JX金属まだ下がりそう・・_12/9

どうもこんにちは、株ちゃんです。
今日は「JX金属チャート分析と最新マクロニュース込みの見通し」を、ざっくり・噛み砕いて解説していきます。

結論から言うと、
・株価は下降トレンドの戻り高値ゾーンで跳ね返され、短期は再び調整モード
・業績と中期成長ストーリーは悪くないが、「割安感で買える水準」からは一度離れた状態
・日本の利上げ観測とGDP悪化が、素材株全体の重しになっている
こんなイメージです。


1. 今の株価水準とバリュエーションをざっくり整理

まずは、足元の数字を表にまとめます

指標数値ざっくりコメント
株価1,728.5円(前日比 -4.11%)戻り局面からきつめの押し目
時価総額約1.65兆円非鉄大手としては中堅〜大型クラス
出来高14.66M(30日平均 30.12M)平均より少なめ、過熱感はやや落ち着き
配当利回り(予想)1.17%いわゆる「高配当株」という水準ではない
PER(直近12カ月)22.5倍素材株としてはやや高めの評価
EPS(直近12カ月)80.5円利益はしっかり出ている
売上高(通期)約7,149億円規模感は大きめのグローバル素材メーカー
当期純利益(通期)約682億円利益率はそこそこ良好
ベータ(1年)2.0相場全体の約2倍動きやすいハイボラ銘柄

最近の決算では、
・2025年度の売上予想を7,600〜7,900億円台へ上方修正
・来期EPSは今期比で1割強の増益見通し
といった強気寄りの予想が出ています。

一方で、国内証券のレポートでは「この3カ月で株価が3割超上昇し、割安感はかなり解消された」として、投資判断を一段引き下げる動きもありました。

数字だけ見ると
「業績はしっかり、でも株価はすでにそれなりに織り込んだ」
という位置です。


2. チャート形状:戻り高値ゾーンで叩かれた形

次に日足チャートの形を噛み砕いて整理します。

・株価は10月の高値(2,300円台)からきれいな下降トレンド
・チャート上には右肩下がりの緑のトレンドライン(上値抵抗線)
・その下に黄色の75日移動平均線(今はおおよそ1,890円付近)
・1,400〜1,600円ゾーンに大きなサポートボックスが描かれている

今回の動きは、

  1. 11月下旬〜12月頭にかけて、1,600円台から1,800円台まで反発
  2. ちょうど「下降トレンドライン+75日線」が重なる1,850〜1,900円近辺まで上昇
  3. そこで上値を抑えられ、今日の1,728円まで反落

という流れです。

つまり今は

・長期の下降トレンドの中で
・戻り高値ゾーンにぶつかって
・再び下方向へ押し戻された

かなり教科書通りの“戻り売りポイント”で叩かれた局面、と言えます。

1,600〜1,650円あたりには前回安値が集中しているため、
再度そこを試しにいくかどうかが当面の焦点になってきます。


3. 業績と成長ストーリーの現状

業績面はどうかというと、直近決算と予想からは次のようなポイントが見えます。

・2025年3月期〜2026年3月期にかけて売上は緩やかな増加トレンド
・来期の売上予想は約7,800億円前後、EPSも90円前後までの増益を見込む声が多い
・銅箔や高機能材料など、AIサーバー・EV・5G関連の需要を取り込む事業が伸びている

一方で、証券会社のレポートでは

・「株価はこの3カ月で32%上昇しており、割安感はだいぶ薄れた」
・「AI関連製品の値上げや需要拡大がさらに進めば再評価余地はあるが、現時点では中立」

といったコメントも出ています。

ざっくりまとめると、

・“AI・高機能材料”というテーマ性は強く、業績も右肩上がり
・ただし「期待先行でガンガン買えるほど割安」ではない
・今は成長期待とバリュエーションのバランスを慎重に見たい位置

という感じです。


4. マクロ環境:利上げ観測とGDP悪化が逆風

JX金属のような素材・非鉄株には、マクロ環境もかなり効いてきます。

最近のニュースを整理すると、

・日本の2025年7〜9月期の実質GDPは、年率マイナス1.8〜2%台の縮小
→ 6四半期ぶりのマイナス成長で、輸出減や設備投資の鈍化が目立つ
・日銀は12月18〜19日の会合で、政策金利を0.5%から0.75%に引き上げる方向で市場の見方がほぼ固まりつつある
→ 関係者のコメントでも「利上げ容認」の空気が強い

これが意味するところは、

・景気は減速気味なのに、金利は上昇方向
・企業の設備投資意欲は抑えられやすい
・資源や素材の需要も、景気次第で波をかぶりやすい

JX金属は、世界のIT・自動車・インフラ向けに素材を供給する立場なので、
「景気減速+利上げ」という組み合わせは、どうしても慎重な見方を呼び込みます。

加えて、銅など非鉄金属価格も、「世界景気の先行指標」として神経質に見られるため、
マクロ要因で株価が振られやすい局面が続きそうです。


5. 今後のシナリオ3パターン(短期〜中期)

チャートとファンダ、マクロを合わせて、よくありそうなシナリオを3つに分けておきます。

シナリオ価格帯イメージポイント
A:1,600〜1,900円レンジでの“もみ合い”上は75日線〜下降トレンドライン、下は前回安値今いちばん現実的
B:1,600円割れで箱ゾーン下限(1,400円台)を試す景気不安・利上げでリスクオフ時マクロ悪化が続くとここ
C:1,900〜2,000円ブレイクでトレンド転換へAI関連需要・業績サプライズなど強材料が出たときその場合は評価見直し

現時点では、

・1,900円近辺が、「トレンドライン+75日線+証券会社目標株価」という“鉄壁ゾーン”
・下は1,600円台前半に、前回安値とサポートボックス上限が控えている

ので、Aのレンジ相場がメインシナリオになりやすい形です。

BやCは、マクロや業績のニュース次第で切り替わる“イベントドリブン”な動きになると思っておくと、イメージしやすいです。


6. これからチェックしたい注目ポイント

最後に、「JX金属を見るときに、今どこに注目しておくといいか」を整理します。

  1. 価格ライン
    ・1,600円台前半を割り込むかどうか
    ・1,900〜2,000円ゾーンを明確に超えられるか
  2. 移動平均線の向き
    ・25日線が横ばい〜上向きに変わるか
    ・75日線とのゴールデンクロスに向かう流れが出るか
  3. マクロ指標
    ・日本のGDP改定値や、設備投資関連の統計
    ・日銀の利上げペースと、その後のコメント
  4. セクター全体の雰囲気
    ・非鉄金属・素材株がまとめて買われているか
    ・銅など主要素材価格のトレンド
  5. 会社側のアップデート
    ・AIサーバー向けやEV関連の需要・単価に関するコメント
    ・通期見通しの再度の上方修正が出るかどうか

このあたりをセットで追っていくと、
「なんとなく雰囲気で上がった・下がった」ではなく、
理由を持ってチャートの上下を眺められるようになります。

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