AIに持ち株を聞いたのに、返ってきたのは教科書でした
ClaudeやChatGPTに「この持ち株、どうしたらいい?」と聞いて、買った理由を確認しましょう、原因を切り分けましょうという答えが返ってきたことはありませんか。私も何度もありました。
この記事では、Claudeの設定にある「Claudeへの指示」に10行だけ貼って、毎回の前置きをやめる手順を書きます。
私が2026年10月18日に実際にClaudeで回した3つの出力を、そのまま載せています。設定前の答えと設定後の答えを並べたので、何がどう変わるかを先に見てから試せます。
読み終わったら、設定に10行を1回貼って、同じ質問を前後で1回ずつ投げるところまで進めます。
こんな人に向けて書きました
- AIに投資の相談をすると、毎回ひと通りの説明が返ってきて止まっている人
- 質問のたびに自分の状況を打ち直すのが面倒になっている人
- 日本株の現物を少額で持っていて、相場を見るのは夜と週末だけの人
読むと分かること
- 設定の「Claudeへの指示」がどこにあるか(画面の順番)
- そこに貼る10行(私の前提4行+答え方のルール6行)の中身
- 同じ質問で答えがどう変わるか(実際の出力2本・854字→600字)
書かないこと
- どの銘柄を買うか、株価がどうなるか
- 有料プランと無料プランの比較(公式ヘルプに対象プランの記載がないため)
設定に書くのは「私がどんな人か」より「どう答えてほしいか」です。前提だけ書いても、返ってくる文章の形は変わりませんでした。
AIは私の前提を知らないので、毎回いちばん広い答えから始まります
AIは、こちらが打った文章だけを見て答えます。持っている銘柄も、使える金額も、相場を見られる時間も知りません。
だから「含み損20%になりました」とだけ聞くと、どんな人にも当てはまる順番を返してきます。買った理由を確認する、原因を切り分ける、半分売る。どれも間違っていませんが、今日やることが決まりません。
実際に私が聞いてみた答えが、これです。
持っている日本株が含み損20%になりました。持ち続けるか減らすか、どう考えたらいいですか?
実際の出力:設定なし/Claude(2026年10月18日に実行・全文854字)
含み損20%という数字そのものは、実は判断材料としてはあまり役に立ちません。「いくら下がったか」ではなく「今から見て、この会社は上がるのか」で考えるのが筋です。順番にいきます。
1. 買った理由がまだ生きているか
最初に買ったとき、何を期待していましたか。業績の伸び、テーマの追い風、割安さ、どれでもいいのですが、その理由が今も成り立っているかを確認します。
理由がまだ生きている → 株価が下がっただけなので、持ち続ける or 買い増しの候補
理由が崩れた(減益に転落、テーマが終わった、計画が後ろ倒し) → 含み損がいくらであろうと減らす対象
2. 下がった原因を切り分ける
相場全体が下がった → その銘柄の問題ではない
セクターごと下がった → テーマの賞味期限を確認
その銘柄だけ下がった → いちばん警戒すべき。決算、ガイダンス、ニュースを確認
3. 「今、新規で買うか」と自問する
いちばん効く質問です。もし今この株を1株も持っていなかったとして、この株価で買いたいと思えるか。
買いたい → 持ち続ける
買いたくない → 持っている理由は「損を確定したくない」だけ、つまり塩漬け
4. どうしても決めきれないときは半分
全部売るか全部持つかの二択にすると動けなくなります。半分減らせば、下がっても「減らしておいてよかった」、上がっても「残しておいてよかった」になり、どちらでも精神的に耐えられます。迷いの正体はたいてい「ポジションが自分の許容度より大きい」ことなので、サイズを落とすだけで判断が冷静になります。
5. 次のために決めておくこと
撤退ライン(例:−20%、または決算で減益なら売る)を買う前に決める
その銘柄に資金を置き続けるコストを意識する。同じ金額を上がっている銘柄に移せば回復は早い。戻るのを待つのは「その銘柄で取り返す」というこだわりで、資産を増やす目的とは別のものです
よければ、銘柄・買値・保有比率・買った理由を教えてください。その4つがあれば、持ち続けるべきか減らすべきか具体的に一緒に整理できます。
※ 省略なしの全文です。改行を除いて数えると854字でした。
最後の1行に注目してください。4つの項目を聞き返されて終わっています。ここで前置きを打ち直すことになり、毎回5行くらい消えていきます。
02左下の自分のイニシャルから「設定」を開き、「Instructions for Claude」に書きます
場所はひとつだけです。Anthropic社の公式ヘルプには、次の順番で書かれています(2026年10月18日取得)。
自分のイニシャル ▶ 2「Settings」
(設定)を選ぶ ▶ 3「Instructions for Claude」
の欄に書く
この欄に書いた内容は、自分のすべての会話に効きます。新しいチャットを開くたびに貼り直す必要はありません。
日本語表示にしていると、項目名が訳されて表示される場合があります。英語表記の「Instructions for Claude」を目印に探してください。
用意するもの
| 用意するもの | 中身 |
|---|---|
| Claude | ブラウザ版(claude.ai)。スマホのアプリでも設定画面は開けます |
| 自分の前提メモ | 投資の金額・相場を見られる時間・やらないこと。手帳のメモ程度で足ります |
| かかる時間 | 貼るだけなら5分。前後の比較まで入れて15分 |
対象プランについて。公式ヘルプの該当ページには、この機能が無料プランで使えるかどうかの記載がありませんでした(2026年10月18日取得)。まず設定画面を開いて、欄があるかどうかを確かめてください。文字数の上限についても記載はありません。
書くのは「私の前提」4行と「答え方のルール」6行の、合わせて10行だけです
私が使っている中身を、そのまま置いておきます。金額と時間帯だけ自分の数字に書き換えて貼ってください。
【私の前提】 ・会社員。相場を見られるのは平日21時以降と週末だけ ・日本株の現物のみ。1銘柄あたり10万〜30万円 ・決算短信は自分で開くが、連結と単体の違いは分からない ・売買の判断は自分でする。AIには判断材料の整理だけを頼む 【答え方のルール】 1. 最初の3行で結論を書く。前置きと一般論は書かない 2. 言えることは数字の形で書く(「〇〇が△△を下回ったら」の形) 3. 根拠が渡した資料に無いときは「資料に無い」と書く。推測で埋めない 4. 専門用語は「日常語(専門用語)」の順で1回だけ使い、以後は日常語で書く 5. 最後に「次に見る日付」と「この見方が外れたと分かる条件」を各1行で書く 6. 売買の推奨(買い・売り)は書かない
大事なのはルールの3番と6番です。3番は、AIが知らないことを埋めてしまうのを止めます。6番は、判断を自分の手元に残すための1行です。
自分用の文章をClaudeに作らせる
10行をそのまま使うより、自分の言葉にしたほうが続きます。下書きはClaudeに作らせられます。
あなたの設定画面に貼る「Claudeへの指示」の下書きを作ってください。 私の状況は次のとおりです。 ・会社員。相場を見られるのは平日21時以降と週末だけ ・日本株の現物のみ。1銘柄あたり10万〜30万円 ・決算短信は自分で開くが、連結と単体の違いは分からない ・売買の判断は自分でする。AIには判断材料の整理だけを頼む 条件は次の3つです。 1. 「私の前提」と「答え方のルール」の2つの見出しに分け、合わせて400字以内にする 2. 「答え方のルール」には、結論を先に書く・数字の形で書く・資料に無いことは推測で埋めない・売買の推奨は書かない、を必ず入れる 3. そのままコピーして貼れる形で、本文だけを出力する
実際の出力/Claude(2026年10月18日に実行)
私の前提
・会社員。相場を見られるのは平日21時以降と週末のみ。日中の即応はできない。
・日本株の現物のみ。1銘柄あたり10万〜30万円。信用・先物・FX・海外株は扱わない。
・決算短信は自分で開く。ただし連結と単体の違いは分からないので、どちらの数字かを毎回明記し、初出の会計用語には一言説明を添える。
・売買の判断は自分で行う。AIに頼むのは判断材料の整理だけ。
答え方のルール
1. 結論を先に書く。冒頭1〜2行で要点、理由と詳細は後ろに回す。
2. 数字の形で書く。売上・利益・前年比・株価は「○○億円(前年比+○%)」のように単位と期間を付けて示す。
3. 資料に無いことは推測で埋めない。不明な点は「短信に記載なし」と書いて空欄のまま返す。
4. 売買の推奨は書かない。買い・売り・目標株価・推奨度は出さず、材料とリスクの整理までにとどめる。
5. 平日夜や週末にまとめて読む前提で、長文より箇条書きで整理する。
「どちらの数字かを毎回明記し」の一文が入りました。私が書いた「連結と単体の違いが分からない」を、答え方の約束に変えてくれています。
04同じ質問で、854字の説明が600字の数字と日付に変わりました
01章とまったく同じ質問を、10行を入れた状態でもう一度投げました。
※ 下の画像は、このときのやりとりを記事と同じ配色で起こしたものです。
実際の出力:設定あり/Claude(2026年10月18日に実行)
含み損の率だけでは判断材料になりません。
下がった理由が「業績」か「相場全体」かで分かれます。
今回は資料が無いので、率ではなく下の3点を自分で埋めてください。
1. 下がった理由の切り分け
・買った後に出た決算で、会社自身の今期予想(通期の売上・利益の見通し)が下方修正されたか
・下方修正が無く、同業他社や日経平均も同じ時期に下げているなら、相場全体の下げ
・資料に無い(銘柄名・買値・株数・直近の決算短信が未提示)
2. 減らす側の数字の置き方
・1銘柄10万〜30万円なら、20%の含み損は2万〜6万円
・損切り(ロスカット)の線を、買う前に決めていた率で確認する。決めていなければ「全体資金の何%まで減るのを許容するか」を先に数字で置く
・会社の今期予想が下方修正されていたら、買った前提そのものが崩れている
3. 持ち続ける側の数字の置き方
・今期予想が据え置き以上で、下げが相場全体と同じ幅なら、前提は崩れていない
・次の決算で、会社予想に対する進捗率(4〜6月期なら通期予想の25%前後)が届いているか
連結と単体は、連結(グループ会社を合算した数字)を見れば足ります。単体は親会社だけなので無視して構いません。
次に見る日付:次回の決算発表日(会社のIRページに記載。資料に無い)
この見方が外れたと分かる条件:今期の会社予想が下方修正され、それでも株価が下がらない、または予想据え置きなのにさらに10%下げた場合
変わったところを数えると、こうなりました。
同じ質問への答えの長さ(文字数・改行を除く)
出典:Claudeで2026年10月18日に実行した2つの出力を、筆者が文字数で比べたもの
| 見るところ | 設定なし | 設定あり |
|---|---|---|
| 文字数 | 854字 | 600字 |
| 「次に見る日付」の行 | なし | 1行 |
| 「外れたと分かる条件」の行 | なし | 1行 |
| 最後に聞き返された項目 | 4つ | 0(足りない資料を明記) |
| 用語の言い換え | なし | 連結・損切りを日常語で説明 |
いちばん助かったのは、最後の2行が毎回ついてくることです。「次に見る日付」と「外れたと分かる条件」が出ると、その日のうちに手が止まりません。
設定あり側も、銘柄名が無いので具体的な数字は出していません。無いものを無いと言ってくれるのが、ルール3番の役目です。
うまくいかない時は、ルールの文を「数の指定」に書き換えます
私が最初につまずいた3つを置いておきます。
失敗1:前提だけ書いて、答え方を書かなかった
「会社員です。日本株の現物を少額でやっています」だけを貼った時期がありました。結果はほとんど変わりませんでした。返ってくる文章の形を決めているのは、前提ではなく答え方のルールのほうです。
変わらない書き方
ていねいに、分かりやすく答えてください
変わる書き方
最初の3行で結論を書く。最後に「次に見る日付」を1行で書く
失敗2:「簡潔に」と書いたのに長かった
「簡潔に」は人によって長さが違います。数で指定すると効きました。「全体で500字以内」「箇条書きは3つまで」のように書き換えてください。
失敗3:ルールを10個以上書いた
欲張って12個書いたら、後ろのほうが守られませんでした。6個前後に絞り、守られていない1個を書き換えるほうが早く進みます。
いま設定している「Claudeへの指示」のうち、直前の回答で守れていなかったルールを挙げてください。 そのうえで、守りやすくなるように文を書き換えた案を出してください。 条件は次の2つです。 1. ルールは6個以内に収める 2. 「簡潔に」のような曖昧な言葉は、数の指定に置き換える
すべての会話に効かせるなら設定、調べ物ごとに変えるならプロジェクトです
| 置き場所 | 効く範囲 | 向いている中身 |
|---|---|---|
| 設定の「Instructions for Claude」 | 自分のすべての会話 | 私の前提と答え方のルール(いつも同じもの) |
| プロジェクトの指示 | そのプロジェクトの中だけ | 決算を読む用・スクリーニング用など、作業ごとの手順 |
| スキル | 必要なときに呼び出して使う | 決まった形で出したいもの(週報・報告の型など) |
出典:Anthropic社サポート「Understanding Claude’s personalization features」(2026年10月18日取得)
以前あった「スタイル」は、スキルへ移行することが公式ヘルプに書かれています。作成済みのカスタムスタイルはスキルに変換され、移行後は初期状態で無効のため、「カスタマイズ」から有効にする形になります(2026年10月18日取得)。
プロジェクトの作り方は、Claudeのプロジェクト機能の使い方|投資の調べ方を固定する手順にまとめています。
- 買う・売るの判断。設定のルール6番で、AI側に書かせないようにしておきます
- 数字の最終確認。決算短信や適時開示の原本で自分で見ます
- 前提そのものの更新。資金や使える時間が変わったら、設定の4行を自分で書き換えます
次にやる作業は、決算短信をClaudeに渡すところからです
設定が済んだら、実際の資料を渡す作業に進みます。答え方が固定されているので、同じ形で返ってきます。
FAQよくある質問に3つ答えます
設定に書いた内容は、他の人に見えますか?
ChatGPTでも同じことができますか?
前提を書くと、答えが偏りませんか?
10行を1回貼れば、次の質問から前置きが0行になります
私はこの10行を貼ってから、質問が1行で済むようになりました。前置きを打つ時間が、資料を読む時間に戻ってきます。
この記事の手順を、動画で通しでやる講座
ChatGPT・Claudeで学ぶ株式投資分析 応用講座
この記事の「答え方のルールを固定する」工程は、講座の序盤(AIに前提を渡すセクション)で画面を見ながら進めます。
講座の中身を見る(Udemy) どの講座が合うか3問で診断する出典
・Anthropic社サポート「Understanding Claude’s personalization features」https://support.claude.com/en/articles/10185728-understanding-claude-s-personalization-features(2026年10月18日取得。設定の場所、効く範囲、プロジェクトの指示との違い)
・Anthropic社サポート「スタイルの設定と使用(スタイルがスキルに移行しています)」https://support.claude.com/ja/articles/10181068(2026年10月18日取得。スタイルがスキルへ移行する点)
・記事内の3つの出力は、いずれもClaudeで2026年10月18日に筆者が実行したものです。文字数(854字・600字)は、改行を除いて筆者が数えました。
【免責事項】この記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。また、AIの出力には誤りや古い情報が含まれることがあります。数字は必ず決算短信・適時開示などの原本でご確認ください。

