ティアフォーで大爆損こいたよ、買う前にちゃんとやる5項目

投資で失敗しない方法|ティアフォー3,790円→2,134円で学んだ、買う前に書く5項目
相場解説 ティアフォー(593A)の急騰と急落を教材にした失敗回避の記事です。AI投資の総論は こちらの完全解説記事 から
🤔
自動運転のティアフォーがすごいという投稿をXで見て買ったら、1週間で4分の1が消えました。何が悪かったのか分かりません…

投資で失敗しない方法を探しているとき、多くの人は「次に上がる銘柄の当て方」を探します。けれど、ティアフォー(証券コード593A)の2026年9月の値動きを数字で並べると、勝敗を分けたのは銘柄の選び方ではなかったことが見えてきます。分かれ目は、買う前に「どこで降りるか」と「いくら分買うか」を決めていたかどうかでした。

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悪かったのは銘柄選びではなく、買う前に「やめる線」を決めていなかったことです。同じ株を同じ日に買っても、降りる線を決めていた人の損失は10分の1で済みます。

✅ この記事の結論(先に要点だけ)

  • 1ティアフォーは2026年9月4日に上場来高値3,790円を付け、9月11日の終値は2,134円。5営業日で−25.64%です(出典:松井証券マーケット情報、2026年9月11日15:30時点)
  • 2上昇の後半を作ったのは業績ではなく需給です。9月11日時点の信用買残は4,381,300株で前週比+866,300株、信用倍率は27.91倍まで膨らみました
  • 3損はどうやっても出ます。守るのは1回の損失額です。資産300万円なら1回の損失上限を6万円(2%)に固定すると、株価2,134円・やめる線1,800円のとき買えるのは100株までと計算で決まります

🎯 この記事で得られること

① 判断材料:信用買残と信用倍率という2つの数字。ティアフォーは9月11日時点で買残4,381,300株(前週比+866,300株)、信用倍率27.91倍。買残が増え続けている間は、戻り待ちの売り注文が積み上がっていると読みます。
→ 証券会社のアプリの銘柄画面で週1回、30秒で確認できます

② 判定ポイント:2026年11月ごろに発表される2026年9月期の本決算。会社予想の通期売上高85億円に対して、実際がいくらで着地したかを見ます。
→ 「期待で買われた株」が「実績で買われる株」に変わったかどうかを、この1日で答え合わせできます

③ 買う前に書く5項目:買う理由(材料名と日付)/想定期間/やめる線(価格か事実)/建玉サイズ/答え合わせの日付。第6章にそのまま書き写せる形で置きました。
→ この5行が埋まらない銘柄は買わない、という線が引けます

この記事が答えないこと:ティアフォーが今買いなのか売りなのかは書きません。目標株価も出しません。いま含み損を抱えている人に対しても「売るべき」「持ち続けるべき」とは言わず、判断に使う数字の並べ方だけを示します。

目次

第1章 ティアフォーはどんな会社か

この章で得られるもの:通期売上予想85億円/第3四半期累計の営業損失68億円/時価総額1,356億円。この3つの数字の関係が分かります。売上の8割にあたる赤字を出している会社に1,356億円の値段が付いているとき、その値段は将来への期待で作られていると判定できます。

ティアフォーは2015年に設立された、名古屋大学発のスタートアップです。2026年7月22日に東証グロース市場へ上場しました(証券コード593A)。

事業の中心は「Autoware」というソフトウェア

同社の中核は、自動運転用のオープンソースソフトウェア「Autoware(オートウェア)」です。オープンソースとは、設計図にあたるソースコードが公開されていて、誰でも無償で利用できる形のことをいいます。自動車のエンジンにあたる部分を無料で配り、その周辺の導入支援・カスタマイズ・運用で収益を得る、という構造です。

事業は3つに分かれています。自動運転バスや物流車両を実際に走らせる「モビリティサービス」、自動車メーカー向けに量産開発を支援する「デベロップメントサービス」、技術支援やライセンス提供を行う「ソリューションサービス」です。足元の売上は、自動運転バスの実証実験や定期運行に関わるものが中心になっています。

出資者の顔ぶれは強力です。トヨタ自動車が子会社を通じて出資しているほか、スズキ、いすゞ自動車といった国内の自動車メーカーが名を連ねています。2026年8月20日にはルネサスエレクトロニクス(6723)との協業を発表し、8月6日にはアステモとの自動運転技術の共同開発も報じられました。「日本の自動運転の中核」という位置付けに、異論を挟む余地は少ないと言えます。

数字を見ると、まだ赤字の会社です

ここからが大事なところです。技術と提携先が立派であることと、いまの決算が黒字であることは別の話です。

項目 金額
2026年9月期 第3四半期累計 売上高52億円
同 営業損失△68億円
同 純損失△42億円
同 販売費及び一般管理費88億円
同 補助金収入37億円
2026年9月期 通期売上高(会社予想)85億円(前期比+32.4%)

出典:Yahoo!ファイナンス掲載の決算短信要約(2026年8月14日発表分)、2026年9月11日取得

3四半期の売上が52億円に対して、販管費が88億円。研究開発費を含む費用が売上を大きく上回っています。補助金収入37億円が下支えしていますが、それでも純損失は42億円です。通期の売上予想85億円に対し、3四半期の時点ですでに営業損失が68億円出ている、という状態です。

有価証券届出書にも「黒字化に至るまでには一定の期間を要する」という趣旨の記載があり、黒字化の時期は会社から示されていません。

「レベル4」「レベル2++」という言葉を整理しておく

ティアフォーの記事を読むと必ず出てくるのが、自動運転のレベルという言い方です。ここを押さえておくと、材料が出たときに「それはいつの話か」を自分で判定できます。

レベル中身ティアフォーとの関係
レベル2運転支援。ハンドルとアクセルを補助するが、運転の責任は人間にあるすでに市販車に載っている
レベル2++市街地を含む広い範囲で手放し運転ができるが、責任は人間側のままトヨタ自動車が2028年めどの搭載を目指すと報じられた領域
レベル4決められた条件と区域の中なら、運転手が介入しないルネサスエレクトロニクスとの協業が狙う領域

ここで確認したいのは、時期です。レベル2++の市販車搭載は2028年めど、本格普及は2030年以降と報じられました。レベル4も、限定された区域での運行が中心です。つまり8月下旬に出た材料は、2028年から2030年の売上に関わる話であって、2026年9月期の売上85億円を1円も動かしません。

株価は将来を織り込むものなので、2028年の話で上がること自体はおかしくありません。ただ、2028年の話で1か月に4.35倍になると、その間に「2027年に何が起きるか」を市場は飛ばして考えていることになります。飛ばした部分は、あとから必ず確認されます。9月4日に起きたのは、その確認作業だったと言えます。

なぜこのタイミングで上場したのか

ティアフォーの上場は、東証グロース市場としてはかなり大型でした。想定時価総額は644.8億円、吸収金額は250.0億円。吸収金額とは、公募と売出しで市場から集める金額の合計です。250億円というのは、グロース市場のIPOとしては上位に入る規模になります。

調達した資金の使い道として示されたのは、研究開発費、量産・事業拡張費、組織拡張費でした。第1章で見たとおり、同社は3四半期で88億円の販管費を使っています。研究開発を続けるための資金を市場から調達する、というのが上場の目的の中心にあります。

ここから読み取れることが1つあります。赤字が続く前提で上場した会社は、将来ふたたび資金調達をする可能性があります。公募増資や新株予約権の発行は、株数が増えるため1株あたりの価値が薄まります。第6章で「事実のやめる線」として増資の発表を挙げるのは、この構造があるためです。

なお、上場初日の株価は公開価格1,085円に対して初値1,009円と、公募割れでした。7%のマイナススタートです。市場は最初、この会社の赤字に対して慎重でした。その慎重さが、1か月半で4.35倍の熱狂に変わり、1週間で−25.64%に戻る。ここまでの振れ幅が同じ銘柄の同じ夏に起きたという事実は、記録しておく価値があります。

株価指標は「利益で測れない」状態になっている

2026年9月11日15:30時点の数字を並べます(出典:松井証券マーケット情報)。

指標 数値 読み方
株価2,134円100株で213,400円
時価総額1,356億円市場が付けている会社の値段
純資産131.7億円会社が実際に持っている元手
BPS(1株あたり純資産)203.50円株価2,134円÷203.50円=PBR約10.5倍(筆者計算)
EPS(1株あたり利益)△108.29円赤字なのでPERは計算できない
自己資本比率73.5%財務は厚い。すぐ資金が尽きる状態ではない
利益剰余金△101.57億円創業以来の累積赤字

株価はふつう「EPS×PER」で説明します。1株あたりの利益に、市場がその何倍の値段を払うか、という掛け算です。ところがティアフォーのEPSはマイナス108.29円なので、この掛け算が成り立ちません。

代わりに売上で測ってみます。時価総額1,356億円 ÷ 通期売上予想85億円 = 約16倍(筆者計算)。売上の16年分の値段が付いている計算です。純資産131.7億円に対して1,356億円なので、差額の約1,224億円は「将来こうなるはずだ」という期待の部分ということになります。

これは「だから買ってはいけない」という話ではありません。赤字の成長企業を将来の期待で買うのは、投資として成立する行為です。問題は、期待で作られた値段は、期待が少し揺れるだけで大きく動くという点にあります。利益が支えていない株価には、下がったときに止まる場所がありません。次の章で、実際にどう動いたかを日付で並べます。

第2章 上場から52日間に何が起きたか

この章で得られるもの:上場来高値3,790円(9月4日)で100株買った人の評価損は165,600円、率にして−43.7%という実額が分かります。「急騰銘柄で失敗する」を、自分の口座の金額に置き換えて想像できるようになります。

2026年7月22日の上場から9月11日まで、およそ52日間の値動きを日付順に並べます。数字は各日の報道と、2026年9月11日15:30時点の松井証券マーケット情報から取りました。

日付 出来事 株価
7月22日東証グロース市場へ上場。公開価格1,085円に対し初値は1,009円で、公募割れスタート初値1,009円
終値1,015円
8月6日アステモとの自動運転技術の共同開発が報じられる
8月7日上場来安値。公開価格から約2割下の水準まで売られる871円
8月14日2026年9月期 第3四半期決算を発表(売上52億円・営業損失68億円)
8月20日ルネサスエレクトロニクスとの協業を発表。ここから資金が集まり始める
8月25日上場来高値を更新。外資系証券の新規カバレッジ開始も追い風に
8月27〜28日トヨタ自動車が2028年をめどにレベル2++の運転支援を市販車へ搭載、との報道が相次ぐ
8月28日ストップ高。前日比400円高(+25.02%)で上場来高値を更新1,999円
8月31日午前に再びストップ高。時価総額は約1,524億円に2,399円
9月3日続伸して高値引け。ボリンジャーバンド+3σを上抜け終値3,570円
9月4日寄り後に上場来高値3,790円。その後ストップ安まで売られる(7営業日ぶりの急反落、前日比700円安・−19.60%)。同日、グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金への採択も発表高値3,790円
終値2,870円
9月9日増担保規制の対象に(信用取引で必要な保証金の率が引き上げられる措置)
9月11日続落。5営業日前比−736円(−25.64%)終値2,134円

出典:日本経済新聞(2026年7月22日)、株探ニュース(2026年7月23日・8月25日・9月2日・9月4日)、coki(2026年8月31日)、松井証券マーケット情報(2026年9月11日15:30時点)。株価は終値ベース、特記のあるものは高値・安値。

買った日によって、結果はここまで違う

同じ銘柄を、同じ100株だけ買ったとします。買った日が違うと、9月11日終値2,134円の時点でどうなっているか。実額で並べます。

買った日と価格 投資額(100株) 9月11日の損益
8月7日 871円(上場来安値)87,100円+126,300円+145.0%
7月22日 1,009円(初値)100,900円+112,500円+111.5%
8月28日 1,999円(ストップ高終値)199,900円+13,500円+6.8%
9月3日 3,570円(終値)357,000円−143,600円−40.2%
9月4日 3,790円(上場来高値)379,000円−165,600円−43.7%

※手数料・税金は考慮していません。筆者計算。

注目してほしいのは、この5人は全員「同じ銘柄を、上がると思って買った」という点でまったく同じだということです。会社の分析力に差があったわけではありません。むしろ、9月3日や4日に買った人のほうが、ルネサスとの協業もトヨタの報道も知ったうえで買っています。情報量は多かったのです。

差が付いたのは、買った日だけでした。そして買った日を決めたのは、多くの場合「この銘柄が話題になっているのを見た日」です。話題が最大になるのは、値上がりが最大になった後です。ここに構造的な問題があります。

9月4日という日に起きたこと

9月4日の値動きは、この記事でいちばん見てほしい1日です。この日、株価は寄り付き後に上場来高値3,790円を付け、その後、値幅制限の下限であるストップ安まで売られました。終値は2,870円。前日比700円安、率にして−19.60%です。

高値3,790円と終値2,870円の差は920円。1日のうちに、高値で買った人には24.3%の評価損が生まれた計算になります(筆者計算)。しかもストップ安は「それ以上の値段では約定しない」状態なので、売りたくても売れなかった人が出ます。翌営業日以降も株価は戻らず、9月11日終値は2,134円まで下がりました。

この日、悪材料は出ていません。むしろ同じ日に、経済産業省系の補助金(グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金・大型実証)への採択が発表されています。好材料が出た日に、株価は制限値幅いっぱいまで売られたわけです。

株探ニュースはこの日の下げを「急ピッチな上昇を受けた利益確定売り」と伝えています。つまり、会社に何かが起きたのではなく、それまでに買った人が売ったから下がったということです。この違いを見分けられるかどうかが、次の章のテーマになります。

ストップ高とストップ安は「売買できなくなる」仕組み

ここで用語を確認します。日本株には1日に動ける値幅の上限と下限が決められていて、上限まで買われた状態をストップ高、下限まで売られた状態をストップ安と呼びます。

ティアフォーの2026年9月11日時点の値幅制限は、1,750円から2,750円でした(前日終値2,250円に対して上下500円)。この外側では約定しません。

ここが実務上いちばん怖いところです。ストップ安になると、売り注文が買い注文を大きく上回るため、売りたくても売れない状態が生まれます。逆指値注文を入れていても、約定するのは買い手がいる価格だけなので、想定どおりの値段で逃げられるとは限りません。

9月4日のティアフォーは、高値3,790円から終値2,870円まで、1日で24.3%下げました(筆者計算)。前日3,570円で買っていた人は、この1日だけで100株あたり70,000円を失っています。翌営業日以降も株価は戻らず、9月11日終値は2,134円です。

この事実から導けることは1つです。やめる線は「下がってから決める」のでは間に合いません。下がり始めた日は、判断する時間も、売る相手も足りなくなります。だから買う前に決めて、注文として入れておく。第6章でやることは、要するにこれだけです。

第3章 なぜ上がり、なぜ落ちたのか。材料と需給を分ける

この章で得られるもの:信用買残4,381,300株(前週比+866,300株)と信用倍率27.91倍という2つの数字の読み方が分かります。買残は発行済株式数63,524千株の6.9%にあたり、これは「いつか必ず売られる株」が全体の7%分たまっているという意味です。証券会社アプリの銘柄画面に毎週載ります。

株価が動く理由は、大きく2つに分けられます。会社側の理由(材料)と、買っている人の側の理由(需給)です。この2つを混ぜて考えると、上がっているときに「会社がすごいから上がっている」と誤読し、下がったときに「会社に悪いことが起きた」と誤読します。

材料の側で起きたこと

8月20日から9月4日にかけて、ティアフォーには実際に材料が集まりました。

  • 18月20日:ルネサスエレクトロニクスとの協業発表。車載半導体大手のSoC(R-Car系)とAutowareを組み合わせ、レベル4の自動運転に対応したソリューションを提供する構想です
  • 28月25日前後:外資系証券が新規カバレッジを開始。アナリストが継続的にレポートを出す対象になったという意味で、機関投資家の資金が入りやすくなります
  • 38月27〜28日:トヨタ自動車のレベル2++報道。2028年をめどに市販車へ搭載、2030年以降に本格普及を目指すという内容で、自動運転そのものが国策級のテーマとして再評価されました
  • 49月4日:補助金の採択発表。グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(大型実証・非ASEAN加盟国)への採択です

どれも本物の材料です。捏造でも思惑だけでもありません。ただし、ここで確認したいことが1つあります。これらの材料は、2026年9月期の売上85億円という会社予想を動かしていません。通期予想は据え置かれたままです。

レベル4対応チップも、トヨタの2028年搭載も、効いてくるのは2028年から2030年です。つまり材料が変えたのは「数年後の期待」であって、「今期の数字」ではありませんでした。それでも株価は8月7日の871円から9月4日の3,790円まで、4.35倍になりました(筆者計算)。

需給の側で起きたこと

では4.35倍を作ったのは何か。ここで需給の数字を見ます。2026年9月11日時点の信用取引残高です(出典:松井証券マーケット情報)。

項目 株数 前週比
信用買残4,381,300株+866,300株
信用売残157,000株−158,600株
信用倍率27.91倍

信用買残とは、借りたお金で株を買っている人の残高です。信用取引には返済期限があるため、信用買残は「いつか必ず売られる株」の予約リストにあたります。これが4,381,300株。発行済株式数63,524千株で割ると6.9%です(筆者計算)。

しかも前週比で+866,300株、つまり1週間で約25%増えています。株価が9月3日から4日にかけて天井を付けた、まさにその週に増えているわけです。高い値段で信用買いした人が、その週だけで86万株分積み上がったということになります。

信用倍率27.91倍は、買いが売りの約28倍という意味です。株価が上がれば、この買い方は利益確定のために売ります。株価が下がれば、損失が膨らむ前に売るか、追加の保証金を求められて売らされます。上がっても売り、下がっても売り。どちらに転んでも売り注文になるのが信用買残です。

そこに9月9日からの増担保規制が乗りました。増担保規制とは、過熱した銘柄の信用取引に必要な保証金の率を引き上げる措置のことです。新しく信用で買うためのハードルが上がるので、新規の買い手は減ります。買い手が減った状態で、返済期限のある4,381,300株が上に乗っている。これが9月11日までの下げの背景です。

直近IPO銘柄が、なぜここまで激しく動くのか

ティアフォーの値動きが荒かった理由には、上場から日が浅い銘柄に特有の事情もあります。3つ挙げます。

1つ目は、しこりがないことです。しこりとは、過去に高い値段で買って含み損を抱えたままの人のことです。長く上場している銘柄では、上がるたびにこの人たちの売りが出て、上値が重くなります。上場したばかりの銘柄にはこれがないため、買いが入ると素直に上がります。株探ニュースも上場2日目の記事で、需給面でしこりのない直近IPO銘柄である点に触れていました。

2つ目は、市場に出回っている株数が限られていることです。ティアフォーの発行済株式数は63,524千株ですが、主要株主には解除条件のないロックアップ(一定期間、株を売らない約束)がかかっていました。売る人が限られている状態で買いが集まると、少ない資金でも株価は大きく動きます。8月28日と8月31日に連続でストップ高になったのは、この構造と無関係ではありません。

3つ目は、比較対象がないことです。上場して1年経てば、前年同期比で決算を比べられます。上場して1か月半では、株価が高いのか安いのかを判定する材料が乏しい。赤字でPERが計算できないという第1章の話と重なると、値段の根拠は「期待の大きさ」だけになります。

この3つが重なると、上がるときは一気に上がり、下がるときも止まる場所がありません。直近IPO銘柄を買うときは、同じ買値でも建玉サイズを小さくしておく。これが実務的な対応になります。第5章の式で、やめる線を遠くに置けば株数が自動的に減る仕組みは、この場面のためにあります。

材料と需給の見分け方は「決算が変わったか」

実務で使える見分け方はシンプルです。株価が急に動いたとき、次の1つだけを確認します。

会社の業績予想(今期の売上・利益の数字)が変わったか?
変わった → 材料で動いた。株価の水準そのものが変わった可能性がある
変わっていない → 需給で動いた。売買の都合で動いただけで、いずれ元の水準を意識しにいく

ティアフォーの場合、8月14日発表の通期売上予想85億円は据え置かれたままでした。8月20日以降の急騰中も、業績予想の修正は出ていません。したがって、871円から3,790円への4.35倍は、需給が作った部分が大きいと判定できます。

この判定は「上がっている最中」にできます。株価が2,399円だった8月31日の時点でも、通期予想は85億円のままだと確認できたはずです。決算短信は誰でも無料で読めます。この確認に必要な時間は5分もありません。

第4章 「Xで見て、何も考えずに買う」が致命傷になる構造

この章で得られるもの:「投稿を見てから注文ボタンを押すまでの時間」という線が1本引けます。決算短信のPL・信用残・やめる線の3つを確認すると、どんなに手が速くても10分はかかります。10分以内に発注できたなら、その3つをやっていない証拠です。

SNSで銘柄を知ること自体は、悪いことではありません。私も新しい銘柄の名前を最初に知るのはXであることが多いです。問題は、知ってから買うまでの間に何もしないことです。ここでは、なぜ「何も考えずに買う」が高い確率で負けにつながるのかを、構造で説明します。

理由1:投稿が増えるのは、上がりきった後だから

ティアフォーの日付を思い出してください。8月7日、株価は871円の上場来安値でした。この日にXでティアフォーの話をしている人が、どれくらいいたでしょうか。公募割れしたIPO銘柄が安値を更新している日です。話題にはなりません。

投稿が急増するのは、8月28日にストップ高で1,999円を付けたあたりからです。「ストップ高」「上場来高値更新」というのは、それ自体がニュースとして拡散しやすい言葉です。そして9月3日に3,570円、9月4日に3,790円と上がるにつれて、投稿の量と熱量は最大になります。

つまり、SNSでの露出量は株価の上昇率に遅れて最大化します。あなたのタイムラインにその銘柄が大量に流れてきた時点で、871円で買った人はすでに4倍の含み益を持っています。そして、含み益を持っている人は、いつか必ず売ります。

タイムラインで見つけた銘柄を買うという行為は、構造的に「先に買った人の出口に、自分の買い注文を差し出す」形になりやすい。これは誰かが悪意を持っているという話ではなく、情報が広まる速さと株価が上がる速さの順番の問題です。

理由2:投稿には「その人の建玉」が書いていないから

同じ「ティアフォーは自動運転の中核だ」という文章でも、書いた人の状況によって意味はまったく違います。

投稿者の状況 その投稿の意味
871円で買って含み益4倍利益確定の相手を探している可能性がある
3,500円で買ったばかり自分の判断を肯定してくれる人を探している
持っていない(見ているだけ)損をしないので発言が強くなりやすい
デイトレードで当日中に手じまう保有期間が数時間。あなたの数か月とは前提が違う

文章はどれも同じに見えます。けれど、4つ目の人にとっての「買い」は、あなたにとっての「買い」とは別物です。同じ2,134円で買っても、15時に必ず売る人と、11月の決算まで持つ人では、必要な準備がまったく違います。

投稿にはこの前提が書かれていません。書く義務もありません。だから、投稿から読み取れるのは「この銘柄の名前」だけだと割り切るのが安全です。名前は情報として価値があります。そこから先は自分で調べるものだ、と最初から決めておきます。

理由3:急いで買った注文には、やめる線が付いていないから

これがいちばん実害の大きい理由です。

タイムラインを見て「乗り遅れる」と感じたとき、人は成行注文を出します。成行とは、値段を指定せずにその時点の相場で約定させる注文です。速いかわりに、いくらで買ったかを後から知ることになります。

そして急いで出した注文には、ほぼ確実に「やめる線」が付いていません。9月4日に3,790円で成行で買った人が、もし同時に「3,411円(−10%)を割ったら売る」という逆指値注文を入れていたら、損失は100株で37,900円で止まりました。入れていなかった場合、9月11日終値2,134円で評価損は165,600円です。差は127,700円。約4.4倍です(筆者計算)。

銘柄の当て方は何ひとつ変わっていません。逆指値注文を1本入れたかどうかだけで、この差が付きます。

理由4:下がったとき、タイムラインは静かになる

上がっているときに賑わったタイムラインは、下がると静かになります。これは意地悪ではなく、単純に投稿しづらくなるからです。含み損の話は伸びません。

結果として何が起きるか。買うときは大量の後押しがあるのに、売るときは判断材料がゼロになるという非対称が生まれます。9月4日にストップ安を付けた後、「ここで降りるべきかどうか」を教えてくれる投稿は、上昇中の投稿量に比べればはるかに少なかったはずです。

降りるタイミングこそ難しいのに、そこだけ情報が消える。この非対称を埋める方法は1つしかありません。買う前に、自分で降りる条件を決めておくことです。誰も教えてくれない場面で判断しなくて済むように、判断を前倒しして済ませておく、ということです。

私はこれを「判断の前払い」と呼んでいます。冷静なときに1回だけ考えて、混乱しているときは書いたものを実行するだけにする。ティアフォーのように1日で24.3%動く銘柄では、当日に考えて決めるのは現実的ではありません。

だから「10分」という線を引く

私が使っている線はこれです。SNSで銘柄を見てから注文を出すまでに、最低でも次の3つを済ませる。

  • 1決算短信の1ページ目を開く(約3分)。売上・営業利益・通期予想の3行を見る。ティアフォーなら「売上52億円・営業損失68億円・通期予想85億円」がここで分かります
  • 2信用残と信用倍率を見る(約1分)。証券会社アプリの銘柄画面に載っています。買残が前週比で増え続けているかを見ます
  • 3やめる線と株数を決めて書く(約6分)。第6章の5項目をメモアプリに書き出します。ここがいちばん時間がかかります

この3つをやると、どれだけ慣れていても10分はかかります。逆に言えば、投稿を見てから10分未満で注文ボタンを押せてしまったなら、この3つのどれかを飛ばした証拠です。そのときは買わない。これが線です。

「10分待っている間に上がってしまう」という反論はあります。実際そうなることもあります。ただ、10分で逃げてしまう上昇は、10分で戻ってくる下落と同じ性質のものです。10分待って買えなくなる銘柄は、そもそも自分の手に負える速さではなかった、と考えるようにしています。

第5章 損はする。「トータルで勝てばいい」の正しい意味

この章で得られるもの:期待値=(勝率×平均利益)−(負率×平均損失)という式が使えるようになります。勝率40%でも平均利益20%・平均損失10%なら1回あたり+2.0%、勝率60%でも平均利益5%・平均損失20%なら1回あたり−5.0%。勝率ではなく、この式の答えがプラスかどうかで判定します。

「投資で失敗しない方法」という言葉を、多くの人は「1回も損をしない方法」と受け取ります。それは存在しません。私も損をします。プロも損をします。

では「トータルで勝てばいい」とは何を指しているのか。ここを曖昧にしたまま使うと、ただの言い訳になります。塩漬けの含み損を抱えたまま「トータルで見ればいいから」と言うのは、この言葉の使い方として誤りです。

トータルで勝つとは、期待値がプラスだということ

売買1回あたりの期待値は、次の式で表せます。

期待値 =(勝率 × 平均利益率)−(負率 × 平均損失率)

数字を入れてみます。

タイプ 勝率 平均利益 平均損失 1回あたり期待値
A:損切りが早い人40%+20%−10%+2.0%
B:利益確定が早い人60%+5%−20%−5.0%
C:塩漬けする人70%+8%−40%−6.4%

※筆者が式に数値を入れて計算した例です。実在の投資家の成績ではありません。

Aは10回のうち6回外しています。それでも1回あたりの期待値は+2.0%です。Cは10回のうち7回当てていますが、1回あたり−6.4%です。

この3人の差は、銘柄を当てる力ではありません。負けたときにいくらで止めるかだけです。平均損失が−10%か−40%か。それだけで符号が逆転します。

「トータルで勝てばいい」の正しい意味は、ここにあります。1回ごとの勝ち負けは気にしなくていい。ただし、平均損失を小さく保つ約束を守っている場合に限る、という条件付きです。この条件を外すと、ただの現実逃避になります。

下落率と、取り返すのに必要な上昇率は同じではない

損失を小さく保つことがなぜ決定的なのか。この表を見ると納得できます。

下落率 元に戻すのに必要な上昇率
−10%+11.1%
−20%+25.0%
−30%+42.9%
−43.7%(3,790円→2,134円)+77.6%
−50%+100.0%
−70%+233.3%

※筆者計算。1÷(1−下落率)−1 で求めています。

−10%なら+11.1%で戻ります。ほぼ同じです。ところが−43.7%まで行くと、戻すのに+77.6%が必要になります。2,134円から3,790円まで戻る、ということです。

−10%で止めた人は、次の1回で取り返せる範囲にいます。−43.7%まで持った人は、「次の1回」ではなく「次の相場全体」を待つことになります。この差が、資金を回せるか回せないかを決めます。

損切りできないのは性格ではなく、決め方の問題

「損切りが大事なのは分かっているのにできない」という声をよく聞きます。これを意志の弱さの話にすると、永久に解決しません。原因は決め方のほうにあります。

人間は、同じ金額でも利益より損失を大きく感じます。10万円もうけた喜びより、10万円失った痛みのほうが強い。だから含み損を確定させる行為は、実行するたびに強い抵抗が発生します。この性質は訓練で消えません。

消えないなら、抵抗が発生する前に手続きを終わらせておくしかありません。具体的にはこうします。

  • 1買い注文と同時に、逆指値の売り注文を出す。後で入れようと思った注文は、だいたい入りません
  • 2やめる線に当たった注文は、キャンセルも変更もしない。1回でも例外を作ると、次から線は機能しません
  • 31回の損失額を、痛くない金額まで下げておく。資産の2%なら、300万円で6万円。この程度なら実行できます

3つ目が効きます。損失額が大きいから実行できないのであって、実行できる金額まで先に下げておけば、抵抗そのものが小さくなります。資産の20%を1銘柄に入れた人は損切りできません。7%しか入れていない人は、わりと淡々と実行できます。

つまり、損切りを実行できるかどうかは、損切りの場面ではなく、買う場面で決まっています。次にその計算をします。

1回の損失を、資産の2%に固定する計算

では実際に、何株買えばいいのか。ここは感覚ではなく計算で出せます。使う式は1つです。

買える株数 = (資産 × 2%)÷(買値 − やめる線)

資産300万円の人が、ティアフォーを9月11日終値の2,134円で買うとします。やめる線を1,800円に置いた場合。

  • 11回の損失上限=300万円×2%=60,000円
  • 21株あたりの想定損失=2,134円−1,800円=334円
  • 360,000円÷334円=179株 → 単元は100株なので買えるのは100株まで

投資額は213,400円。資産300万円の7.1%です。やめる線に当たっても損失は33,400円で、資産の1.1%に収まります(筆者計算)。

同じ人が9月4日の高値3,790円で買う場合はどうなるか。やめる線を−10%の3,411円に置くと、1株あたりの想定損失は379円。60,000円÷379円=158株なので、やはり100株までです。損失は37,900円、資産の1.3%です。

この計算の効果は、やめる線を遠くに置くほど買える株数が減るという点にあります。値動きの荒い銘柄はやめる線を遠くに置かざるを得ないので、自動的に買える量が減る。リスクの大きさに応じて、量が勝手に調整されます。

逆に、この計算をせずに「30万円くらいなら」と金額で決めると、値動きの荒い銘柄ほど大きく負けます。ティアフォーのように1日で24.3%動く銘柄では、30万円分の建玉が1日で7万円以上減ります。

第6章 あるべき姿は「買う前に5行書く」だけ

この章で得られるもの:買う前にメモアプリへ書き写す5行(買う理由・想定期間・やめる線・建玉サイズ・答え合わせの日付)が手に入ります。ティアフォーを例に記入済みの見本も載せました。5行が埋まらない銘柄は買わない、という運用ができます。

ここまでの話を、実際の作業に落とします。やることは1つだけです。注文を出す前に、スマホのメモアプリに5行書く。それだけです。

書く5項目

項目 書き方のルール ティアフォーで書くとしたら
① 買う理由材料名と発表日をセットで書く。「上がりそうだから」は理由ではない8月20日のルネサスエレクトロニクスとの協業で、レベル4対応の量産に道筋が付いたため
② 想定期間「いつまで持つか」を具体的な月で書く2026年11月の本決算まで(約2か月)
③ やめる線価格か、事実か、どちらかで書く。両方書いてもよい価格:1,800円を終値で割ったら売る/事実:通期売上予想85億円が下方修正されたら売る
④ 建玉サイズ第5章の式で計算した株数。金額ではなく株数で書く100株(資産300万円・損失上限6万円・1株あたり334円で計算)
⑤ 答え合わせの日カレンダーに登録できる日付。決算発表日が基本2026年11月(2026年9月期 本決算の発表日。確定したらカレンダーに入れる)

なぜ「書く」必要があるのか

頭の中で考えるだけでは足りません。理由は3つあります。

1つ目。書けない項目が、そのまま準備不足の場所を教えてくれるからです。①の買う理由に「Xで見た」以外が1行も書けないなら、その銘柄について自分は何も知らないと確認できます。③のやめる線が書けないなら、どうなったら間違いだったと分かるのかを決めていないということです。

2つ目。買った後に理由が書き換わるのを防ぐためです。人は含み損を抱えると、買った理由を都合よく作り替えます。「短期で取るつもりだったけど、長期で持つことにした」というやつです。買う前の②に「2026年11月の本決算まで」と書いてあれば、後から長期に変えたことが自分で分かります。

3つ目。次の売買の材料になるからです。5行を残しておくと、あとで「やめる線を守った回」と「守らなかった回」の損益を比べられます。第5章の期待値の式に入れる平均損失の実測値が、自分の記録から出せるようになります。

やめる線は「価格」と「事実」の2本立てにする

やめる線を価格だけで決めると、一時的な下げで振り落とされます。事実だけで決めると、株価が半分になるまで持ってしまいます。両方を書いて、どちらかに触れたら降りる形が扱いやすいです。

ティアフォーで「事実のやめる線」を書くなら、候補はこのあたりです。

  • A2026年11月の本決算で、通期売上高が会社予想の85億円に届かなかったとき
  • B買う理由に書いた協業や提携が、解消・縮小されたと発表されたとき
  • C増資(公募増資・新株予約権の発行)が発表されたとき。赤字が続く会社では資金調達が株数の増加につながります

大事なのは、この3つを買う前に書いておくことです。買った後に「これは想定内だ」と判定するのは、ほぼ確実に甘くなります。

第7章 いま含み損を抱えている人が、今日並べる3つの数字

この章で得られるもの:①買った理由がまだ生きているか ②いまの評価損は資産の何%か ③信用買残は増えているか減っているか、の3つを紙に書き出す手順が分かります。売るべきか持つべきかは書きません。判断は読者自身のものだからです。

ここは慎重に書きます。私はあなたの資産額も、保有期間も、生活の事情も知りません。ですので「売るべき」「持ち続けるべき」とは書きません。書けるのは、判断する前に机の上に並べる数字だけです。

数字1:買った理由は、まだ生きているか

買ったときの理由を1行で書き出します。思い出せないなら、そこがいちばんの発見です。

理由が「8月20日のルネサスエレクトロニクスとの協業」なら、その協業は9月12日時点で解消されていません。理由は生きています。理由が「ストップ高になっていたから」なら、9月4日以降その状態は終わっています。理由は消えています。

理由が生きているか消えているかで、次にやるべきことが変わります。ただし、どちらの場合に何をするかは、この記事では決めません。保有期間の想定も資産に占める割合も人によって違うためです。

数字2:いまの評価損は、資産の何%か

金額ではなく、率で出します。「16万円の含み損」では判断できませんが、「資産の5.5%」なら判断できます。

例えば資産300万円の人が9月4日高値3,790円で100株買っていた場合、9月11日終値2,134円での評価損は165,600円。資産に対して5.5%です(筆者計算)。第5章で決めた1回の損失上限が2%なら、すでに上限の2.75倍まで来ていることになります。

この率を出す意味は、次の売買に回せる金額が分かるところにあります。含み損を放置している間、その資金は動かせません。いくらの資金が止まっているのかを、率で把握しておきます。

数字3:信用買残は増えているか、減っているか

第3章で見た数字です。2026年9月11日時点で信用買残4,381,300株、前週比+866,300株、信用倍率27.91倍。

この数字は毎週更新されます。買残が減り始めていれば、高値で信用買いした人の返済が進んだということです。増え続けていれば、戻り待ちの売り注文がさらに積み上がっているということになります。

これも判定の材料であって、答えではありません。買残が減ったから上がるとは限りませんし、増えているから必ず下がるとも限りません。方向だけを毎週確認して、自分の仮説が生きているかを見るための数字です。

⚠️ 注意ポイント:ナンピン買い(下がった株を買い増して平均取得単価を下げる手法)については、この記事では是非を判定しません。有効な場面と、損失を倍にするだけの場面の両方があり、どちらになるかは①で確認した「買った理由が生きているか」と、④の建玉サイズに余裕があるかで変わるためです。少なくとも、上の3つの数字を紙に並べる前に買い増すのは避けたほうが安全です。

第8章 この5項目をAIに手伝わせる

この章で得られるもの:第6章の5項目をAIに埋めさせるプロンプトが手に入ります。10分かかっていた作業が3分になり、やめる線の書き忘れをAIが指摘してくれます。

第6章の5行を毎回書くのは、正直めんどうです。だからこそ、ここはAIに手伝わせます。数値はこちらから渡し、AIには整理と抜けの指摘をさせる。これが役割分担です。

買う前チェックシート作成プロンプト

📋 コピペOK:買う前チェックシート作成プロンプト
あなたはリスク管理に厳しい投資アドバイザーです。
これから買おうとしている銘柄について、買う前のチェックシートを作ってください。

【私が渡すデータ】
・銘柄名/証券コード:
・現在の株価:
・買おうと思った理由(見た情報源と、その日付):
・直近の決算の数字(売上・営業利益・通期予想):
・信用買残/信用売残/信用倍率:
・私の投資可能資産:
・1回の損失上限(資産の何%にするか):

【出力してほしい内容】
1. 次の5項目の表。空欄があれば「未記入」と明示すること
   ① 買う理由(材料名+発表日)
   ② 想定期間(具体的な月)
   ③ やめる線(価格の線と、事実の線の2本)
   ④ 建玉サイズ(株数。計算式も示すこと)
   ⑤ 答え合わせの日(決算発表など具体的な時期)
2. ④の株数は次の式で計算し、計算過程を必ず示すこと
   買える株数 =(資産 × 損失上限%)÷(買値 − やめる線)
   単元株100株に切り下げること
3. 私が渡した「買おうと思った理由」が、材料なのか需給なのかを判定し、
   その根拠を1行で示すこと
4. 渡した数字だけでは判断できない項目を、最後に箇条書きで列挙すること

渡したデータのみを使用し、最新株価や業績の推測はしないこと。
売買の推奨ではなく、判断材料の整理として出力すること。

⚠️ 注意ポイント:AIは最新の株価・信用残・決算の数字を正確には持っていません。「いまのティアフォーの信用倍率は?」と聞くのは危険です。数値は必ず証券会社アプリや決算短信から自分で転記して渡してください。AIに任せるのは、渡した数字を5項目に整理する作業と、抜けの指摘までです。出力された内容にも誤りが混じる可能性があるため、最終判断は一次情報で裏を取ってから行ってください。

AIの使い方をもう一段深めるなら

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よくある質問

Q. 増担保規制になった銘柄は、買ってはいけないのですか?

A. 禁止ではありません。増担保規制は、信用取引で必要な保証金の率を引き上げる措置で、過熱した銘柄が対象になります。新しく信用で買うハードルが上がるため、買い手が減りやすくなるのは事実です。ティアフォーは2026年9月9日から対象になりました。判断に使うなら「規制に入った=短期の資金が入りにくくなった」という条件変化として扱い、第6章の③やめる線を見直す材料にするのが実務的です。

Q. 損切りラインは何%にするのが正解ですか?

A. 率に唯一の正解はありません。決めるべきは率ではなく金額のほうです。第5章の式(買える株数=資産×2%÷(買値−やめる線))を使うと、やめる線を何%に置いても、1回の損失額は資産の2%に固定されます。値動きの荒い銘柄はやめる線を遠くに置く必要がありますが、その分だけ買える株数が自動的に減る仕組みです。

Q. SNSの投資情報は見ないほうがいいですか?

A. 見てかまいません。新しい銘柄の名前を知る場として優秀です。区別すべきは「知る」と「買う」です。投稿から受け取るのは銘柄名までにして、決算短信のPL・信用残・やめる線の3つは必ず自分で確認する。この3つに10分かかるので、投稿を見てから10分未満で発注しない、という線を引くと運用しやすくなります。

まとめ

ティアフォーの2026年7月22日から9月11日までを振り返ると、871円から3,790円まで4.35倍になり、そこから2,134円まで−43.7%下げました。この間、会社の通期売上予想85億円は一度も変わっていません。動いたのは期待と需給です。

投資で失敗しない方法として、この記事で渡せるものは3つです。

  • 1SNSで見てから10分未満で発注しない。決算短信のPL・信用残・やめる線の3つを確認すると最低10分かかるため、10分未満は準備を飛ばした証拠です
  • 21回の損失を資産の2%に固定する。買える株数=(資産×2%)÷(買値−やめる線)。資産300万円・買値2,134円・やめる線1,800円なら100株です
  • 3買う前に5行書く。買う理由・想定期間・やめる線・建玉サイズ・答え合わせの日付。5行が埋まらない銘柄は買いません

損はします。私もします。守れるのは1回あたりの損失額だけで、それは計算で決められます。勝率40%でも、平均利益20%・平均損失10%なら1回あたり+2.0%です。当てる力を上げるより、この式の右側を小さく保つほうが、はるかに確実に効きます。

次の答え合わせは2026年11月ごろに出る2026年9月期の本決算です。通期売上高85億円に対する着地を、カレンダーに入れておきます。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した株価・業績等の数値は本文中に示した出典・取得時点のものであり、その後変動している可能性があります。AIの出力には誤りが含まれる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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