■ 市況の流れ:相場全体が“様子見モード”
まず全体の地合いからいきます。
今週の日本株は、米国金利の一服と決算シーズンの波乱で、方向感のない展開でした。
特に素材・金属セクターは、海外景気の鈍化懸念がくすぶっていて、買いが続かない状態です。

一方で、銅価格はじりじり上昇中。

EVやデータセンター向け需要が底堅く、JX金属にとっては中長期ではプラス材料。
ただ、短期では「上がり過ぎた反動」が出ており、投資家も一旦利確モードという感じですね。
■ チャートの形:いったん調整も“トレンドは生きてる”
さて、チャートを見てみましょう。
11月7日時点の終値は1,923.5円(−4.82%)。
出来高は約2,940万株と、売りがやや優勢でした。

テクニカル的に見ると、
- 10日線(2,018円)を下回り
- 50日線(1,804円)の上をキープ
つまり、「短期は弱含み、中期はまだ上昇トレンド」という状況です。
RSIは48〜49で、売られ過ぎでもなく、買われ過ぎでもない中立ゾーン。
過熱感が取れた今は“押し目形成の真っ最中”とも言えます。
■ 値動きのポイント:この2つのラインに注目!
来週の動きで注目したいのが、1,880円と2,020円の2本のラインです。
- 1,880円前後:直近安値ゾーン。ここで陽線が出れば「押し目完了」のサイン。
- 2,020円:10日線付近。終値で回復できれば「短期反発モード」入り。
この間のレンジ(1,880〜2,020円)での攻防が、来週の焦点になります。
■ 3つのシナリオで読む来週の展開
| シナリオ | 想定レンジ | 株ちゃんの見方 |
|---|---|---|
| ① ベース(横ばい) | 1,880〜2,020円 | 決算前の様子見。ここで陽線が出れば拾ってOK。 |
| ② 上振れ | 2,020〜2,150円 | 銅価格が上向けば一気に戻す。出来高増を確認してエントリー。 |
| ③ 下振れ | 1,840〜1,800円 | 50日線タッチで反発を期待。ここを割ると一旦撤退。 |
■ 市況とファンダを絡めて考えると…
業績の数字を見ると、
- PER 12.8倍
- ROE 11.8%
- EPS 78円
と、割高ではありません。
11月11日に控える決算で、どれだけ銅価格上昇の恩恵が出ているかが焦点です。
もし決算で「来期の増益見通し」や「リサイクル事業の拡大」が語られれば、
2,200円台の再トライも十分ありえます。
逆に、設備投資コストや資源市況の鈍化がクローズアップされると、
1,800円割れテストも覚悟が必要。
そのため、決算前にポジションを軽くしておくのも戦略の一つです。
■ 株ちゃんの結論:
「1,880円前後で押し目。2,020円回復で上昇再開を確認。」
今は一言で言えば、“押し目の静寂期”。
金属市況が崩れていない限り、焦る必要はありません。
むしろこういう調整局面でこそ、
“次の波”に備えて仕込みを分けて入れていくのが勝ち筋です。
来週は、銅価格と米金利の動き、そして11日の決算。
この3点を見ながら、冷静に立ち回りましょう。







