「3日前まで『もう終わりだ』って言ってたのに、気づいたら日経が2,494円高。え、乗り遅れた…?」
ってなってる人、めちゃくちゃ多いと思う。2026年7月28日にストップ安、31日にストップ高33銘柄。たった3営業日で相場の景色が完全に入れ替わったの。
この記事では、その反転を作った3つの材料(ハイパースケーラー決算・FOMC据え置き・キオクシア決算)を数字で分解して、「短期反発はきそう」と言える根拠と、その反発が続く条件/崩れる条件まで整理するね。浮かれる前に読んでほしい記事です。
📖 本記事はシリーズ第3弾。今回の暴落が「なぜ起きたか」を解説した第1弾:【2026年7月】AI・半導体株はなぜ暴落したのか(下げの三重構造) を先に読むと、この記事の理解が一気に深まるよ。
まず結論:下げの理由が3つとも弱まった。でも「消えた」わけじゃない
1 反発は日本発じゃなく米国発。安いから買われたんじゃなく、下げの理由そのものが崩されたことによる買い戻し
2 キオクシア決算は「実績は未達/ガイダンスは強烈/還元は積極的」の三層構造。単純な満点ではない
3 FOMCは「利上げ回避」ではなく「利上げの先送り」。同じ材料が9月に逆向きで効く可能性がある
※本記事は2026年7月31日時点で公表・報道されている情報に基づく整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価は変動するため、最新値は必ずご自身でご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
怖くて売っちゃったんだけど…もう今から買ったら高値づかみ?それともまだいける?
PART 1 3営業日で何が起きたか──まず時系列を数字で
──感情の前に、事実を置く
このパートの要点:7/28にストップ安、7/31にストップ高33銘柄。きっかけは前日の米国市場でSOX指数が約8%高になったこと。震源はマイクロソフト決算。
| 日付 | 日経平均 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 7/28(火) | 62,364円 (−2,566円、−3.95%) | キオクシアがストップ安44,550円。韓国もサムスン13%超安、SKハイニックス14%超安 |
| 7/29(水) | 続落 | キオクシアは38,380円まで下落。米国ではFOMCが金利据え置きを決定 |
| 7/30(木) | 61,867円 (+433円、+0.71%) | 3日ぶり反発。ただし前日の米国はダウ1,153ドル安で地合いは重い。アドバンテストが上方修正で急伸 |
| 7/31(金) | 64,362円 (+2,494円、+4%) | 一時+3,400円超。4営業日ぶりに6万5,000円台回復。ストップ高33銘柄・ストップ安1銘柄 |
7/31は前場だけでアドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄が日経平均を約1,700円押し上げたの。指数がどれだけ半導体に依存してるかがよく分かる数字だよね。
きっかけは前日の米国市場。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が約8%高となって、特にメモリ関連の上昇が突出した。サンディスクが26%の急騰、マイクロンやSKハイニックスも18%高。震源は決算を発表したマイクロソフトの急伸だよ。
ここ大事。今回の反発は「安いから買われた」んじゃなくて「下げの理由そのものが崩された」から起きてるの。だから材料を1個ずつバラすよ。
PART 2 材料①:ハイパースケーラー決算──「過剰投資懸念」が後退した
──ただし株価反応は「2勝3敗」
このパートの要点:マイクロソフトとアマゾンが「投資を利益に変換できてる」証拠を出した。でもGAFAM5社は全員2桁増収なのに株価は2勝3敗。市場は投資額じゃなく「利益とキャッシュに変わってるか」を選別してる。
7月に相場を叩き潰してた最大の材料って、「AIへの巨額投資、ほんとに回収できるの?」っていう疑いだったよね。その疑いに対して、決算が部分的に答えを出したの。
マイクロソフト(2026年4〜6月期)
・売上高:900億ドル(前年同期比18%増)
・営業利益:406億ドル(同18%増)
・純利益:357億6,600万ドル(同31%増)
・Microsoft Cloud:593億ドル(同27%増)、Azureなどは43%増
・株価:決算後の時間外で8.2%上昇、翌日の通常取引でも大幅高でダウを600ドル超押し上げ
市場が評価したのって、増収率そのものより「投資を利益に変換できている」という証拠なんだよね。営業利益もちゃんと伸びてる、っていうのが過剰投資懸念への直接的な反論になった。
ただし注意点もあって、純利益には投資評価益とかの一時的な要因も含まれてるの。本業の比較は営業利益で見るのが正解だよ。
アマゾンも売上高2,006億ドル(20%増)、営業利益275億ドル(43%増)で、時間外で株価は約9%上昇した。
⚠️ でも「全員勝者」じゃなかった
GAFAM5社の4〜6月期は全員2桁増収。アルファベット24%増収、メタ28%増収、アップル16%増収。それなのにこの3社の株価は決算後に下落したの。5社の株価反応は2勝3敗だった。
特にアルファベットは、2026年の設備投資見通しを1,900億ドルへ引き上げたことがフリーキャッシュフローの圧迫要因として警戒された。つまり市場は「投資額の大きさ」じゃなく「投資が利益とキャッシュに変わってるか」を選別して見てるってこと。
これ、第1弾で書いた「財務律速」の論点そのままなの。AI投資は終わってないけど、無条件に称賛される時期は終わった。ここが今回の一番大きな変化だと思う。
PART 3 材料②:FOMC据え置き──重力が一段強まらなかった
──ただし「回避」じゃなく「先送り」
このパートの要点:市場は事前に3割程度の確率で利上げを織り込んでいた。だから据え置きは警戒シナリオの回避でもあった。ただし3人が利上げを主張して反対票。9月の利上げ確率は6割程度。
7月28〜29日のFOMCは、フェデラルファンド金利の誘導目標を3.50〜3.75%に据え置き。据え置きは5会合連続だよ。
ここで見落としちゃいけないのが、市場は事前に3割程度の確率で「利上げ」を織り込んでいたってこと。つまり据え置きは「予想通り」であると同時に、警戒シナリオの回避でもあったの。高PER銘柄にとって金利は重力だから、重力が一段重くならなかっただけでも買い戻しの理由になる。
ただし中身はタカ派寄り。12人の委員のうち、クリーブランド連銀のハマック総裁、ダラス連銀のローガン総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の3人が0.25%の利上げを主張して反対票を投じてる。ウォーシュ議長は「インフレ率を2%目標へ戻す取り組みを緩めることはない」と物価安定への決意を強調して、フォワードガイダンスは提示しなかった。次回9月会合での利上げ確率は6割程度とみられてる。
今回のFOMCは「利上げ回避」じゃなくて「利上げの先送り」。今回の反発の燃料にはなったけど、9月に向けて同じ材料がもう一度、逆向きに効く可能性があるの。「金利の心配はなくなった」と読むのは早すぎるよ。
日本側も見ておこ。7月31日の日銀金融政策決定会合は、政策金利を1.0%で据え置き。6月会合ですでに利上げ済みだから、その影響を見極める姿勢だね。同時に2026年度の成長率見通しをAI需要などを見込んで0.6%へ引き上げ、植田総裁は物価上昇率が2%目標を超えて上振れするリスクに言及してる。
で、地味に効いてくるのが為替。1ドル159円台まで円高が進んで、一時157円90銭台への急落局面では通貨当局の介入観測も広がった。円高は輸出関連にとって逆風だから、この反発局面での隠れた重石になるよ。ここ、みんな決算に気を取られて見落としがちなポイント。
PART 4 材料③:キオクシア決算──「超絶」だけど、単純な満点じゃない
──実は第1四半期は「未達」です
このパートの要点:Q1純利益は46倍だが、会社計画もコンセンサスも下回る「未達」。一方で上期ガイダンスは強烈、自社株買い+株式分割も発表。三層構造として読む必要がある。
そして7月31日15時30分、キオクシアの2027年3月期第1四半期決算が出た。数字は確かに桁違いだったよ。
第1四半期(2026年4〜6月)の実績
・売上収益:1兆7,671億円(前年同期比 約5.2倍)
・純利益:8,421億円(前年同期比 46倍)
・売上営業利益率:前年同期の13.1%から71.9%へ急上昇
初開示された上期ガイダンス
・7〜9月期の純利益:1兆2,700億円(前年同期の約31倍)
・上期累計の純利益:2兆1,121億円(前年同期比36倍増)で2期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通し
・あわせて自社株買いの取得枠設定と株式分割も発表(通期予想は非開示のまま)
会見では河村芳彦副社長が「全ての項目で記録的な増収増益」と述べて、今後についても「エージェンティックAIの普及拡大を背景に、NAND需要はさらに力強くなる。これはまだ立ち上がりだ」と語ってる。需給の観点だと、自社株買い+株式分割はかなり強い援護射撃だよね。
第1四半期の純利益8,421億円って、5月に会社が公表してた計画8,690億円を下回ってるの。しかも事前の市場予想平均(QUICKコンセンサス9,687億円)も下回ってる。
「46倍」ってインパクトが強烈すぎて霞むんだけど、足元の四半期単体は「未達」なんだよね。ここを見ないで「超絶決算だから買い」って判断すると、読み違える可能性がある。
つまりこの決算は「実績はコンセンサス未達/先行きガイダンスは強烈/株主還元は積極的」の三層構造になってるの。株価がどう反応するかは、市場がどの層を重く見るかで決まる。
📅 日程上の注意点:まだ答えは出ていない
決算発表は15時30分、つまり東証の大引けと同時だったの。7月31日のキオクシアは前日終値39,500円に対し、値幅制限上限の46,500円(+17.72%)で買い気配のまま推移して、午前中は売買が成立しなかった。
つまり決算を織り込んだ東証での最初の取引は8月3日(月)。この記事の時点では、市場の答えはまだ出てないんだよね。
ちなみにストップ高水準の46,500円でも、6月22日の高値11万2,700円は58.7%下回る位置。まだそういう高度にいるってことは覚えておこ。
📊 「この決算を織り込むと、いくらが妥当なの?」を自分の手で数字にしたいなら、EPS×PER目標株価計算機(無料)を使ってみて。上期ガイダンスから予想EPSを置いて、弱気・基本・強気の3シナリオを並べるのが今日のおすすめの使い方だよ。
PART 5 「短期反発はきそう」と言える根拠と、その条件
──続く条件と、崩れる条件を分けて持つ
このパートの要点:下げの理由が3つとも弱まった/投げ切った後は上に軽い/自社株買いと株式分割。この3つが反発の根拠。ただし続く条件と崩れる条件はセットで持っておく。
下げの理由が3つとも弱まった
7月の暴落は「AI投資の回収懸念」「金利」「メモリ供給過剰懸念」で説明されてた。1つ目はマイクロソフトとアマゾンの決算で反論され、2つ目はFOMC据え置きで一段の悪化を免れ、3つ目もキオクシアの上期ガイダンスが需要側の強さを示した。3つとも同時に弱まったのは大きいよ。
需給が軽くなっている
第1弾で書いた「売りが売を呼ぶ地獄」って、裏を返せば投げ切った後は上に軽いってことでもあるの。1カ月で6割下げてストップ安を2回挟んだってことは、耐えられない建玉の多くがもう市場から退出したってこと。7/31にストップ高が33銘柄出た背景には、その反動がある。
自社株買いと株式分割
これは需給に直接効く材料で、しかも会社側が「今の株価水準は割安」と考えてることのシグナルでもある。数字じゃなく会社の姿勢が読める材料だよ。
| 反発が「続く」条件 | 反発が「崩れる」条件 |
|---|---|
| 8/3以降のキオクシア株価が上期ガイダンスを素直に評価する | 市場が第1四半期のコンセンサス未達を重く見る |
| 米国のメモリ関連株の上昇が続く | 9月FOMCに向けた利上げ観測が再燃する |
| 円高が一方向に進まない | 円高が加速し輸出関連の業績見通しを直撃する |
忘れちゃいけないこと
1日で4%動く相場は、上にも下にも4%動くってこと。
今の値動きの荒さ自体は、まだ相場が落ち着いてない証拠だよ。
PART 6 今週の教訓と、次に見るもの
──答え合わせができる場所まで待った人だけが、根拠を持って動ける
3営業日前、多くの人が「もう終わりだ」と思ってた。そして今日、多くの人が「乗り遅れた」と思ってる。この振れ幅こそが暴落相場の本質なんだよね。
第1弾で「決算をまたぐ前倒しの追撃は、判断じゃなくて賭けになる」って書いたんだけど、実際に決算が出た今、その判断材料は揃いつつある。答え合わせができる場所まで待った人だけが、根拠を持って動けるの。
📅 次に見るべき日程
キオクシアの東証での決算後初取引。市場が「未達」と「強気ガイダンス」のどちらを重く見るかが判明する
JX金属の決算発表。素材側から見たAI需要の実像が確認できる
FOMC。利上げ確率は6割程度。金利という重力が再び強まるかどうか
メモリ契約価格の次回見通し。前期比プラスが続くか、反落に転じるか
反発局面で一番危ないのは、下落局面で守れてたルールを、安心感からゆるめちゃうこと。「上がったから買う」は、「下がったから売る」と同じくらい根拠がないんだよね。
私は2024年に、下げでルールを捨てて8割を失った。今回は逆に、上げでルールを捨てる人が出ると思う。急落で描いた最悪シナリオも、急反発で描く強気シナリオも、同じ紙の上に並べて置いておく。それが荒い相場を生き延びる唯一の方法だと思ってる。
まとめ:暴落も急騰も、基準がある人にはただのイベント
1 反発は米国発。SOX約8%高が起点で、下げの理由そのものが崩されたことによる買い戻し
2 市場は投資額じゃなく「利益とキャッシュに変わってるか」を選別。GAFAMの株価反応は2勝3敗
3 キオクシアは三層構造。Q1は未達、上期ガイダンスは強烈、還元は積極的。答えは8/3に出る
4 FOMCは先送りであって回避ではない。9月に同じ材料が逆向きで効く可能性がある
暴落も急騰も、判断基準を持ってる人にとってはただのイベントでしかないの。持ってない人にとっては、両方とも損の入口になる。今回の3営業日は、その差を確認するすごく良い機会だったと思う。ここで自分のルールを1個でも文字にできた人は、次の波でちゃんと結果が変わるよ。
よくある質問
下げでルールを捨てると、退場する。
上げでルールを捨てると、次の下げで退場する。
最悪シナリオと強気シナリオは、同じ紙の上に置いておく。
株ちゃん
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注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
