会社概要
RIZAPグループ株式会社は、ヘルスケア・美容、ライフスタイル、インベストメントの3つのセグメントで事業を展開している企業です。代表的な事業として、パーソナルトレーニングジム「RIZAP」や、運動初心者向けの「コンビニジム」chocoZAPを運営しており、美容関連用品・化粧品・健康食品の販売も行っています。また、エンターテイメント商品やリユース事業、アパレル雑貨の販売も手掛けています。
決算概要
良い点
- 売上収益の増加:2024年3月期の売上収益は1,662.98億円で、前年同期比7.6%増加しました。
- 営業損失の改善:営業損失は5.94億円で、前年同期の49.48億円の損失から大幅に改善しました。
- キャッシュフローの改善:営業活動によるキャッシュフローは110.44億円で、前年の2.47億円から大幅に増加しました。
悪い点
- 親会社の所有者に帰属する当期損失:当期損失は43.00億円で、依然として赤字が続いていますが、前年同期の126.73億円の損失からは改善しました。
- 財務活動によるキャッシュフローの減少:財務活動によるキャッシュフローは-2.05億円で、前年同期の-14.90億円から減少しました。
経営成績(単位:億円)
項目 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減率(%) |
---|---|---|---|
売上収益 | 1,545.50 | 1,662.98 | 7.6 |
営業利益 | -49.48 | -5.94 | – |
税引前利益 | -70.31 | -45.24 | – |
当期利益 | -126.73 | -43.00 | – |
詳細分析
- 売上収益:RIZAPグループの売上収益は7.6%増加し、特にヘルスケア・美容セグメントが前年同期比47.7%増の632.37億円と大幅に増加しました。これは、chocoZAPの店舗数増加と会員数増加が大きく寄与しています。
- 営業利益:営業損失は43.54億円改善し、特にライフスタイルセグメントが前年同期比58.7%増の25.25億円の営業利益を計上しました。エンターテイメント事業やリユース事業の収益性向上が貢献しています。
- 税引前利益:税引前損失は25.07億円改善しましたが、依然として45.24億円の損失です。金融費用の増加が損失の一因となっています。
財務状況(単位:億円)
項目 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減率(%) |
---|---|---|---|
資産合計 | 1,426.49 | 1,571.51 | 10.1 |
資本合計 | 241.12 | 293.08 | 21.5 |
親会社所有者帰属持分 | 141.42 | 195.29 | 38.1 |
詳細分析
- 流動資産:前期比4.6%減の640.47億円。現金及び現金同等物の減少が主因です。
- 非流動資産:前期比23.3%増の931.03億円。有形固定資産と使用権資産の増加が主因です。
- 資本合計:前期比21.5%増の293.08億円。親会社所有者に帰属する持分の増加が寄与しています。
キャッシュフロー(単位:億円)
項目 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 増減率(%) |
---|---|---|---|
営業活動によるキャッシュ・フロー | 2.47 | 110.44 | 4345.4 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | -71.06 | -136.88 | – |
財務活動によるキャッシュ・フロー | -14.90 | -2.05 | – |
詳細分析
- 営業活動によるキャッシュ・フロー:前期比4345.4%増の110.44億円。減価償却費及び償却費の増加や営業債務の増加が主因です。
- 投資活動によるキャッシュ・フロー:前期比65.82億円減の136.88億円。有形固定資産の取得が主因です。
- 財務活動によるキャッシュ・フロー:前期比12.85億円改善し、長期借入金の返済による支出が主因です。
業績予想(単位:億円)
項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期(予想) | 増減率(%) |
---|---|---|---|
売上収益 | 1,662.98 | 1,777.00 | 6.9 |
営業利益 | -5.94 | 63.00 | – |
税引前利益 | -45.24 | 31.00 | – |
当期利益 | -43.00 | 20.00 | – |
詳細分析
- 売上収益:6.9%増の1777.00億円を見込む。chocoZAP事業の成長が寄与。
- 営業利益:63.00億円を見込む。chocoZAP事業の収益化が主因。
- 税引前利益:31.00億円を見込む。財務費用の減少が寄与。
- 当期利益:20.00億円を見込む。黒字化を達成する見込み。
配当情報
2023年3月期および2024年3月期は無配でしたが、2025年3月期以降の配当実施については、業績回復と財務基盤の安定を前提に検討が進められています。
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフローの詳細分析
貸借対照表
- 流動資産:前年同期比で4.6%減少し、640.47億円となりました。現金及び現金同等物の減少が主要因です。
- 非流動資産:前年同期比で23.3%増加し、931.03億円となりました。有形固定資産と使用権資産の増加が主要因です。
- 資産合計:前年同期比で10.1%増加し、1,571.51億円となりました。
損益計算書
- 売上総利益:前年同期比で117.82億円増加し、69.96億円から81.78億円に増加。
- 営業損失:前年同期比で43.54億円改善し、49.48億円の損失から5.94億円の損失に改善。
- 税引前当期損失:前年同期比で25.07億円改善し、70.31億円の損失から45.24億円の損失に改善。
キャッシュフロー
- 営業活動によるキャッシュ・フロー:前年同期比で107.97億円増加し、2.47億円から110.44億円に増加。
- 投資活動によるキャッシュ・フロー:前年同期比で65.82億円減少し、71.06億円から136.88億円に減少。
- 財務活動によるキャッシュ・フロー:前年同期比で12.85億円改善し、14.90億円の減少から2.05億円の減少に改善。
関係する業界・業種の動向と企業との比較
RIZAPグループのヘルスケア・美容事業は、特にchocoZAPの拡大が顕著であり、業界全体の健康志向の高まりに乗って順調に成長しています。ライフスタイル事業では、エンターテイメント商品やリユース事業の堅調な伸びが見られますが、アパレル事業では減収減益となっています。
採点(100点満点)
- 財務健全性:20/25
- 成長性:20/25
- 市場ポジション:20/25
- 将来性:22/25
総合得点:82/100
総評
RIZAPグループ株式会社は、売上収益の増加や営業損失の大幅な改善が見られる一方で、依然として赤字が続いています。しかし、キャッシュフローの改善やヘルスケア・美容事業の成長など、将来的なポジティブな要素も多く含まれています。業績予測では黒字化が見込まれており、今後の成長に期待が持てます。
投資判断
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まとめ
RIZAPグループ株式会社は、財務健全性や成長性、市場ポジション、将来性において高評価を受けています。特にchocoZAP事業の成長が顕著であり、今後の業績改善が見込まれます。財務状況の改善と黒字化の見通しが立っていることから、投資対象として魅力的です。したがって、現在の株価水準を考慮すると、この株は買う価値があると判断します。