【AI実装ログ #004】AIに事業アイデアを議論させる朝会を18分で組みました|5案を15点で採点

【AI実装ログ #004】AIに事業アイデアを議論させる朝会を18分で組みました|5案を15点で採点
AI実装ログ #004 2026年8月26日(水)|AI活用の総論は ChatGPT×株式投資 完全解説 から
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AIに「新しい事業のアイデア出して」って頼むと、それっぽい案は返ってくるんですけど、どれも実行できる気がしなくて…。

私も同じでした。返ってくるのはいつも「AIで業務を効率化するサービス」みたいな粒度で、読んだ瞬間に手が止まるんです。原因を探っていったら、AIの側ではなくアイデアを受け止める自分の台帳のほうに問題があったと分かりました。今日はその話です。

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評価する軸から「何分で作れるか」を外したら、出てくる案の粒度が一段上がりました。18分の作業です。

✅ この記事の結論(先に要点だけ)

  • 1作ったもの:AIに5つの枠で1案ずつ出させ、5軸15点満点で採点し、3役で議論させて1案に絞る「朝会」の手順と、その結果を15ページの資料に落とす仕組み
  • 2かかった時間:18分(調べもの7分・図版2分・資料の組み立てと手直し9分)。Web検索14回のうち、使えた出典は7本
  • 3効く人・効かない人:売り先の心当たりがある人には効きます。明日声をかけられる相手がいない人だと、5案とも机上で終わります
目次

PART1 何が面倒だったのか

私はこの連載で、AIに議論させてアイデアを出し、その日のうちに1つ実装する、という運用を続けています。ここまでで作ったのは、保有銘柄のニュースを270件から5件に絞る仕組みと、サイトの内部リンクを診断する仕組みでした。どちらも動きました。動いたのですが、3本目あたりで手応えが薄くなってきたんです。

出てくる案が全部「自分の作業が何分減るか」の話になっていました。それはそれで価値があるのですが、いくら積み上げても私ひとりが少し楽になるだけです。そこで、なぜこうなるのかを5段掘ってみました。

なぜ5回:アイデアが事業の粒度に上がらない理由

  • 1[事実]アイデア台帳に「何分減るか」を書く欄しかない
  • 2[事実]その台帳は毎日1本の実装を回すために作ったので、自分の作業改善と道具づくりが前提になっている
  • 3[推論]評価の軸に「実装時間」が入っていると、60分で作れる案しか生き残らない
  • 4[推論]60分で作れる案は、定義上ひとりで完結する。つまり売り先がいない
  • 5[推論]売り先を書く欄がない限り、誰に何をいくらで売るのかが最後まで決まらない

結論はこうなりました。台帳の1行目を「誰に・何を・いくらで」に固定し、実装時間の欄を消す。ここが今日の設計方針です。AIのプロンプトを変えるより先に、答えを書き込む場所のほうを変えました。

PART2 AIに議論させた(却下された案が主役)

今回は3つの役をAIに立てて議論させました。起案役が「誰に何をいくらで売るか」の形で案を出し、反証役がWeb検索で同じサービスの有無と法規制を確認して潰し、事業役が粗い損益計算で桁の合わない案を落とす、という順番です。

枠は5つに固定しました。既存資産の活用、異業種からの移植、まだ誰もやっていない新サービス、投資の新しい分析の型、そして3年後に消える仕事と生まれる仕事。1枠につき1案だけなので、5案が並びます。

5案の採点結果

判定
企業型DCの継続投資教育を録画で受ける12保留
自動車教習所モデルの移植11却下
中小製造業に「事例が自社で溜まる仕組み」を売る15本命
決算資料の「言い換え率」という新指標12保留
AI棚卸し(止めさせる仕事)10保留

面白かったのは、採点そのものより落ちた理由のほうでした。2つ紹介します。

却下① 自動車教習所モデルの移植(11点)

教習所が売っているのは運転技術ではなく「規定のコマを消化した」という証明です。この型を、NISA口座を開いたまま買っていない人に移す、という案でした。5コマ×20分で発注ボタンを押すところまでだけを教え、買い切り9,800円で売る。数字の裏付けもありました。NISA口座は2,696万口座(2025年6月末・金融庁)まで増えたのに、買付額ゼロの口座が38.0%(2024年末・金融庁データ)もあるんです。

これを潰したのは事業役でした。「粗利を7,000円と置くと、年300万円をつくるには429本売る必要がある。桁が合わない」。買い切り単発は、売れても次がないんですね。ここは反論できませんでした。

却下② AI棚卸し(10点)

3年後を逆算した案です。いまは「どのAIツールを選ぶか」の情報に価値がありますが、モデルの性能差が縮めば選定の助言は無価値になります。代わりに生まれるのは、入れたAIのうち使われていないものを止めて、アカウントとデータの後始末をする仕事だろう、と。半日診断で1回15万円という値付けまで出ました。

反証役の指摘は「早すぎる」でした。中小企業のAI導入率は20.4%(中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」2026年3月公表・調査期間2025年11月17日〜12月12日・回答10,000社)。まだ「入れる」側にしか市場がなく、棚卸しの需要が立ち上がっていません。案そのものは残す判断にして、3年後の予約として保留に積みました。

⚠️ 注意ポイント:AIが出した案を並べただけの記事は、私は失敗だと思っています。読む価値があるのは落ちた案と、落ちた理由のほうです。採点表だけ見せられても、次に自分が判断するときの材料になりません。

PART3 実装:18分で何をどう組んだか

手順は5つでした。そのまま真似できる粒度で書きます。

  • 1台帳を2つに割る。事業の案を書く台帳と、自分の作業改善を書く台帳を別ファイルにする。混ぜると粒度が下がる
  • 2採点の軸を5つ決める。市場・独自性・収益モデル・90日で最小版・壁。実装時間は入れない
  • 3外の数字を先に集める。公開統計から出典と時点つきで拾う。ここを飛ばすと全部が感想になる
  • 43役で議論させ、2巡目で本命に「なぜ今までに誰もやっていないのか」を1つだけ答えさせる
  • 5結果を資料に落とす。各案は図1枚と設計表1枚の2ページ組にする

実際の数字を出しておきます。Web検索は14回行い、そのうち使えた出典は7本でした。残り7本のうち3本は取得できず、4本は探していた数字が載っていませんでした。半分は空振りです。図版は8枚をSVGで書いてPNGに変換し、資料は15ページ、できあがったファイルは約3.0MBでした。

1回目は失敗しました:表が枠からあふれた

最初に組んだ版を画像に変換して目視したところ、15ページのうち7ページで文字が枠の外にはみ出していました。内訳は設計表のページが5枚と、2段組みのページが2枚です。

原因は2つありました。1つ目は、表の行の高さに0.46インチという1つの数値を指定していたこと。この指定は「最小の高さ」であって上限ではないため、中身が多い行は勝手に伸びて、下にあった注記と重なっていました。2つ目は、見出しを34ポイントで書いたのに35文字入れていたこと。横幅11.73インチに34ポイントで入るのは約24文字なので、2行に折り返して表の1行目に重なっていました。

直したのは2か所です。行の高さを1つの数値から行ごとの配列に変え、文字を15.5ポイントから13ポイントに下げました。見出しは「この案を4行で設計する」の11文字に削りました。合計で2行の変更です。これで7ページとも枠に収まりました。

ここで学んだのは、資料を組むツールの「高さの指定」は上限ではなく下限だということです。文字数を先に決めてから枠を決めないと、この事故は毎回起きます。

2巡目の問いが、いちばん効きました

本命に選んだのは、中小製造業に「AIの使い方」ではなく「社内に事例が溜まる記録の型」を売る、という案でした。根拠にしたのは先ほどの実態調査で、AIを導入した企業が「不足している」と答えた情報の1位が「成功事例や活用事例などの情報」で83.3%、2位が「適切なベンダーや製品を選定する情報」で79.8%だった、というものです。事例が足りないなら、外から買うより自社で作り続ける形のほうが強いのではないか、と。

そこで2巡目に「なぜ今までに誰もやっていないのか」を答えさせました。返ってきたのは「支援会社は成功事例のポートフォリオで次の案件を取る構造だから、顧客の社内に失敗ログが溜まる仕組みを提案できない」という答えでした。儲からないからではなく、既存プレイヤーの利益の出し方と衝突するから、という話です。

この問いには判定のルールを決めてあります。答えが「儲からないから」なら落とす。「気づかれていないだけ」なら残す。今回は後者だったので残しました。この1問だけで、独自性の説明が初めて具体的になりました。

PART4 コピペOKプロンプト

今日実際に使ったものを2本、そのまま載せます。1本目が朝会の本体、2本目が2巡目の問いです。

📋 コピペOK:事業アイデア朝会 プロンプト
あなたは3つの役を順番に演じてください。

【出す案の階層】
事業(誰に何をいくらで売るか)と、手法(世の中の見方を変える新しい分析の型)だけ。
自分の作業改善や、ツールづくりの案は出さないこと。
「作業が◯分減る」で説明できてしまう案は不採用とします。

【枠】1枠につき1案だけ、計5案。
1 いま持っている資産(発信媒体・講座・記事)から新しい収益をつくる案
2 投資教育の外の業界からビジネスモデルを1つ借りて移植する案
3 まだ誰もやっていない新サービス
4 新しい分析の型か、新しい指標そのもの
5 3年後に消える仕事と生まれる仕事から逆算した案

各案は必ず「誰に・何を・いくらで」の1行から書き始めること。
機能の説明から書かないこと。

【採点】5軸×各3点=15点満点
1 市場(誰が払うか。規模の桁が言えるか)
2 独自性(私の資産でしか作れないか)
3 収益モデル(単発/月額/受託/レベニューシェアのどれで、いくらか)
4 90日で最小版を出せるか
5 壁(3か月で真似されて終わらないか)
実装にかかる時間は評価に入れないこと。

【3役】
A 起案役:誰に何をいくらで売るかの形で出す。機能の羅列にしない
B 反証役:同じサービスが既にあるか、法規制で詰まらないかを確認して潰す
C 事業役:単価×人数×継続で粗い損益を出し、桁が合わない案を落とす

【制約】
数値は出典と取得時点を明記すること。裏の取れない見込みは「試算」と明記すること。
私が渡した情報と、出典を示せる公開情報のみを使用してください。
推奨は不要です。最終判断は私が行います。
📋 コピペOK:2巡目の問い(本命を残すか落とすか決める)
先ほど本命に選んだ案について、1つだけ答えてください。

「なぜ、これは今までに誰もやっていないのですか」

答えは1つに絞ること。複数並べないこと。
「需要がないから」「難しいから」のような一般論は禁止です。
既存プレイヤーの誰が、どんな理由でこれを提案できないのか、
具体的な主体と理由の形で答えてください。

そのうえで、その理由が次のどちらに当たるか判定してください。
・儲からないから → この案は落とす
・気づかれていないだけ → この案は残す

判定の根拠になった事実と、それが推論である場合はその旨も書いてください。
推奨は不要です。最終判断は私が行います。

結果と限界(ここは盛りません)

できたこと。事業と手法の粒度で5案が並び、それぞれに「誰に・何を・いくらで」「なぜ自分が勝てるか」「90日の道筋」「今日の30分でやる検証の1歩」の4行が付きました。15ページの資料と、台帳3ファイルの更新まで18分です。同じ手順を明日も回せます。

できなかったこと。案の正しさは1つも検証していません。市場規模の桁は公開統計から拾いましたが、受注率1%といった数字は私が仮に置いただけです。何より、まだ1件も打診していません。今日やったのは「打診する文面を書く」ところまでで、返事はまだ何もない状態です。ここを正直に書いておかないと、次の記事が読まれなくなります。

向いていない人。売り先の心当たりがない人には向きません。今回の本命が15点満点になったのは、本業で接点のある相手に明日声をかけられるからです。商圏の中小製造業に飛び込みで当たる前提で計算し直すと、受注は年に2社を切って桁が合いませんでした。手順が良かったのではなく、たまたま既存の接点があっただけです。ここを取り違えると、同じ表を作っても何も起きません。

次にやること

台帳が育つほど、保留の欄が膨らんでいきます。いまのところ手で整理していますが、この続きとして同じ案が3回保留になったら自動で却下へ落とす仕組みを考えています。永久保留を作らないためのルールは決めてあるのに、実行するのがいつも人力なんですよね。ここを機械に渡せないか、次あたりで試してみます。

よくある質問

Q. これを毎朝やる必要はありますか?

A. 毎朝である必要はないと思います。大事なのは頻度より、前回の案を先に見返すことです。私の手順でも、新しい5案を出す前に「走っている案」「検証中の案」を確認する工程を最初に置いています。ここを飛ばすと、毎回ゼロから始まって何も積み上がりません。

Q. 3役は同じAIに演じさせていいのですか?

A. 同じAIで構いません。ただし反証役には必ず検索をさせてください。ここを省くと「似たサービスは見当たりません」と言い切ってしまい、議論が成立しなくなります。今回も、無料の類似サービスが見つかったことで価格の上限が決まりました。

Q. 出てきた案をそのまま実行していいですか?

A. しないほうがいいです。AIが出すのは「検証すべき仮説」であって結論ではありません。私も本命の案について、まず30分のヒアリングを1件取るところから始めます。それと、金融や労務に関わる商品を考えるときは、法律上の登録が必要かどうかを必ず専門家に確認してください。ここはAIの回答を根拠にしてはいけない領域です。

まとめ

今日いちばん効いたのは、新しいプロンプトではなく採点の軸から「何分で作れるか」を外したことでした。答えを書き込む場所の形が変わると、返ってくる答えの粒度が変わります。AIに何を聞くかより、AIの答えをどこに置くかのほうが先だったんですね。

もし同じことで詰まっている方がいたら、まず台帳の1行目を「誰に・何を・いくらで」に書き換えてみてください。それだけで、出てくる案がだいぶ変わります。

📚 AI実装ログ(作って、動かして、結果まで出した記録)

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言・勧誘や特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記事中の価格・収益の見込みはすべて筆者の試算であり、成果を保証するものではありません。AIの出力には誤りが含まれる場合がありますので、数値は必ず一次情報でご確認ください。投資および事業上の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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