
セブン銀行の現状をざっくり言うと
今、セブン銀行に注目が集まっているのは、ファミリーマートに1万6000台のATMを設置する計画が発表されたからです。
これが実現すると、全国で約4万4000台規模になり、ゆうちょ銀行を抜いて国内トップになります。
さらに、ファミマの親会社である伊藤忠商事がセブン銀行に約2割出資することも決まり、金融面でも強い提携関係ができつつあります。
このニュースだけ見ると、かなりの好材料ですよね。
なのに株価はあまり動かない理由
「そんなにいい話なのに、なんで株価が伸びてないの?」と思う方も多いと思います。
理由はシンプルで、この置き換えが本格的に始まるのは2026年以降なんです。
つまり、実際の業績に反映されるのはもう少し先。
しかも、今期の決算では減益予想が出ていて、
「すぐに数字で見えるわけじゃない」という点が、今の株価に反映されています。
さらに、金利や人件費、通信コストなどが上がっていて、ATM事業の運営コストが重くなっているのも一因です。
ニュースは前向きでも、投資家は“数字が出るまで待とう”というムードなんですね。
直近決算のポイント(2026年3月期 第1四半期)
項目 | 実績(前年同期比) |
---|---|
経常収益 | 533億円(+3.6%) |
経常利益 | 66億円(-7.9%) |
四半期純利益 | 41億円(-9.8%) |
総資産 | 約1.47兆円 |
自己資本比率 | 15.1%(前年18.5%→低下) |
配当予想 | 年間11円(前年同水準) |
セブン銀行の強み
新サービス(+Connect・マイナポータル連携)による将来性
→ 行政手続き・証明発行など「生活インフラ」としての役割拡大が期待されます
圧倒的な設置ネットワークと提携数
→ 685の金融機関・企業と連携しており、どの銀行カードでも使える利便性が高いです。
固定収益型のビジネスモデル
→ ATM1台あたりの手数料収入が安定しており、景気に左右されにくい構造です。
セブン&アイグループのブランド信頼性
→ 全国の店舗網を生かし、設置コストを低く抑えられる。
対して弱み
- ATM依存体質
→ 売上の7割超をATM手数料が占めており、利用件数が伸び悩むと即影響します。 - 電子マネー・カード事業の収益性が低い
→ クレジットカード会員数が前年同期比▲10%、nanaco利用高も▲10.5%と低迷しています。 - コスト上昇圧力
→ 金利上昇やシステム運用費、人件費増で経常費用が前年比+5.6%。
(46,715百万円 → 前年44,249百万円)140120250807535187 - 自己資本比率の低下
→ 自社株買いにより、18.5% → 15.1%へ急低下。金融機関としてはやや低水準
ファンダメンタルの見方(評価:中)
業績は安定していて、ATMの取扱件数も増加傾向です。
特に、訪日外国人の増加や電子マネーのチャージ需要などが追い風になっています。
ただ、今期は一時的に減益傾向が見られ、新規投資や子会社(カード・電子マネー事業)のコストが重荷になっています。
それでも、ビジネスモデル自体は非常に堅固で、配当も安定。
「派手さはないけど安心して持てる銘柄」といった印象です。
テクニカルの見方(評価:中)
株価は現在、10日移動平均線を少し下回り、50日線付近で踏ん張っている状態です。
短期的には弱めの動きですが、中期的にはまだ上昇トレンドを維持しており、方向感を探っているように見えます。
RSIは40台前半で過熱感もなく、買われすぎ・売られすぎどちらでもないニュートラルな位置です。
出来高もニュース直後にピークをつけてから落ち着いており、典型的な「材料出尽くし」のパターンです。
焦らず、押し目を待つ姿勢が合っていると思います。

マクロや政策面の流れも見ておきましょう
- 景気が減速しても、ATMの利用は比較的安定しています。
- 金利上昇は調達コストの面でマイナスですが、運用利回りの改善というプラス面もあります。
- 円安は外国人のATM利用を後押しする要因になります。
- 政策面では「マイナポータル連携」や「+Connect」など、行政サービスとATMをつなげるようなプラットフォーム化の流れがあり、長期的な追い風です。
全体として見ると、短期は我慢、長期は期待といった位置づけです。
投資家心理としては
今の投資家のムードは「いい会社だけど、すぐには上がらないよね」という落ち着いたものです。
日経平均が強い時期はどうしてもグロース株に資金が流れがちで、
こうしたディフェンシブ株はやや置き去りにされやすいです。
ただ、相場が荒れたときに「安心して持てる銘柄」として再評価されるタイプでもあります。
今後の投資戦略
短期的には、10日線を明確に上抜けしてきたらエントリーするのが安全です。
目安としては285円を終値で2日連続で超えたら買い、
逆に275円を割り込んだら一旦撤退がよいと思います。
中期的には、ファミマ置き換えの進捗と、ATM利用件数の推移をチェックしながら、
配当を受け取りつつじっくり保有するのがおすすめです。
長期的には、4万台を超えるネットワークが整ったとき、
ATMが単なる「現金機械」ではなく、「サービス拠点」として進化する可能性があります。
ここまでくると、安定配当+成長の両取りが狙えるポジションになるでしょう。
まとめ
セブン銀行は「今の数字だけ見ると地味、でも将来性は確実にある」銘柄です。
2026年以降に成果が表れやすくなるので、今は焦らず静観でも十分です。
チャート的には押し目待ちの中立寄りロング。
「下で拾って、上で慌てず持つ」ぐらいの余裕がちょうどいいと思います。
長期で見れば、ファミマ連携による首位化とプラットフォーム化の両輪が進む、
非常に面白いフェーズに入っていると言えます。
※株式投資はあくまで自己責任です。最終的な判断は、ご自身のリスク許容度と資金状況に基づいて行ってください。
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