(2026年3月期・第2四半期)
名村造船の決算が出たので、今回もしっかり噛み砕いてお話します。
結論から言うと、
…という、ちょっと不思議な決算になってます。
数字だけ見て「悪いの?」と思う人もいそうですが、実際には
“船のラインナップ入れ替え期の一時的な調整” がほぼ全てです。
では1つずついきます。

■まず決算の全体像(4月〜9月)
- 売上高:726億円(前年比 -7.2%)
- 営業利益:107億円( -28.6%)
- 経常利益:113億円( -22.0%)
- 最終利益:82億円( -42.6%)
ぱっと見はかなり減益に見えますよね。
でも、この数字の落ち込みは“悪化”というより 「昨年が特別に良すぎた」 という背景があります。
というのも、前年は
- ハンディ型ばら積み船を大量に連続建造した恩恵
- 為替(円安)の追い風
これがめちゃ強かった。
今年はその“反動”がきているだけです。
■セグメント別に見たほうが、今回の決算の意味がよくわかる
名村造船は大きく4つの事業があります:
✅ 新造船
✅ 修繕船
✅ 鉄構・機械
✅ その他
それぞれ見ていきましょう。
✅①【新造船】ここが利益の源泉 → 今年は“移行期”で操業が落ちただけ
- 売上:577億円(前年比 -7.2%)
- 営業利益:110億円(-23.5%)
理由は決算にハッキリ書かれています。
▼名村は今、船の主力商品を入れ替えている最中
- 旧主力:ハンディ型ばら積み船
- 新主力:大型ばら積み船(環境対応船)+ LPG船(VLGC)
これから世界的に需要が増えるのは
✅ 環境規制に対応した大型ばら積み船
✅ LNG/LPGなどガス系燃料の大型船
ここを本気で取りに行く“投資期”なので、
一時的に操業量が下がっただけという構図なんです。
さらに受注はめちゃ強いです。
- 受注残:4,327億円(17.4%増)
(大型船+ハンディ船で合計10隻受注)
「受注が伸びている=将来の売上が積み上がっている」ということ。
✅②【修繕船】前年が良すぎた反動で減益
- 売上:88億円(-14.2%)
- 営業利益:7億円(-55.6%)
ここは毎回ブレやすい事業。
- 主力の“海自艦艇”の工事量が今年は少なかった
- 高難易度の民間船・米艦艇の修繕で補ったが追いつかなかった
という説明です。
ただし、修繕の営業は“攻めていく”と書かれているので
下期は回復の余地あり。
✅③【鉄構・機械】ここは地味に好調
- 売上:29億円(+16.8%)
- 営業利益:1.6億円(前年0.1億円)
エンジン用クランクシャフトが好調で稼働率UP。
名村の「安定収益源」のひとつで、利益がしっかり伸びています。
✅④【その他】売上は減でも利益は+52%
- 売上:30億円(-4.5%)
- 営業利益:4億円(+52.1%)
細かい事業の集合体ですが、ここでも利益率改善が効いています。
■財務はむしろ強化されている(ここ大事)
決算の注目ポイントはここ。
- 総資産:2,332億円(+2,419億円)
- 純資産:1,185億円(+134億円)
- 自己資本比率:50.5%(+0.5pt)
- 有利子負債比率:13.9%(低水準)
受注残増 & 利益の積み上がりで、キャッシュが増えているのも好材料。
■通期予想は据え置きだが、進捗率は高め
- 売上 1,580億円(進捗46%)
- 営業利益 210億円(進捗51%)
- 最終利益 150億円(進捗54.6%)
進捗は良いので、
下期の大型船の売上計上次第では上振れの可能性あり。
■結論:名村造船は「悪い決算ではなく、むしろ未来の仕込み中」
今回の決算をまとめるとこうです。
✅良いポイント
- 未来の主力商品(大型ばら積み船・VLGC)の受注が増加
- 受注残4,327億円 → 過去水準よりかなり高い
- 財務がさらに強化
- 鉄構・機械は増益で安定
- 通期進捗は50%超えと良好
✅懸念点
- 新造船の操業量を意図的に落とした影響で売上・利益が落ちた
- 修繕船の前半が弱かった
- 前年が強すぎた分、ギャップが目立つ
■投資家向けの一言まとめ
名村造船の今回の決算は、
「業績は一時的にスローだが、受注はしっかり積み上がり、財務は超健全」
という内容。
“去年が強すぎた + 商品ライン入れ替え時期”のため
数字は落ちましたが、
会社としての基礎体力はむしろ強くなっています。
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