どうもこんにちは株ちゃんです。
本日は、NVIDIAが発表した2025年度第4四半期および通期決算の内容について、私の視点から丁寧かつラフな言い回しでレポートしていきます。以下、概要、良い点・悪い点、そして過去の事例との比較を交えながら、今後の投資判断の参考になる情報をお届けします。
概要
NVIDIAは、最新の決算で四半期売上高が過去最高の393億ドル、前年同期比78%増と大幅な成長を記録しました。また、データセンター部門の収益は356億ドルと、こちらも前四半期比16%、前年同期比93%の増加となり、AI需要の急増が大きく後押ししています。通期の売上高は1,305億ドルに達し、前年比114%増、さらに1株当たり利益も大幅に改善しています。CEOのジェンスン・フアン氏は、Blackwell AIスーパーコンピューターの大規模生産や、主要クラウドサービスプロバイダーとの連携を強調し、今後の成長ポテンシャルに自信を示しました。
業績はAIブームの追い風を受け、過去最高の収益と利益を記録しました。
■ 主要業績(GAAPベース)
指標 | 第4四半期 (FY25 Q4) | 前年同期比 | 通期 (FY25) | 前年比 |
---|---|---|---|---|
収益 | 393億ドル | +78% | 1,305億ドル | +114% |
営業利益 | 240億ドル | +77% | 814億ドル | +147% |
純利益 | 221億ドル | +80% | 729億ドル | +145% |
希薄化後EPS | 0.89ドル | +82% | 2.94ドル | +147% |
粗利益率 | 73.0% | -3.0pt | 75.0% | +2.3pt |
特にデータセンター事業が四半期収益の90%(356億ドル)を占め、前年同期比+93%増の急成長を記録しました。
ゲーム部門は前年同期比11%減(25億ドル)と苦戦しましたが、全体としてAIブームを背景に大きく成長しました。
1. 第4四半期 (FY25 Q4) 業績概要
GAAP 指標
指標 | 第4四半期 (2025) | 第3四半期 (2025) | 第4四半期 (2024) | Q/Q 変化 | 前年同期比 |
---|---|---|---|---|---|
収益 (百万ドル) | 39,331 | 35,082 | 22,103 | +12% | +78% |
粗利益率 | 73.0% | 74.6% | 76.0% | -1.6pt | -3.0pt |
運営費 (百万ドル) | 4,689 | 4,287 | 3,176 | +9% | +48% |
営業利益 (百万ドル) | 24,034 | 21,869 | 13,615 | +10% | +77% |
純利益 (百万ドル) | 22,091 | 19,309 | 12,285 | +14% | +80% |
希薄化後EPS (ドル) | 0.89 | 0.78 | 0.49 | +14% | +82% |
Non-GAAP 指標
指標 | 第4四半期 (2025) | 第3四半期 (2025) | 第4四半期 (2024) | Q/Q 変化 | 前年同期比 |
---|---|---|---|---|---|
収益 (百万ドル) | 39,331 | 35,082 | 22,103 | +12% | +78% |
粗利益率 | 73.5% | 75.0% | 76.7% | -1.5pt | -3.2pt |
運営費 (百万ドル) | 3,378 | 3,046 | 2,210 | +11% | +53% |
営業利益 (百万ドル) | 25,516 | 23,276 | 14,749 | +10% | +73% |
純利益 (百万ドル) | 22,066 | 20,010 | 12,839 | +10% | +72% |
希薄化後EPS (ドル) | 0.89 | 0.81 | 0.52 | +10% | +71% |
2. 2025年度 (FY25) 通期 業績概要
GAAP 指標
指標 | 2025年度 (FY25) | 2024年度 (FY24) | 前年比 |
---|---|---|---|
収益 (百万ドル) | 130,497 | 60,922 | +114% |
粗利益率 | 75.0% | 72.7% | +2.3pt |
運営費 (百万ドル) | 16,405 | 11,329 | +45% |
営業利益 (百万ドル) | 81,453 | 32,972 | +147% |
純利益 (百万ドル) | 72,880 | 29,760 | +145% |
希薄化後EPS (ドル) | 2.94 | 1.19 | +147% |
Non-GAAP 指標
指標 | 2025年度 (FY25) | 2024年度 (FY24) | 前年比 |
---|---|---|---|
収益 (百万ドル) | 130,497 | 60,922 | +114% |
粗利益率 | 75.5% | 73.8% | +1.7pt |
運営費 (百万ドル) | 11,716 | 7,825 | +50% |
営業利益 (百万ドル) | 86,789 | 37,134 | +134% |
純利益 (百万ドル) | 74,265 | 32,312 | +130% |
希薄化後EPS (ドル) | 2.99 | 1.30 | +130% |
3. 次期(FY26 Q1)業績見通し
指標 | FY26 第1四半期 見通し |
---|---|
収益 | 約430億ドル (±2%) |
粗利益率 (GAAP) | 70.6% (±50 ベーシスポイント) |
粗利益率 (Non-GAAP) | 71.0% (±50 ベーシスポイント) |
運営費 (GAAP) | 約52億ドル |
運営費 (Non-GAAP) | 約36億ドル |
その他の収益/費用 | 約4億ドル |
実効税率 | 約17.0% (±1%) |
良い点
① データセンター事業の爆発的成長
NVIDIAのAI向けGPU(Hopper、Blackwell)への需要が急増し、クラウド大手(AWS、Google Cloud、Azureなど)や大規模データセンター事業者が相次いで導入。
AIモデルの推論・学習の進化により、企業の投資は今後も続くと見られます。
② 通期成長率が驚異的
年間収益は+114%増、純利益は+145%増と、直近数年で最も高い成長率を記録。
NVIDIAの収益規模はもはや半導体企業の枠を超え、AIインフラ企業としてのポジションを確立しています。
③ 研究開発投資の加速
NVIDIAはFY25の研究開発費に129億ドル(前年比+45%増)を投入。
AIスーパーコンピューター「Blackwell」シリーズや、自律型AIシステムの進化が今後の競争力強化に貢献するでしょう。
④ 強力なキャッシュフローと財務体質
- 営業キャッシュフロー:640億ドル(前年比2.3倍)
- 現金・市場性証券:432億ドル(前年259億ドル)
- 負債比率は低水準を維持
堅調なキャッシュフローと潤沢な資金力により、積極的なM&Aや設備投資が可能な状態です。
悪い点
① ゲーム部門の成長鈍化
四半期売上は前四半期比-22%、前年同期比-11%減の25億ドル。
PC市場全体の低迷と、競合の台頭(AMD、Intel)により、ゲーミングGPUの成長が鈍化しました。
② AI需要依存のリスク
データセンター事業の売上比率が全体の約90%に達しており、AI需要が減速すれば業績に大きな影響を与える可能性があります。
競争環境の変化(GoogleのTPU、AMDのMI300など)も、中長期的なリスク要因です。
③ 粗利益率の低下
- GAAPベース粗利益率:73.0%(前年同期76.0%)
- Non-GAAPベース粗利益率:73.5%(前年同期76.7%)
主に生産コスト上昇や価格競争の影響で、利益率が低下。今後も粗利益率の推移は注視が必要です。
④ 株式分割後の株価下落リスク
2024年6月に10対1の株式分割を実施。短期的には流動性が増す一方で、利確売りによる株価の調整リスクも考えられます。
今後の見通し
■ 2026年度第1四半期(FY26 Q1)ガイダンス
- 収益見通し:430億ドル(±2%)
- 粗利益率(GAAP):70.6%
- 粗利益率(Non-GAAP):71.0%
- 営業費用(GAAP):52億ドル
- 営業費用(Non-GAAP):36億ドル
AI向けGPUの需要が引き続き旺盛で、今後も売上の大部分をデータセンター事業が占める見込みです。
■ 投資家向けポイント
- 短期的には堅調な成長
- AI需要が依然として高く、FY26 Q1の収益も市場予想を上回る見通し。
- データセンター向けGPUが牽引する限り、成長トレンドは続く。
- 中長期的には競争が激化
- Google、Meta、Amazonが独自AIチップ開発を進めており、依存度低下のリスク。
- AMD、Intel、QualcommがAI半導体市場に参入し、競争激化の可能性。
- 利益率の改善が鍵
- 研究開発コスト増により利益率が低下傾向。生産効率の向上と価格戦略が重要に。
- 株価は短期的に不安定も、中長期で上昇トレンド維持
- 2024年以降、株式分割後の売り圧力が警戒されるものの、長期では成長市場を牽引する可能性が高い。
5. まとめ
NVIDIAは2025年度において、過去最高の売上・利益を記録し、AI市場のリーダーとしての地位を確立しました。
しかし、データセンター事業への依存度が高まりつつあり、今後の競争環境の変化や技術革新への対応が求められます。
投資家としては、
✅ 短期的には成長持続を見込みつつ、粗利益率の低下や競争環境の変化に注意が必要
✅ 中長期的にはAI市場の成長性を背景にポジティブな見通し
特に、2026年度以降もAI市場が拡大し続けるならば、NVIDIAの成長余地は十分にあるでしょう。
一方で、粗利益率の低下、競争激化、需要の変動には慎重な監視が必要です。
悪い点
① ゲーム部門の成長鈍化
四半期売上は前四半期比-22%、前年同期比-11%減の25億ドル。
PC市場全体の低迷と、競合の台頭(AMD、Intel)により、ゲーミングGPUの成長が鈍化しました。
② AI需要依存のリスク
データセンター事業の売上比率が全体の約90%に達しており、AI需要が減速すれば業績に大きな影響を与える可能性があります。
競争環境の変化(GoogleのTPU、AMDのMI300など)も、中長期的なリスク要因です。
③ 粗利益率の低下
- GAAPベース粗利益率:73.0%(前年同期76.0%)
- Non-GAAPベース粗利益率:73.5%(前年同期76.7%)
主に生産コスト上昇や価格競争の影響で、利益率が低下。今後も粗利益率の推移は注視が必要です。
④ 株式分割後の株価下落リスク
2024年6月に10対1の株式分割を実施。短期的には流動性が増す一方で、利確売りによる株価の調整リスクも考えられます。