任天堂好決算も10%爆下げ。理由は「良い感じのソフト不足」

目次

1) 決算の全体像

数字だけ見ると“めちゃ強い”。でも中身を見るとモヤるポイントもある

まず結論。
任天堂の 2026年3月期 3Q累計(4〜12月) は、売上も利益も前年から大幅増です。

  • 売上高:1兆9,058億円(前年差+99.3%)
  • 営業利益:3,003億円(+21.3%)
  • 経常利益:4,558億円(+39.4%)
  • 純利益:3,588億円(+51.3%)

で、「なんでこれで株価下がるの?」ってなるんだけど、株が嫌がってるのはたぶん “利益率の質”と“今後の伸び方の不安” なんよね。


2) ここまでの経緯

Switch2は立ち上がり順調。でも“本体主導”がクセ者

会社説明でもはっきり書いてる通り、今回の伸びは Nintendo Switch 2 の立ち上がりが順調だったのが主因。
販売実績(セルイン)もかなり出ていて、

  • Switch2 本体:1,737万台
  • Switch2 ソフト:3,793万本

さらに旧Switchは落ちてる(世代交代中だから当然)で、

  • 旧Switch本体:325万台(前年差-66%)
  • 旧Switchソフト:1億0893万本(-12.1%)

ここまでは「王道の新ハード立ち上げ」なんだけど、問題は次。


3) 良い点

ちゃんと“売れてる”し、利益も付いてきてる

良い点①:とにかく売上が強い(海外比率も高い)

海外売上比率は 77.2% と高く、グローバルで稼げてる。
円安局面だとここが効く。

良い点②:ソフトはヒットが出てる(少なくとも“実績”は)

決算短信側でも、Switch2の同時発売『マリオカート ワールド』が 1,403万本、その他タイトルも複数ミリオン級。
「ソフト弱い」は“印象”として言われがちだけど、少なくとも 今期ここまでは実際売れてる

良い点③:デジタル売上もしっかり伸びてる

デジタル売上高は 2,820億円(+14.7%)
デジタル比率は 50%前後で高水準キープ。
ここは“利益体質”に直結するから地味に大事。


4) 悪い点

株が嫌がるのはここ。

悪い点①:利益率がガクッと落ちてる(ハード比率が高すぎる)

決算説明資料を見ると、営業利益は増えてるのに 営業利益率は 25.9% → 15.8% に低下してる。
さらに粗利率も 59.1% → 37.4% と大きく落ちてる。

これ、めちゃ分かりやすく言うと
「本体が売れて売上は爆増したけど、本体は儲かりにくい」って話。

実際、ハード売上比率が 46.1% → 69.8% に跳ねてる。
そりゃ利益率は下がる。

で、ここにあなたが言ってる 半導体素材高(部材高) が刺さる。
新ハードの初期って部材コストが高くなりやすいし、半導体・メモリ・基板・周辺素材が上がると「本体の粗利」が削られる。
この局面で “ハード比率が上がる” って、マーケット的には 利益の伸びが鈍く見えるんよ。

悪い点②:販管費も増えてる(広告が重い)

販管費は 3,179億円 → 4,120億円(+29.6%)
内訳で広告宣伝費が +66.2% と結構強烈。
ハード立ち上げ期は仕方ないけど、「利益率の回復がいつ?」って疑問が残る。

悪い点③:IP関連収入が減ってる(映画反動)

IP関連収入等は 545億円(-10.1%)
映画の売上減が主因って書かれてる。
ここは“伸びしろ”と見られてる部分でもあるから、反動減は株価的にちょい痛い。

悪い点④:「良い感じのソフトがない」懸念=“次の弾”が見えにくいと株は売る

決算では発売予定も書いてるけど、投資家が本当に欲しいのは
「Switch2で、次に“本体をもう一段押し上げる決定打ソフト”が何か」なんよね。
いま売れてるのは事実でも、「次の四半期も同じ熱量で買われ続けるか?」って不安が残ると、株は先に売られる。


5) 金利動向との関係

任天堂は“金利→為替→業績”の連鎖が効きやすい

任天堂は海外売上比率が高いので、ざっくり言うと

  • 米金利が下がる方向 → ドル安/円高になりやすい → 円換算売上・利益が目減り → 株は重くなりやすい
  • 米金利が高止まり → ドル高/円安寄り → 追い風になりやすい

今回、会社は期末前提レートを 1ドル150円(従来140円)1ユーロ170円(従来160円) に見直してる。
要は「為替は前より円安寄りで見る」ってこと。ここはプラス材料。

ただし市場側は、「金利がどっちに行くか」で為替がブレるのを嫌う。
だから決算が良くても、金利イベント前後はゲーム株でも普通に売られる(リスクオフの巻き添え)ってのが起きる。


6) 株価が爆下げ中の見え方

貼ってくれたチャートだと、短期はかなりキツい形。
移動平均線を割って下落が加速して、RSIも20〜30台で「売られすぎ」ゾーンに入ってる。
こういう局面は、“決算が良い”より“懸念が消える材料が出るか” が反発の条件になりやすい。

懸念の中心はたぶんこの2つ:

  1. 部材高+ハード比率で利益率が戻るのか
  2. 次のキラーソフトで継続的に需要を作れるのか

7) まとめ

決算は強い。でも株が見てるのは「利益率の回復」と「次の弾」

良い点(事実ベース)

  • 売上・利益は大幅増で、Switch2立ち上がりは順調
  • デジタル売上も伸びて利益体質は維持
  • 為替前提も円安寄りに修正で、外部環境は悪くない

悪い点(株が嫌がるポイント)

  • ハード比率が急上昇で粗利率・利益率が大きく低下(部材高懸念と相性最悪)
  • 広告宣伝費が増えて利益率の戻りが読みづらい
  • 「次に何で継続的に売るの?」=ソフトの“決定打”が見えないと不安が残る

良い感じのソフト不足”が本当か(今期実績 vs 今後の予定を整理)

結論を先に

半分は本当、半分は誤解。
ただし 株価が下がる理由としては“十分に本当”

  • 👉 今期(足元)はソフト弱くない
  • 👉 でも「次も買い続ける理由」が見えにくい
  • 👉 だから株は先に売られている

これ。


① 今期実績:数字だけ見ると「ソフト不足」は言い過ぎ

まず事実から。

■ 今期(3Q累計)ソフト販売実績

  • Switch2 ソフト:3,793万本
  • 旧Switch含む全体:1億0,893万本

これは普通に強い。
「ソフト売れてない」は 数字的には完全に×

■ 具体的に売れているタイトル

  • マリオカート ワールド:1,403万本
  • そのほかもミリオン級が複数

ここだけ切り取ると
👉 「え、全然売れてるやん」
ってなるのは正しい。


② じゃあなぜ「良い感じのソフトがない」と言われるのか?

ここからが 株の世界の話

ポイントは

「売れたか」ではなく「次も買わせられるか」

投資家はこう考える。


③ 問題①:売れているソフトが“いつもの任天堂”すぎる

今売れてる主力って、

  • マリオ
  • マリオカート
  • 定番IP

要するに
👉 「買い替え需要+鉄板IP」

これは悪くない。
でも株的にはこう見える👇

「Switch2を買った人が、
とりあえず“最初の1本”を買っただけじゃない?」

つまり
✔ 初動はOK
✖ 継続性はまだ不明


④ 問題②:市場が欲しいのは「新ハードを正当化する“決定打”」

新ハードで株が一段上がる時って、だいたいこのどれか。

  1. 新規大型IP(予想外のやつ)
  2. シリーズ完全刷新レベルの神作
  3. eスポーツ・配信で長期回るタイトル
  4. ユーザー層を一気に広げる“化け物ソフト”

今のところ Switch2 は、

  • 「順当」
  • 「失敗してない」
  • 「でも革命でもない」

という評価。

“悪くない”は、株では“弱い”


⑤ 問題③:今後の発売予定が「読める=驚きがない」

任天堂は決算資料で今後の発売予定も出してるけど、

  • 予想通り
  • 安心感はある
  • でもサプライズがない

投資家目線だと、

「それ、Switchでも想定してたよね?」

ってなりやすい。

株価を押し上げるのは“想定外”
想定内は、材料出尽くし扱い。


⑥ 問題④:ソフト不足というより「利益率ストーリーが弱い」

ここ、超重要。

今回の決算で株が一番嫌がってるのは、

  • ハード比率↑
  • 粗利率↓
  • 営業利益率↓

この流れ。

で、本来これを救うのが

👉 高粗利ソフトの連発

でも今は、

  • ソフトは売れてる
  • でも「利益率を一気に戻すほどの爆発感」はない

だからマーケットはこう思う。

「ソフトは売れてるけど、
利益率が戻るまで時間かかりそうだな…」

先に売る


⑦ じゃあ「本当にソフト不足なのか?」を整理すると

❌ 間違いな見方

  • ソフトが売れていない
  • 任天堂のIP力が落ちた

これは違う


✅ 正しい見方

  • “次の四半期も株を持ち続ける理由になるソフト”が見えにくい
  • 利益率回復を一気に説明できるソフトがまだ出ていない
  • 初動は成功、でも「物語の続き」が市場に提示されていない

これが「良い感じのソフト不足」の正体。


⑧ 株価が反転するのはどんな時?

かなりシンプルで、以下のどれか。

  1. 想定外の大型ソフト発表
  2. “Switch2専用でしかできない”新体験タイトル
  3. ソフト販売ミックス改善 → 粗利率が数字で戻り始める
  4. 長期回るタイトル(eスポーツ/配信/課金)の兆し

逆に言うと、
これが出るまでは、決算が良くても株は重い


まとめ(投資家目線)

  • 「良い感じのソフト不足」は
    👉 売上の話ではなく、期待値の話
  • 今期実績は普通に強い
  • でも “次にもう一段上へ行く理由”がまだ語れない
  • だから株価は先に調整している

この状態、任天堂では割といつもの光景でもある。

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