目次
概要
NVIDIAは2025年度第3四半期の収益が351億ドルに達し、第2四半期から17%増加、前年同期比では94%増加と、四半期収益が過去最高を記録しました。また、データセンター収益も過去最高の308億ドルとなり、前四半期比で17%、前年同期比で112%の増加を示しました。これらの成長は、AI時代の到来とNVIDIA製品への需要の急増が背景にあります。
良い点
- 収益の大幅な増加
- 四半期収益が前年同期比94%増加し、過去最高を記録。特にデータセンター部門では前年同期比112%増という驚異的な成長を実現しました。
- 利益率の安定
- GAAPベースの粗利益率は74.6%で前年同期比0.6ポイント増加。非GAAPベースでは75.0%と引き続き高水準を維持しています。
- 成長するAI需要
- HopperやBlackwellなどの製品への高い需要が確認され、AIスーパーコンピューターの展開やクラウドパートナーとの協力が進展しています。
- 株主還元の強化
- 2024年12月27日に四半期配当を実施予定。GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は前年同期比111%増の0.78ドル。
悪い点
- 粗利益率の若干の低下(前期比)
- GAAPベースで前四半期から0.5ポイント減少。非GAAPベースでも0.7ポイントの低下。
- 研究開発費と運営費の増加
- 研究開発費は前年同期比44%増、運営費全体ではGAAPベースで9%増加。
- 財務キャッシュフローへの負担
- 株式買戻しや配当により財務活動のキャッシュアウトが増加しており、純現金収入の成長ペースを制約。
前期との比較(Q/Q)
- 収益: 351億ドル(+17%)
- データセンター収益: 308億ドル(+17%)
- GAAPベース希薄化後1株当たり利益: 0.78ドル(+16%)
- 非GAAPベース希薄化後1株当たり利益: 0.81ドル(+19%)
前年同期との比較(Y/Y)
- 収益: +94%
- データセンター収益: +112%
- GAAPベース希薄化後1株当たり利益: +111%
- 非GAAPベース希薄化後1株当たり利益: +103%
NVIDIAはAI関連製品の需要増加に伴い、収益と利益の大幅な成長を達成しています。一方で、運営費の増加や利益率のわずかな低下が見られるため、今後のコスト管理が注目されます。投資家にとって、AI分野におけるNVIDIAのリーダーシップを見据えた長期的な視点が重要です。
以下に、収益や利益、データセンター収益の推移を表形式でまとめました。
四半期ごとの主要指標推移(GAAPベース)
指標 | 2025年度Q3 | 2025年度Q2 | 2024年度Q3 | 前期比(Q/Q) | 前年同期比(Y/Y) |
---|---|---|---|---|---|
収益(億ドル) | 351 | 300.4 | 181.2 | +17% | +94% |
粗利益率 (%) | 74.6 | 75.1 | 74.0 | -0.5pt | +0.6pt |
運営費(億ドル) | 42.87 | 39.32 | 29.83 | +9% | +44% |
営業利益(億ドル) | 218.69 | 186.42 | 104.17 | +17% | +110% |
純利益(億ドル) | 193.09 | 165.99 | 92.43 | +16% | +109% |
希薄化後EPS(ドル) | 0.78 | 0.67 | 0.37 | +16% | +111% |
データセンター収益推移
四半期 | 収益(億ドル) | 前期比(Q/Q) | 前年同期比(Y/Y) |
---|---|---|---|
2025年度Q3 | 308 | +17% | +112% |
2025年度Q2 | 263 | — | — |
四半期ごとの主要指標推移(非GAAPベース)
指標 | 2025年度Q3 | 2025年度Q2 | 2024年度Q3 | 前期比(Q/Q) | 前年同期比(Y/Y) |
---|---|---|---|---|---|
収益(億ドル) | 351 | 300.4 | 181.2 | +17% | +94% |
粗利益率 (%) | 75.0 | 75.7 | 75.0 | -0.7pt | ±0pt |
営業費用(億ドル) | 30.46 | 27.92 | 20.26 | +9% | +50% |
営業利益(億ドル) | 232.76 | 199.37 | 115.57 | +17% | +101% |
純利益(億ドル) | 200.10 | 169.52 | 100.20 | +18% | +100% |
希薄化後EPS(ドル) | 0.81 | 0.68 | 0.40 | +19% | +103% |