目は、予算が増えても利益が同じ比率では増えにくいこと。建設は人手と資材の制約を受けるため、工事量が増えても採算が伴わない局面があります。2つ目は、金利上昇が不動産開発事業に直接の逆風になること。今回の概算要求は金利上昇とセットで語られるテーマなので、追い風と逆風が同じニュースの中に同居しています。3つ目は、PER13.0倍という評価そのもので、市場が「予算で伸びる会社」として買っていないことを示しています。

ただしこれは「悪い会社だから外す」という意味ではありません。配当利回り3.02%は3社の中で最も高く、値動きも穏やかです。予算テーマを追う枠としては外れるが、金利上昇局面の配当銘柄としては別の評価軸がありうる、という整理になります。落とす理由を言葉にしておくと、後で前提が変わったときに拾い直せます。

逆風になるのはどこか|金利ルートで削られるもの

追い風の話ばかりでは片手落ちです。財政拡大のもう一方の顔である金利上昇は、業種を選ばず効いてきます。

対象 効き方 向き
高PERの成長株 将来利益の現在価値が下がり、許容されるPERが縮む 逆風
不動産・REIT 借入コスト上昇。分配金利回りと国債利回りの差が縮む 逆風
借入依存度の高い内需企業 支払利息の増加が営業利益の伸びを打ち消す 逆風
銀行・保険 利ざやの改善、運用利回りの上昇 追い風
輸出企業 財政懸念からの円安は追い風だが、輸入コストは重くなる 両面

たとえば上で見た安川電機の強気シナリオはPER32倍を前提にしています。ところが金利が上がる局面では、市場が許容するPERの上限そのものが下がります。利益が想定どおり伸びても、株価が伸びないという現象はここから起きます。EPSとPERを分けて考える意味は、この一点にあります。

テーマ買いで焦らないための3つのフィルター

  • 1要求は決定ではない。概算要求は8月末が提出期限で、財務省が9月上旬に集計を発表します。査定を経て政府案になるのは年末。この間に金額は動きます
  • 2「事項要求」に注意。金額を明示せず項目だけ出す要求が今回も多いと報じられています。数字が入っていない部分は、テーマとしての厚みも未確定です
  • 3補助金は売上ではない。予算が付いても、その企業の売上・利益にいくら乗るかは別問題です。決算資料で受注や売上として確認できるまでは、期待の段階にとどめます

そのうえで、これから見るべき日程と指標を挙げておきます。

時期 できごと 見るポイント
2026年9月上旬 財務省が概算要求の集計結果を発表 確定した総額と、投資枠の分野別内訳
2026年秋 予算編成の査定、税制改正の議論 どの項目が削られ、どこが残るか
2026年末 政府予算案の閣議決定 要求からの削減率。ここで初めて金額が固まる
随時 国債入札、長期・超長期金利 応札倍率の低下と金利急騰は財政不安のサイン

AIで自分用に棚卸しするプロンプト

予算のニュースから受益企業を探すとき、AIに「関連銘柄を教えて」と聞くのはおすすめしません。学習データの範囲で有名な会社を並べるだけになりがちで、しかも数値が古いことがあります。正しい使い方は、条件を作らせて、当てはめるのは自分でやることです。

プロンプト1:予算項目から「探す条件」を作る

📋 コピペOK:予算項目の分解プロンプト
あなたは産業アナリストです。
以下の予算項目を、お金の流れの順に分解してください。

【予算項目】
(ここに予算項目名と金額を貼り付け。例:フィジカルAI基盤モデル開発・半導体製造基盤強化 1兆4342億円)

【出力してほしい内容】
1. この予算が最初に支払われる先の種類(研究機関・完成品メーカー・部材メーカー等)を、
   お金が流れる順番に3段階で整理する
2. 各段階で必要になる製品・技術・サービスを具体的に列挙する
3. その製品を供給する企業が満たすべき条件を、検索可能な形で5つ書く
   (例:「〇〇の国内シェアが上位」「売上に占める△△事業の比率が20%以上」など)
4. この予算が企業の売上として計上されるまでに、通常どのくらいの期間がかかるか

企業名・銘柄名は出さないこと。条件までを出力し、当てはめは私が行います。
分からない項目は「分からない」と書き、推測で埋めないこと。
推奨は不要です。最終判断は私が行います。

プロンプト2:保有銘柄の金利感応度を点検する

📋 コピペOK:金利感応度チェック プロンプト
あなたは慎重なリスク管理担当者です。
以下の保有銘柄について、長期金利が1%上昇した場合の影響を整理してください。

【保有銘柄データ】
(銘柄名・PER・PBR・自己資本比率・有利子負債・事業内容を貼り付け)

【現在の市場環境】
長期金利(10年)2.916%、20年債3.801%(2026年8月28日時点)

【出力してほしい内容】
1. 各銘柄を「金利上昇に強い/中立/弱い」の3つに分類し、理由を2行で
2. 弱いと判断した銘柄について、影響が出る経路(借入コスト・PER水準・需要)を特定する
3. 私が決算資料のどの項目を確認すべきか、具体的な項目名で3つ挙げる
4. この分類が間違っていたと分かるのは、何が起きたときかを1つ書く

渡したデータのみを使用し、最新株価や業績の推測はしないこと。
売買の推奨ではなく、判断材料の整理として出力すること。

⚠️ 注意ポイント:AIは予算資料の細かい内訳や最新の株価を正確には持っていません。金額・株価・決算数値は必ず一次情報(各省庁の公表資料、決算短信、証券会社のアプリ)で確認してから貼り付けてください。整理はAI、裏取りは自分。この順番を崩さないことが大切です。

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よくある質問

Q. 概算要求で株が動くなら、発表前に買っておけばよかったのでは?

A. 各省庁の要求額は8月中旬から順次報道されており、市場はすでにかなりの部分を織り込んでいます。防衛費の例で見たとおり、政策テーマは思惑の段階で先に動き、業績が出るころには一巡していることが少なくありません。むしろ大事なのは、年末の予算編成で「削られた/残った」が判明したときにどう動くかを、今のうちに決めておくことです。

Q. 財政拡大は結局、株にプラスなのですか、マイナスなのですか?

A. 短期的には需要が増えるのでプラスに働きやすく、金利が上がりすぎればマイナスに転じます。分かれ目は「成長が金利上昇に追いつくかどうか」です。だからこそ市場は、財政拡大そのものではなく、長期金利と超長期金利の水準を見ています。

Q. 記事のシナリオ試算は、どのくらい信じていいですか?

A. 信じるものではなく、線を引くための道具として使ってください。EPSとPERの前提を書いておけば、実際に決算が出たときに「どの前提が外れたのか」を切り分けられます。当てることより、外れたと分かる速さのほうが投資では効きます。

まとめ

2027年度の概算要求140兆円は、その大きさより中身の変化にニュース価値があります。上限のない投資枠が新設され、AI・半導体・ロボットに1兆4342億円という具体的な金額が積まれた。一方で国債費は36兆6386億円まで膨らみ、長期金利は2.9%台に乗っている。同じ材料が、業種によって追い風にも逆風にもなる局面です。

やることはシンプルです。①予算項目を業界に翻訳する、②その業界の会社をEPSとPERに分けて見る、③金利が上がったときにPERが縮む前提でも耐えられるかを確認する。この3つを踏めば、「140兆円」という見出しに振り回されずに済みます。

そして年末。政府案が閣議決定されて、要求からいくら削られたかが分かる日が来ます。そのとき慌てないために、今のうちに前提を紙に書いておく。これが今回の記事でいちばんお伝えしたいことです。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載した金額・株価・指標は記載した時点のものであり、その後変動します。シナリオ試算は一定の前提を置いた計算であって、将来の株価を予測するものではありません。AIの出力には誤りが含まれる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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