銘柄の情報収集をAIに任せる画面の作り方|プログラム不要、対話だけで16分

銘柄の情報収集をAIに任せる画面の作り方|プログラム不要、対話だけで16分
AI×株式投資 ChatGPT・Claude活用の総論は こちらの完全解説記事 から
🤔
1銘柄を調べるだけで、決算、金利、為替、チャートとサイトを4つも5つも開くことになる。集めるだけで時間が終わって、考える時間が残らない…

この悩み、私もずっと抱えていました。そこで、銘柄の情報収集をAIに任せる画面を自分で作りました。プログラムは一行も書いていません。書いたのは「こういう画面がほしい」という日本語の要望だけです。

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集める作業はAIに渡す。株価の数字と最終判断は自分に残す。この線引きさえ決まれば、あとは画面を作るだけです。

✅ この記事の結論(先に要点だけ)

  • 1銘柄名をAIに投げる、返ってきたものを貼る。この2手で、ニュース・金利・為替・原材料が1画面に並ぶ
  • 2株価の四本値はAIに出させない。1円ズレると後から答え合わせができなくなるため、証券会社の画面から自分で貼る
  • 3AIの出力を信じてよいかは、取り込む前に「出典が空の件数」と「やめる線の件数」の2つを数えて判断する

🎯 この記事で得られること

判断材料:銘柄の情報収集を、どこまでAIに渡してどこを自分に残すかの線引き。私は「材料と意味づけはAI、株価の四本値と最終判断は自分」で引きました。
→ 明日から、AIに聞くことと自分で取りにいくことを迷わず分けられます。

判定ポイント:AIが返した材料を採用してよいかは、2つの数字で決まります。ひとつは出典が空の項目数、もうひとつは反証条件(この見立てが外れたと分かる条件)の件数。反証条件が0件の出力は、外れても気づけないので使いません。
→ 取り込む前の30秒で、その出力を使うかどうかを決められます。

この記事が答えないこと:どの銘柄を買うべきか。本記事は情報を集める仕組みの話で、個別銘柄の推奨は行いません。記事中に出てくる銘柄は、画面の機能を説明するための題材です。

目次

何を作ったのか

作ったのは「銘柄ブリーフ」という1画面です。1つの銘柄について、いま株価を動かしている材料、株価チャート、そうなっている理由、そして先の株価の幅までを、スクロールせずに見渡せるようにしました。

銘柄ブリーフの画面。効いている材料が追い風と向かい風に色分けされ、右側にポイントとなぜこうなっているかが並ぶ

画面の中身を左上から順に見ていきます。

  • 1効いている材料 金利・為替・原材料・顧客の設備投資などを、株価への効き方を−3〜+3の数字にして並べます。赤が追い風、青が向かい風。バーの長さが強さです
  • 2差し引き 追い風の合計と向かい風の合計を足した数。追い風+8、向かい風−2なら差し引き+6。いまその銘柄に何本の追い風が残っているかが一目で分かります
  • 3株価チャート ローソク足に25日線と75日線、下に出来高。カーソルを乗せるとその日の四本値が出ます
  • 4なぜこうなっているか いまの株価になっている理由を、事実から推論へ5段で降ります。1段目と2段目は裏の取れた事実、3段目以降は自分で置いた仮定と区別します
  • 5シミュレート EPSとPERの2つ、または材料の効き方から、先の株価の幅を3本の線で出します

動くのはブラウザだけです。インストールも会員登録も不要で、データはすべてその端末の中にしか保存されません。

材料集めはAIに渡す

いちばん時間を食っていたのが、材料集めでした。決算短信を開いて、通期予想の前提を確認して、いまの為替と商品価格を調べて、直近3か月のニュースを追う。この一連を毎回やっていると、1銘柄で軽く1時間が飛びます。

ここを全部AIに渡しました。手順は2つだけです。

  • 1銘柄名とコードをAIに投げる。AIがWeb検索して、決められた形式で材料を返す
  • 2返ってきたものを画面の取り込み欄に貼る。それだけで全部の枠が埋まる

ポイントは、AIに決まった形式で返させることです。自由な文章で返させると、その場では読めても、画面に流し込めません。項目と並び順をこちらで固定しておけば、貼るだけで済みます。

材料集めプロンプト

📋 コピペOK:1銘柄の材料をまとめて集めるプロンプト
次の銘柄について、株価を動かしている材料を集めてください。

【銘柄】(社名)(証券コード)
【いまの日付】(YYYY-MM-DD)

■ 集める順番
1. 直近の決算短信(売上・営業利益・純利益と前年同期比、通期予想の修正の有無)
2. 通期予想の前提(為替・商品価格・数量)と、会社が開示している感応度
 (「1ドル◯円で営業利益◯億円」のような数字)
3. その前提の、いまの実勢値
4. 直近3か月のニュース(適時開示・資本政策・取引先の動き)
5. 需給(自己株買い・大株主の売却・信用残・転換社債)

■ 出力の形式
次の順で、項目ごとに整理してください。
・効いている材料(材料名/いまの値/株価への効き方を−3〜+3の整数/
  なぜこの会社に効くかを金額か比率で/出典/時点)
・関連ニュース(日付/見出し/事実だけ/効き方/短期か中期か/出典)
・押さえる点を3つ
・いまの株価になっている理由を、事実から推論へ5段で
・次に見る数字とその発表日/見立てが進む条件/見立てを作り直す条件
・強気側の言い分と弱気側の言い分を、同じ分量で

■ 守ってほしいこと
・株価の四本値は出さない(自分で取得します)
・裏が取れない数字は空欄にする。推定で埋めない
・出典は「どの会社の何という資料の何ページ」「どの統計の何月分」まで書く
・自分で計算した数値は、計算過程を1行添える
・「買い時」「狙い目」は使わない

渡した条件のみで作業し、売買の推奨ではなく判断材料の整理として出力すること。

このプロンプトで返ってくるものを、そのまま画面に貼ります。私の場合、1銘柄あたり3分ほどで枠が埋まります。

株価の数字だけはAIに出させない

材料は全部AIに任せましたが、ひとつだけ渡していないものがあります。株価の四本値(始値・高値・安値・終値)です。

理由はひとつ。1円ズレると、後から答え合わせができなくなるからです。

AIに「この銘柄の先週の終値は?」と聞くと、それらしい数字が返ってくることがあります。ですが、その数字が実際の終値と1円違っていたら、その上で引いた移動平均線も、判定した形も、全部ずれます。しかも、ずれていることに気づけません。数字が「それらしい」ので、見た目には何の問題もないからです。

なので株価は、証券会社の画面か取引所のデータから自分でコピーして貼ります。表をそのまま範囲選択してコピーすれば、日付が改行で分かれていても、3桁区切りのカンマが入っていても、そのまま読み込むようにしました。

⚠️ 注意ポイント:チャートのスクリーンショットから数値を読み取るのも避けています。画像から起こした数字は、目視で1桁見間違えても誰も止めてくれません。画像は「形の確認」に使い、数値はテキストで取得する。この使い分けを最初に決めておくと、後で困りません。

チャートの形は画面の中で判定する

三尊(ヘッドアンドショルダー)、ダブルトップ、ダブルボトム、25日線と75日線のクロス。これらは画面の中で機械的に判定するようにしました。AIも外部サービスも使いません。取り込んだ四本値から、こちらで計算するだけです。

やっていることは単純で、まず株価の山と谷(ピボット)を4.5%以上の変動で拾い、その並びが条件に当てはまるかを見ているだけです。三尊なら「山・谷・山・谷・山」の並びで、真ん中の山が両隣より2%以上高く、両隣の山の高さが互いに5%以内に収まっていること。この条件を満たせば「三尊の形が出ている」と表示し、首の線(ネックライン)の価格も一緒に出します。

ただし、ここには注意書きを必ず添えるようにしました。

⚠️ 注意ポイント:形が出ていることと、そのとおりに動くことは別です。三尊もダブルトップも、後から見れば線が引けただけ、ということが多くあります。この判定は「当たる形を探す」ためではなく、「いま株価がどの水準を試しているか」を確かめるために使っています。

相場全体と突き合わせる

個別銘柄の材料だけを見ていると、相場全体の流れから切り離して判断してしまいます。そこで、その銘柄の業種をキーに、相場全体の見立てと照合する枠を作りました。

具体的には、東証33業種の正式名称を材料と一緒に取り込んでおき、それをセクター単位の評価(そのセクターがいま強いか弱いか)と、実際にそのセクターへ資金が向かっているかの2つに突き合わせます。

この照合でいちばん価値があるのは、2つがズレているときです。

  • A見立ては強気なのに、資金が来ていない → 見立てが先行しているか、買う理由がまだ市場に伝わっていないかのどちらか。次の決算か統計で、どちらかに寄ります
  • B見立ては弱気なのに、資金が入っている → 見立てが古いか、その業種だけ別の材料で買われています。材料欄にその材料が入っているかを確かめます
  • C両方が同じ向き → 逆張りの根拠が薄い状態。乗るなら押し目、降りるなら理由を別に用意する必要があります

この3行が出るだけで、「この銘柄を見るとき、業種の話として見るのか、個社の話として見るのか」が決まります。

作った後に、必ず不満が出る

ここからが本題かもしれません。画面は一度作って終わりにはなりませんでした。使ってみると、必ず不満が出ます。私の場合、最初の1時間で3つ出ました。

不満1:入り口が2つあって面倒

最初は「材料を取り込む」と「株価を取り込む」でボタンを分けていました。理屈としては正しい分け方です。ですが使ってみると、毎回どちらを押すか考えることになって、それが面倒でした。

直し方は単純で、ボタンを1つにして、貼られた中身を自動で見分けるようにしました。データの形が違うので、判別は機械的にできます。いまは同じ欄に、材料でも株価でも、両方まとめてでも貼れます。

不満2:文字が詰まって読めない

材料を7つ取り込んだら、カードが横に7枚並んで、1枚あたりの幅が狭くなりました。数字も説明文も同じ大きさで詰まっていて、どこを見ればいいのか分かりません。

直したのは3点です。数字を大きくして色を付ける、効き方をバーの長さで見せる、説明文は2行までにして全文はカーソルを乗せたときに出す。情報を消したのではなく、表示の優先順位を付け直しただけです。出典もカーソルの中に移しました。

不満3:情報が多すぎる

材料が7つあっても、毎日見るのは上位3〜4つでした。残りは「あとで確認するために残しておきたいもの」で、常時表示する必要はありません。

そこで、表示する材料を選べるようにしました。効いている順に並べる、影響が±0のものを隠す、表示は4件までにする。ただし差し引きの合計だけは、隠した分も含めた全件で計算しています。見るカードを4枚に減らしても、差し引き+6という数字は7件ぶんのまま。ここは譲りませんでした。

この3つの修正に要した時間は、合わせて6分弱です。作るより直すほうが早い。そして、直す作業のほうが画面の使い勝手を決めています。

書いたコードは0行

ここまで読んで「プログラムが書けないと無理では」と思われたかもしれません。私が書いたのは、日本語の要望だけです。

「特定の銘柄を指定したらAIが情報を集めて、いい影響か悪い影響かが分かるようにしたい」「入り口が2つあって面倒。できればまとめたい」「文字羅列で見づらい。文字の大きさを変えるとか、グラフを付けるとか、直感的にしたい」。この程度の言葉です。実際、上の3つの不満は、ほぼこの言い方のまま伝えて直りました。

大事なのは、きれいな仕様書を書くことではありませんでした。使ってみて感じた不満を、感じたままの言葉で伝えることです。「入り口2つは面倒」は仕様書には書けませんが、この一言で画面は変わります。

⚠️ 注意ポイント:AIが集めた材料には、出典が付いていないものや、AI自身が計算した推定値が混ざることがあります。取り込む前に「出典が空の項目が何件あるか」を必ず数えてください。私の画面では、取り込みボタンを押す前に件数が表示されるようにしています。数字を見る前に、その数字がどこから来たかを見る。この順番を崩さないことが、AIを使ううえでいちばん大事だと思っています。

よくある質問

Q. プログラミングの知識はどれくらい必要ですか?

A. コードを書く知識は不要です。必要なのは「何がほしいか」「何が不便か」を言葉にすることだけ。むしろ、専門用語を使わずに普段の言葉で伝えたほうが、意図どおりのものが出てきます。

Q. 集めた材料は、どこまで信じていいですか?

A. 出典が書かれているものだけを材料として扱い、出典が空のものは自分で裏を取ってから使います。また、AIが自分で計算した数値(単位換算や逆算)は、計算過程が添えられているかを確認してください。過程が書けない数字は、根拠のない推定である可能性があります。

Q. 株価データはどこから取ればいいですか?

A. お使いの証券会社の銘柄ページにある時系列データが確実です。表を範囲選択してコピーし、そのまま貼り付けます。期間は1年分あると、25日線・75日線とチャートの形の判定まで動きます。

まとめ

情報収集の手数が減っても、判断が自動で良くなるわけではありません。変わるのは、判断に使える時間の量です。1銘柄あたり1時間かかっていた材料集めが3分で終われば、残りの57分を「この材料をどう解釈するか」に使えます。

そして、集める作業を渡すからこそ、渡してはいけないものがはっきりします。株価の数字と、最後にどうするかの判断。この2つだけは自分の手元に置いておく。私はこの線引きで運用しています。

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この画面を作る過程を、すべて動画にしました

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① 情報収集をダッシュボード化(10:14)

銘柄の材料をAIで集めて画面に流し込むところまで。効き方の表示、差し引きの計算、チャートの形の自動判定

② ブラッシュアップと修正の手順(05:47)

入り口を1つにまとめる、文字を大きくする、表示する項目を選べるようにする。作った後に必ず出る不満の直し方

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。AIの出力には誤りが含まれる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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