この1週間(2026年9月7日〜9月11日)の日経平均株価は、前週末比1,009円安の64,011円34銭で取引を終えました。2週連続で1,000円を超える下げです。一方、同じ9月11日のニューヨーク市場ではダウ工業株30種平均が509ドル19セント高。数字だけ見ると真逆に見えますが、両方とも同じ2つの材料で動いています。原油と金利です。
✅ この記事の結論(先に要点だけ)
- 1今週の主役は原油と金利。WTIが1バレル100ドルを突破し、米10年債利回りが4.96%、日本の10年債利回りが約2.99%まで上がった
- 29月11日は日経平均が1.93%安、TOPIXが0.65%安。この1.28ポイントの差が「指数の中身が入れ替わった」印で、保険・海運・鉱業・卸売が上げ、AI半導体が売られた
- 3答え合わせは9月16日(FOMC)と9月18日(日銀)の2日。米国は利上げ確率71.6%、日本は政策金利1.0%→1.25%がほぼ織り込み済み
🎯 この記事で得られること
| 判断材料 | コアCPIの前月比という数字1つ。8月は+0.3%で、これが12か月続くと年率3.7%。FRBの目標2%との差1.7ポイントが、来週の利上げ観測の正体です |
|---|---|
| 判定ポイント | 2026年9月16日(FOMC結果)と9月18日(日銀会合結果)の2日。そして10月14日発表の米9月CPI。カレンダーに入れれば、自分で答え合わせができます |
| 答えないこと | 個別銘柄の売買タイミングと、日経平均の目標値。この記事は「何が起きたら見立てを変えるか」の条件だけを扱います |
→ 読み終えたあと、FOMCと日銀のニュースを見て「織り込み済みか、それを超えたか」を自分で判定できるようになります。
📖 この記事の構成
- 今週の全体感|9月7日から11日に何が起きたか
- CPIとPPIの中身を読む|悪い数字でニューヨークが上げた理由
- 今週の主要ニュース5本
- 強かったセクターと弱かったセクター
- 今後上昇を期待したいセクター3つ
- 気になる銘柄4選|賛成・反対・確認できない点
- 来週の日程とAI活用プロンプト
1.今週の全体感|9月7日から11日に何が起きたか
今週は、月曜に大きく上げて金曜に大きく下げる、という形の1週間でした。数字を先に並べます。
日経平均の1週間(2026年9月7日〜11日)
| 日付 | 日経平均終値 | 前日比 | その日の主役 |
|---|---|---|---|
| 9月7日(月) | 66,399.84円 | +1,378.90円 | 米SOX指数高を受けAI半導体に見直し買い。海運業+3.06%、ガラス・土石製品+2.49%、電気機器+2.14% |
| 9月9日(水) | ※要確認 | — | 非鉄金属+6.88%、石油・石炭製品+5.01%、鉱業+2.17%。資源セクターが一斉高 |
| 9月10日(木) | 65,270.95円 | +128.17円 | 米8月PPIが上振れ。夜のニューヨークでダウが316ドル安と4日続落 |
| 9月11日(金) | 64,011.34円 | -1,259.61円(-1.93%) | 一時63,208.63円まで下落(下げ幅2,062円)。AI半導体が売られ、後場は銀行・保険・自動車が支える |
出典:フィスコ(2026年9月7日・9日・11日配信)、株探(2026年9月11日)、財経新聞(2026年9月11日)。9月8日と9日の終値は本記事執筆時点で一次情報を確認できなかったため記載していません。
週の始まりと終わりだけを取り出すと、前週末比1,009円安。これで2週連続の1,000円超の下げです。9月1日に付けた高値からの下落幅で見ると、相場の温度はかなり下がりました。
日経平均とTOPIXの差が、今週いちばん重要な数字
9月11日の引け値を並べます。日経平均は64,011円34銭で1.93%安。TOPIXは4,028.30ポイントで0.65%安でした(出典:フィスコ、2026年9月11日)。同じ日の同じ市場で、下げ幅に1.28ポイントの差がついています。
日経平均は225銘柄の株価を単純に足して割る指数なので、値がさのAI半導体株の影響が大きく出ます。TOPIXは東証プライム全銘柄を時価総額で加重するため、銀行・保険・商社のような大型のバリュー株の比重が相対的に高くなります。つまり「日経だけが大きく下げてTOPIXが粘る日」は、値がさのハイテクが売られて、金融と資源に資金が移った日だということです。
実際、9月11日の日経平均の寄与度下位はアドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、キオクシアホールディングス、イビデンの5社。上位は京セラ、コナミグループ、バンダイナムコホールディングス、豊田通商、KDDIでした(出典:THE GOLD ONLINE、2026年9月11日)。指数を押し下げたのは全部AI半導体です。
高値からどれくらい離れたか
下げの大きさは、円で見ると実感しにくくなります。日経平均が6万円台に乗った今、1,000円安は約1.5%です。5万円台のころの1,000円安とは意味が違います。割合で見直します。
| 基準 | 水準 | 9月11日終値との差 |
|---|---|---|
| 2026年の年初来高値(6月22日) | 72,831.73円 | 約-12.1% |
| 2026年の年初来安値(3月31日) | 50,558.91円 | 約+26.6% |
| 今週の高値(9月7日終値) | 66,399.84円 | 約-3.6% |
出典:Yahoo!ファイナンス(2026年9月11日時点の年初来高値・安値)、フィスコ。差は9月11日終値64,011.34円からの単純計算。
6月の高値からは12%ほど下、3月の安値からはまだ26%ほど上。今の位置は「高値から調整した途中」であって、暴落ではありません。株探の週末コメントは、6万円台半ばでは買い手がほぼ不在の状況だと指摘し、7万円台への復帰は短期・中期では難しくなりつつあるとしています。一方で、年初から見れば依然として高い位置にいることも同時に事実です。
下げている最中は、直近の高値からの距離ばかりが目に入ります。安値からの距離も一緒に並べると、自分がどこに立っているかを数字で確認できます。
海外市場・為替・金利・原油
| 指標 | 水準(2026年9月11日時点) | 見るポイント |
|---|---|---|
| ダウ工業株30種平均 | 52,573.29ドル(+509.19ドル、+0.98%) | 5営業日ぶりの反発。それまで4日続落していた |
| S&P500種株価指数 | 7,656.98(+0.86%)/週間 -0.8% | 金曜に戻しても週間ではマイナス |
| ナスダック総合株価指数 | 26,333.04(+0.96%)/週間 -0.7% | 同上。金利上昇が重荷 |
| WTI原油先物(10月物) | 99ドル台(前日終値102.48ドル) | 4か月ぶりに100ドルを突破したあと反落 |
| 米10年債利回り | 4.96% | 一時2年11か月ぶりの高さ。5%が目前 |
| 日本10年債利回り | 約2.99% | 30年ぶりの高水準圏。9月1日に一度3.005%を付けている |
| ドル円 | 154円台半ば | 日銀利上げ観測の円買いと、米利上げ観測のドル買いが綱引き |
| 東証プライム売買代金(9月11日) | 8兆7,129億円 | 前日より増加。下げの日に商いが膨らんだ |
出典:共同通信・ロイター・日本経済新聞・フィスコ(いずれも2026年9月11日〜12日配信)、Trading Economics(2026年9月11日)。
この表で押さえておきたいのは、米10年債の4.96%と日本10年債の2.99%が同時に起きていることです。日米の中央銀行が同じ方向(引き締め)を向いているため、為替は154円台で膠着し、株だけがその重みを引き受けている形になっています。
2.CPIとPPIの中身を読む|悪い数字でニューヨークが上げた理由
まずCPIとPPIの役割の違いから
同じ「物価の指標」ですが、測っている場所が違います。
| 項目 | CPI(消費者物価指数) | PPI(生産者物価指数) |
|---|---|---|
| 測る場所 | 消費者が払う値段。スーパーの棚、家賃、飛行機のチケット | 企業が受け取る値段。原材料や卸の段階 |
| 発表の順番 | 2026年8月分は9月11日 | 2026年8月分は9月10日(CPIの前日) |
| 使い方 | 金融政策の直接の判断材料 | 企業のコストが消費者にいつ転嫁されるかの先行の目安 |
PPIが先に出て、翌日にCPIが出る。この順番だと、PPIで作られた金利の方向をCPIが「強めるのか、修正するのか」という読み方ができます。今週はまさにそのパターンでした。
9月10日発表・米8月PPIの数字
| 項目 | 結果 | 市場予想 | 前月 |
|---|---|---|---|
| PPI 前月比 | +0.4% | +0.4% | +0.1% |
| PPI 前年比 | +5.4% | +5.3% | +4.8% |
| コアPPI 前月比 | +0.2% | +0.3% | +0.3% |
| コアPPI 前年比 | +4.6% | +4.6% | +4.2% |
出典:フィスコ(2026年9月10日22時11分配信)。前月値はいずれも上方修正後の数値。
前月比+0.4%は5月以来の大きさ、前年比+5.4%は前月から加速で予想も上回りました。押し上げの主因はエネルギーコストです。ここで注目すべきはコアPPIの前月比が+0.2%と、逆に5月以来の低さだった点。つまり「企業のコストが上がっているのは、ほぼエネルギーのせい」という構造が数字に出ています。
この日、ドル円は154円67銭まで上昇し、ニューヨークではダウが316ドル56セント安の52,064ドル10セントで4日続落しました。
9月11日発表・米8月CPIの数字
| 項目 | 結果 | 市場予想 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 総合CPI 前年比 | +3.4% | +3.4% | 予想通り。7月と同じ伸び率 |
| コアCPI 前年比 | +2.4% | +2.4% | 前月の+2.5%から鈍化 |
| コアCPI 前月比 | +0.3% | +0.2% | 上振れ。4か月ぶりの大きな伸び |
| 総合CPI 前月比 | +0.4% | — | ガソリン再上昇が押し上げ |
出典:米労働省労働統計局(BLS)2026年8月分CPI発表、日本経済新聞・OANDA証券・ロイター(2026年9月11日)。
1年間の内訳で目立ったのは、航空運賃が+23.4%、住居費が+3.0%、個人ケアが+3.8%、医療が+1.6%という並びです(BLS、2026年8月分)。一方で自動車保険は前月比-0.8%、歯科サービスは-0.6%と、下がっている項目もあります。上がっているのは移動と住まい、下がっているのはサービスの一部という、きれいに分かれた形です。
なぜ数字が悪いのにニューヨークは上がったのか
ここが今週いちばん面白いところです。CPIのコア前月比は予想を上回った。普通なら金利が上がって株が売られる場面です。ところがダウは509ドル高。理由は3つあります。
- 1原油が下がった。英紙フィナンシャル・タイムズが9月11日、湾岸諸国とイランが外相会合を開く見通しだと報じました。ホルムズ海峡の航行を管理する協定への支持を取り付ける狙いで、オマーンが開催を提案したとされます。これでエネルギー供給への警戒が薄れ、WTIは前日終値102.48ドルから99ドル台へ
- 2CPI発表後に米長期金利が低下した。コア前年比が+2.5%から+2.4%へ鈍化したことが効きました。前月比は上振れでも、前年比は下がっている。どちらを重く見るかで解釈が割れる数字だったわけです
- 34日続落したあとだった。ダウは9月10日まで4営業日続けて下げていました。売られ過ぎの反動が乗りやすい位置にいたということです
日本市場は、この3つが起きる前の「原油102ドル・金利上昇」の世界を金曜の日中に取引していました。だから東京は1,259円安で、ニューヨークは509ドル高。同じ週の同じ材料を、時差の分だけズラして織り込んでいるだけです。
エネルギー価格が物価に効いてくるのはこれから
米国のガソリン価格は全米自動車協会(AAA)調査で9月7日時点1ガロン4.15ドル。1年前の3.20ドル、1か月前の4.02ドルから上がり続けています。ディーゼルは同日5.90ドルで、1年前の3.70ドルから大きく上振れました。
エネルギー価格が消費者物価に染み出すまでには、一般に1か月から3か月のラグがあるとされます。つまり8月分CPIには一部しか入っておらず、9月分・10月分にもっと出てくるということ。FRBが見ているのは7月までの数字ではなく、これから出る数字です。ここが「数字は落ち着いてきたのに利上げ観測が強まる」という一見ねじれた状況の正体です。
日本の物価と米国の物価は、上がっている場所が違う
同じ「インフレ」という言葉でも、日米では中身が違います。ここを混ぜると、日銀とFRBのどちらのニュースで自分の持ち株が動くのかを読み違えます。
| 項目 | 米国 | 日本 |
|---|---|---|
| 直近の伸び | 8月CPI 前年比+3.4%、8月PPI 前年比+5.4% | 8月の企業物価 前年比+7.6% |
| 主な押し上げ要因 | エネルギーと住居費。航空運賃は前年比+23.4% | 輸入コスト。原油高と154円台の円安が同時に効く |
| 政策金利の位置 | すでに高い水準から、さらに上げるかを議論中 | 1.0%から1.25%へ。ようやく「金利のある世界」に入った段階 |
| 株への効き方 | 高PERのハイテクが真っ先に削られる | 銀行・保険にプラス、高負債の電力・不動産にマイナス |
日本の企業物価+7.6%という数字は、企業が仕入れで払っている値段です。これが小売価格に転嫁されるまでには時間がかかるので、日本の消費者物価はこれから上がる余地を抱えていることになります。日銀が9月に利上げし、その先も引き締めを続けるという見方の根拠はここにあります。
つまり日米どちらも、物価を押し上げているのは同じ原油です。ただし米国は「消費者にもう届いている」段階、日本は「これから届く」段階。時計の針が2〜3か月ずれていると考えると、ニュースの読み方が整理しやすくなります。
⚠️ 注意ポイント:CPIの前月比は月ごとの振れが大きく、1か月の数字だけで方向を決めるのは危険です。+0.3%が2か月続くかどうかを、10月14日発表の9月分で確認してください。逆に9月分が+0.1%台に戻れば、この記事の見立ては外れたことになります。
3.今週の主要ニュース5本
①中東情勢の緊迫化とWTI原油100ドル突破
今週の相場を動かした一番の材料です。WTI原油先物は9月10日に節目とされる1バレル100ドルを4か月ぶりに突破し、102.48ドルで引けました。
背景は2つあります。1つはトランプ米大統領が9月9日、イランとの戦闘終結について11月の米中間選挙後になるとの見通しを示したこと。早期収束への期待が後退しました。もう1つは、イランの支援を受けるイエメンの親イラン武装組織フーシ派が9月10日、紅海沿岸の港湾都市モカを掌握したこと。モカは紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡から約80キロの位置にあり、ここを攻撃拠点にされると紅海を通る商船への脅威が高まります。
ただし9月11日には、湾岸諸国とイランが外相会合を開く見通しだとフィナンシャル・タイムズが報じ、WTIは99ドル台まで反落しました。原油は「戦闘が続くか、外交が動くか」の綱引きで、日替わりで方向が変わる状態です。
②米FOMC(9月15日〜16日)の利上げ確率が71.6%へ
今週の経済指標を受けて、FRBが9月会合で利上げに踏み切るとの観測が強まりました。報道された利上げ確率は71.6%(2026年9月11日時点、財経新聞)。株探が9月11日夕に伝えた時点では「6割強」だったので、CPI発表を挟んで上がった格好です。
FRBのケビン・ウォーシュ議長は、インフレを目標の2%まで戻すことへの強い姿勢を示しており、数字が改善しなければ追加の対応が必要になるという趣旨の発言をしています。市場ではこれが利上げ支持と受け取られていますが、一方で慎重な対応を求める当局者も複数いるとされ、会合内の意見は割れているようです。
会合では政策金利そのものに加えて、参加者の金利見通しを示すドットチャートにも注目が集まります。今回の1回だけでなく、この先何回上げる想定なのかが示されるためです。
③日銀(9月17日〜18日)が政策金利1.0%→1.25%へ
日本経済新聞は、日銀が金融政策決定会合で政策金利を1.0%から1.25%に引き上げる方針だと報じています。BNPパリバは9月11日、日銀の9月利上げはほぼ確定的との見方を示しました。
つまり0.25%の利上げそのものはすでに株価に織り込まれていると考えるのが自然です。焦点はその先のペース。9月会合で一部の審議委員から0.5%利上げの提案が出るのではという見方もありますが、賛同は得られないとみられています。植田和男総裁の記者会見での言い回しが、10月・12月の追加利上げ観測を左右します。
なお日銀の審議委員である増井和之氏は今週、基調的なインフレが2%目標に近づくなかで引き締めを続ける姿勢を示唆しました。
④欧州中央銀行(ECB)が9月10日に追加利上げ
ECBは9月10日の理事会で、預金ファシリティ金利など主要な政策金利の引き上げを決定しました。ユーロドルは1.16ドル台で上値を抑えられています。
ここが意外と大事です。米国・日本・欧州の3つの中央銀行が同時に引き締め方向を向いているのが今の世界です。どこか1つが緩めていれば、そこへ資金が逃げます。逃げ場がない状態だと、株式のバリュエーション(投資尺度)は全体的に押し下げられます。
⑤日本の物価と景況感|企業物価+7.6%、長期金利は30年ぶり水準
日本の8月の企業物価は前年比+7.6%となり、日銀の利上げ観測を支えました。大手製造業の景況感も2021年10〜12月期以来の高い水準まで改善しています(出典:Trading Economics、2026年9月11日)。
日本の10年債利回りは9月11日に約2.99%。9月1日には一時3.005%まで上昇し、3%台は1996年9月以来30年ぶりでした。背景には日銀の利上げ観測に加えて、高市早苗政権の積極財政に対する財政不安もあります。
政治日程では、米共和党が9月9日〜10日に党大会を開催しました。通常、米国の二大政党の党大会は4年に1度、大統領選に合わせて開くのが慣例で、中間選挙に合わせた開催は初めてとされます。11月の米中間選挙が、原油も金利も政策も動かす大きな節目になりそうです。
⚠️ 注意ポイント:ここに挙げた確率や方針は、いずれも報道時点のものです。FOMCも日銀も、当日まで結果は決まっていません。「ほぼ確定的」と報じられた予想が外れることは実際にあります。数字は必ず発表当日に一次情報で確認してください。
4.強かったセクターと弱かったセクター
日別に見た業種の動き
| 日付 | 上昇が目立った業種 | 下落が目立った業種 |
|---|---|---|
| 9月7日(月) | 海運業+3.06%/ガラス・土石製品+2.49%/電気機器+2.14%/非鉄金属+2.01%/情報・通信業+1.94% | 水産・農林業/医薬品/銀行業/サービス業/その他製品 |
| 9月9日(水) | 非鉄金属+6.88%/石油・石炭製品+5.01%/鉱業+2.17%/電力・ガス業+1.98% | 証券業/サービス業/小売業/保険業/医薬品 |
| 9月11日(金) | 保険業/海運業/輸送用機器/鉱業/卸売業 | AI半導体関連全般(指数寄与度で確認) |
出典:フィスコ「東証業種別ランキング」(2026年9月7日・9日配信)、THE GOLD ONLINE(2026年9月11日)。
週の前半は半導体、後半は資源と金融。この入れ替わりが今週の姿です。特に9月9日の非鉄金属+6.88%は1日の業種別としては相当大きな動きで、銅などの非鉄金属先物が上海市場で高く推移したことが効いています。
売られた側|AI半導体はなぜ戻りが鈍いのか
9月11日に日経平均を押し下げた上位5社は、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、キオクシアホールディングス、イビデン。同日のプライム市場の値下がり率上位にはレゾナック・ホールディングスが-10.68%で入っています。
理由はシンプルで、金利が上がると、利益が先の年に集中している会社ほど現在価値が削られるからです。米10年債が4.96%、日本の10年債が2.99%という水準は、高いPERを正当化しにくくします。AI需要そのものが弱っているというより、割引率の話です。
株探の週末コメント(2026年9月11日)は、日本のAI・半導体株が諸外国に比べて戻りが鈍く、それが日経平均の戻りを抑えていると指摘しています。実際、S&P500は9月11日時点で7,656.98まで戻っているのに対し、日経平均は64,011円と約1か月ぶりの安値圏です。
中小型の防衛関連に短期資金が入った
個別では、豊和工業が9月7日に+26.46%(終値1,912円)、9月11日にも+21.33%(終値2,844円)と2度にわたって急騰しました。フーシ派のモカ制圧で地政学リスクが意識され、細谷火工や石川製作所といった中小型の防衛関連にも短期資金が流入しています。
こうした値動きは材料一発で反転もします。1週間で2回のストップ高級の上昇は、業績の裏づけで動いているのではなく需給で動いているサインです。追いかけるなら、その前提で見る必要があります。
2軸4象限でセクターを仕分ける
今の相場を動かしている変数は、金利と原油の2つです。この2つで表を作ると、自分の持ち株がどこにいるかが一目で分かります。
| 象限 | 該当する業種 | 崩れる条件 |
|---|---|---|
| 金利↑が効く | 銀行業、保険業、証券業 | 日銀が10月以降の追加利上げに慎重な姿勢を示したとき |
| 原油↑が効く | 鉱業、石油・石炭製品、卸売業(商社)、海運業 | 停戦・外交進展でWTIが90ドルを割ったとき |
| 両方効く | 非鉄金属(インフレ資産としての側面)、総合商社(資源+金融収益) | 景気後退が意識され、実需そのものが減るとき |
| 両方逆風 | AI半導体、グロース株、不動産、電力・ガス(高負債・高配当のため金利上昇に弱い) | —(すでに逆風側。金利がピークアウトすると反転) |
電力株をこの表の「両方逆風」に置いていることに違和感を持つ方がいるかもしれません。AIデータセンターの電力需要というテーマは本物だと私は考えています。ただ、電力会社は借入が大きく配当利回りで買われる銘柄が多いため、金利が上がる局面では債券と比較されて売られやすい。テーマの正しさと、今の相場で買われるかどうかは別の話です。この点は第5章でもう一度扱います。
1,000円下げた週に、私がやらないこと3つ
2週続けて1,000円超の下げを見ると、手が動きたくなります。私は過去に、下落の直後に凍結宣言をしておきながら衝動的に買ってしまったことがあります。だから今は、先に「やらないこと」を決めています。
| やらないこと | 理由 |
|---|---|
| 銘柄の再選定 | 今週の下げはWTIと金利という相場要因で起きています。相場要因の下落を銘柄のせいにして入れ替えると、上がるときに持っていない状態になります |
| 年末までの目標額から逆算する | 「年末までに◯%」から逆算すると、集中投資かレバレッジでしか届かない構成になります。目標額を守るためにリスクを上げるのは順番が逆です |
| 暴落用に取ってある現金を使う | 私は指数が高値から20%下げるまで出さないと決めています。9月1日の高値66,525円を基準にすると53,220円。9月11日の64,011円はまだその手前です |
この3つは、どれも「下げた直後にやりたくなること」です。だからこそ、下げていない平常時に決めておく必要があります。ルールは下げてから作ると、必ず自分に都合よく作ってしまいます。
5.今後上昇を期待したいセクター3つ
ここから先は、私自身がどこを見ているかの整理です。先に前提を書いておきます。追いかける分野は2つまでに絞る、というのが私の線です。3つ以上を同時に追うと、決算もニュースも追い切れなくなり、結局どれも中途半端になります。以下の3つのうち、どれを2つ選ぶかは読んだ方それぞれで変わるはずです。
①保険・証券|金利上昇を受け止める側
日銀が政策金利を1.0%から1.25%へ上げ、日本の10年債利回りが2.99%。この環境は、金融機関の資産運用利回りを押し上げます。9月11日に保険業が業種別の上昇率上位に入ったのも、金曜の後場に金融株が指数を支えたのも、この筋道です。
賛成の材料:生命保険会社は長期の負債(保険契約)に対して長期の債券で運用しています。金利が上がると、新しく買う債券の利回りが上がり、運用収益が改善します。しかも金利上昇は一度きりではなく、日銀がこの先も上げるなら効果は積み上がります。
反対の材料:銀行株はすでに利上げを相応に織り込んでいる、という指摘があります。実際、銀行業は9月7日に下落率上位に入っており、上げ一辺倒ではありません。保険も同じ道をたどる可能性は十分あります。また、保有する株式や債券の評価損益は金利と株価の両方に振られるため、決算の数字が読みにくい業種でもあります。
やめる線:9月18日の日銀会合後、植田総裁が追加利上げに慎重な言い回しをして、日本の10年債利回りが2.5%を割り込んだとき。そのときはこの前提が崩れています。
②資源・エネルギー・商社|いちばん分かりやすく、いちばん剥がれやすい
WTIが100ドルを超えれば石油開発会社の利益が増える。これ以上ないくらい単純な筋道です。9月9日に石油・石炭製品が+5.01%、鉱業が+2.17%と動いたのはその通りの反応でした。総合商社も資源権益を持つため同じ方向に効きます。
賛成の材料:米国のディーゼル価格は2026年2月28日の米イラン戦闘開始時から約55%上昇しています。エネルギーの需給は短期間では戻りません。また商社は資源だけでなく、金利上昇局面では金融収益も乗ります。
反対の材料:トランプ米大統領は9月9日、11月の米中間選挙後には戦争が終わり原油価格も急落するとの見方を示しました。この見立てが当たれば、資源セクターの上昇分は短期間で剥がれます。9月11日のWTI反落は、その予行演習のような値動きでした。
やめる線:WTIが終値で90ドルを割ったとき。ここを割ると「100ドル台が続く前提」で買った理由が消えます。
③電力・AIインフラ|テーマは本物、でも時間軸は2027年以降
私はAIのボトルネックが「GPU → メモリ → 電気」の順に移っていくと考えています。データセンターは建つが、電力の供給が追いつかない。この見立て自体は変えていません。
ただし今この瞬間に買われるかどうかは別の問題です。電力会社は設備投資のために借入が大きく、株価は配当利回りで評価されがちです。金利が2.99%まで上がった世界では、同じ利回りなら値動きのない債券のほうが選ばれます。9月9日に電力・ガス業が+1.98%と上げた日もありますが、これは原油高に連動した動きで、AI需要を織り込んだ動きとは分けて考えるべきです。
私の置き方:この分野の本番は2027年以降。それまでは金利上昇が逆風として効きます。今すぐ全力で追う分野ではなく、金利がピークアウトしたと確認できてから厚くする分野だと整理しています。
やめる線:電力・送電網に関する政策が後退したとき、または大手の受注残が減り納期が短縮したとき。供給不足が解消に向かうなら、「電気が足りないから電力設備が売れる」という前提そのものが消えます。
3つの時間軸を1枚に
| セクター | 答え合わせのタイミング | やめる線 |
|---|---|---|
| 保険・証券 | 2026年9月16日(FOMC)と9月18日(日銀会合) | 日本10年債が2.5%を割る |
| 資源・商社 | 毎日(WTIの終値) | WTIが終値90ドル割れ |
| 電力・AIインフラ | 2027年以降(金利のピークアウト確認後) | 送電網政策の後退、受注残の減少 |
時間軸が「2日」「毎日」「2027年」とバラバラです。これを同じ口座で同じ気分で持つと、日々動く②の値動きに引っ張られて、まだ答えの出ていない③を先に売ってしまう。分散は銘柄の数ではなく、前提の本数で決まります。②が効く世界と③が効く世界は、金利の方向が反対です。両方持つなら、それは分散になっています。
6.気になる銘柄4選|賛成・反対・確認できない点
⚠️ 先にお断り:ここに挙げる4社は「調べる価値があると私が思った会社」であって、推奨ではありません。また、株価は本記事執筆時点(2026年9月12日)で一次情報を確認できたものだけを記載し、確認できなかったものは「※要確認」としています。実際の株価と指標は必ずご自身の証券口座でご確認ください。
①INPEX(1605・鉱業)|原油高の直球
| 株価 | 4,900円(前日比+213円、+4.54%)※出典:Investing.com、2026年9月11日時点 |
|---|---|
| 業績 | 2026年12月期中間期は売上収益が前年同期比4.6%減の1兆円、親会社帰属の中間利益は同17.7%増の2,631億円。通期予想は上方修正され、当期利益は前期比29.5%増の5,100億円(出典:決算短信、Yahoo!ファイナンス掲載の要約) |
| 計算してみると | 通期予想5,100億円 ÷ 発行済株式数1,259,136,067株 = 1株あたり約405円。株価4,900円なら予想PERは約12倍 ※株式数の出典は日経会社情報(2026年9月11日)。時価総額の記載が出典間で一致しないため※要確認 |
| 賛成 | WTIが100ドルを超えた環境が、そのまま利益に乗る構造。9月11日には売買が急増し、東証の検索急増ランキングでも上位に入った |
| 反対 | 中東情勢の収束で一気に剥がれる。しかも株価はすでに大きく上昇しており、原油が今の水準を続ける前提が織り込まれている可能性がある |
| 確認できない点 | 通期予想が前提としている原油価格と為替の想定レート。ここを決算資料で確認しないと、100ドルの何割が予想に入っているか分からない |
| やめる線 | WTIが終値で90ドルを割り、かつ会社側が通期予想を据え置き以下に修正したとき |
②第一ライフグループ(8750・保険業)|金利上昇の受け皿
なお同社は2026年4月1日付で、第一生命ホールディングス株式会社から株式会社第一ライフグループへ商号を変更しています(出典:有価証券報告書 第124期)。検索するときは旧社名でも出てきますが、正式名称は新しい方です。
| 株価 | ※要確認(2026年9月11日終値を本記事執筆時点で一次情報から確認できませんでした。参考:2026年7月22日終値1,897円、出典:株予報) |
|---|---|
| 業績 | 2026年3月期(第124期)は保険料等収入6兆9,440億円、資産運用収益3兆7,353億円、当期利益4,365億円(出典:有価証券報告書 第124期、2026年6月16日提出) |
| 計算してみると | 当期利益4,365億円 ÷ 発行済株式数3,621,895千株 = 1株あたり約121円 ※株式数の出典は松井証券(2026年6月26日時点)のため※要確認 |
| 賛成 | 資産運用収益が2025年3月期の2兆5,284億円から2026年3月期に3兆7,353億円へ大きく伸びている。金利のある世界に入ったことが数字に出ている業種 |
| 反対 | 金融株はすでに利上げを相応に織り込んでいるという指摘がある。実際9月9日には保険業が下落率上位に入っており、一本調子ではない |
| 確認できない点 | 2027年3月期の会社予想と、保有株式・債券の含み損益の状況。決算短信と決算説明資料で確認が必要 |
| やめる線 | 日本の10年債利回りが2.5%を割り込み、日銀が追加利上げに慎重な姿勢へ転じたとき |
③三菱重工業(7011・機械)|防衛とエネルギーの二枚看板
| 株価 | ※要確認(参考:4,586円、出典:Google Finance、2026年5月1日時点。9月11日終値は未確認) |
|---|---|
| 業績 | 2026年3月期は売上高4兆9,741億円(前期比+14.1%)、営業利益4,322億円(+21.8%)、純利益3,321億円(+35.3%)、1株利益98.86円。いずれも直近5年で最高(出典:有価証券報告書、2026年6月24日提出) |
| 計算してみると | 会社予想の2027年3月期は売上高5兆4,000億円・純利益3,800億円。3,321億円÷98.86円から逆算した株式数約33.6億株で割ると、1株利益は約113円。参考株価4,586円ならPERは約40倍 |
| 賛成 | 防衛、ガスタービン、原子力、宇宙と、今の相場のテーマが複数重なる。営業利益率も6.1%(2024年3月期)から8.7%(2026年3月期)へ改善しており、テーマだけでなく数字が伴っている |
| 反対 | PER40倍前後は、複数テーマがすでに株価に反映されている水準。純利益が3,800億円へ15%伸びても、PERが30倍へ下がれば株価は上がりません。ここは上振れと同じだけ下振れる |
| 確認できない点 | セグメント別の受注残高。防衛とエネルギーのどちらが伸びているかは、決算説明資料の受注残で確認する必要がある |
| やめる線 | 四半期決算で受注残高が前年同期比マイナスに転じたとき。売上・利益より受注残が先に折れます |
④キオクシアホールディングス(285A・電気機器)|いちばん売られた側
| 株価 | 57,410円(前日比-2,120円、-3.56%)※出典:株予報、2026年9月8日終値。9月11日終値は※要確認 |
|---|---|
| 業績 | 2026年3月期は売上高2兆3,376億円(前期比+37.0%)、営業利益8,703億円(+92.7%)、当期利益5,544億円(+103.6%)(出典:アナリスト予想サイト掲載の実績値、2026年9月8日時点) |
| 計算してみると | 当期利益5,544億円 ÷ 発行済株式数547,242千株 = 1株あたり約1,013円。9月8日終値57,410円なら実績PERは約57倍。※株式数の出典は松井証券(2026年7月6日時点) |
| 賛成 | 売上37%増・営業利益92.7%増という成長が、実際に数字として出ている。9月11日の日経平均寄与度下位に入るほど売られた結果、同じ会社を先週より安く見られる状態になった |
| 反対 | 実績PER約57倍は、金利が上がる局面でもっとも不利な位置です。しかもメモリは需給で価格が決まるシクリカルな商品で、値動きが激しい。2026年の年初来安値10,945円から高値112,700円まで動いた銘柄であり、値幅そのものが大きい |
| 確認できない点 | 2027年3月期の会社予想。参照したアナリスト予想の数値は桁が不自然だったため本記事では採用していません。決算短信での確認が必要です |
| やめる線 | NAND型フラッシュメモリの契約価格が四半期で前期比マイナスに転じたとき。株価より先に、製品価格が折れます |
4社を1枚の表で並べる
| 会社 | 株価を動かす主な変数 | 見るべき数字 | 確認の頻度 |
|---|---|---|---|
| INPEX | WTI原油価格 | WTI終値90ドル/通期予想の想定原油価格 | 毎日 |
| 第一ライフグループ | 日本の長期金利 | 日本10年債2.5%/資産運用収益 | 週1回+日銀会合 |
| 三菱重工業 | 防衛予算・電力設備需要・原子力政策 | セグメント別の受注残高 | 四半期ごと |
| キオクシアホールディングス | NAND型フラッシュメモリの契約価格 | 契約価格の四半期変化率 | 四半期ごと |
この表の右2列が、私にとっての本題です。株価がいくらかより、何をいつ見れば答え合わせができるかのほうが、持ち続けるときに効きます。毎日見る銘柄と四半期に1回でいい銘柄を混ぜて持つと、毎日見るほうに気持ちを持っていかれます。
4社を同時には追わない
4社挙げましたが、全部を同時に追うのは現実的ではありません。決算もニュースも4本分を追いかけることになり、必ずどこかが手薄になります。
私が優先度を下げるなら③三菱重工業です。理由は、会社が悪いからではなく、逆です。防衛・ガスタービン・原子力・宇宙という材料が全部そろっていて、PERも40倍前後まで評価されている。つまり「まだ知られていない部分」がいちばん少ない。①は原油という1変数、②は金利という1変数、④はメモリ価格という1変数で動くので、何を見ればいいかが明確です。③は4つのテーマが同時に効くぶん、どれが株価を動かしたのかを後から切り分けにくい。追いかける本数を減らしたいときは、変数の多い銘柄から外すのが私のやり方です。
そして買い方について1つだけ。分散できるのは時間と銘柄の2つだけです。1回で全額を入れる前提の話はこの記事では扱いません。仮に上の4社のどれかを調べて納得したとしても、そのときに使う金額を何回かに分けるかどうかは、銘柄選びと同じくらい結果を変えます。
7.来週の日程とAI活用プロンプト
カレンダーに入れる3つの日付
| 日付 | イベント | 見るところ |
|---|---|---|
| 2026年9月15日(火)〜16日(水) | 米連邦公開市場委員会(FOMC) | 利上げの有無と、参加者の金利見通し(ドットチャート)。結果は日本時間9月17日未明 |
| 2026年9月17日(木)〜18日(金) | 日銀 金融政策決定会合 | 1.0%→1.25%への利上げは織り込み済み。焦点は植田和男総裁の会見で示される次のペース |
| 2026年10月14日(水) | 米9月分CPI発表(米東部時間8時30分) | コアCPIの前月比。8月の+0.3%が2か月続くかどうか(出典:BLS公表の発表予定) |
この3つに加えて、毎日1つだけ見るならWTI原油の終値です。90ドルを割るのか、100ドルを超え続けるのか。今の相場は、この数字が金利もセクターも動かしています。
来週起こりうる4パターンを先に書いておく
当てにいくのではなく、起きたときに慌てないための準備です。FOMCと日銀の組み合わせは4通りしかありません。
| パターン | 想定される反応 | 効きそうなセクター |
|---|---|---|
| 両方が利上げ(織り込み通り) | 材料出尽くしで小動き。焦点はドットチャートと総裁会見の中身へ移る | 現在の並び(金融・資源)が継続 |
| 米が据え置き、日本が利上げ | 日米金利差の縮小で円高方向。輸出企業に逆風 | 内需・高PERハイテクに戻りやすい |
| 米が利上げ、日本が据え置き | 金利差拡大で円安方向。輸入物価がさらに上がる | 輸出・資源が優位、内需が劣後 |
| 両方が据え置き | 織り込みが大きく外れる。金利低下で株は戻りやすい | AI半導体・不動産・電力が反発しやすい |
4つ書いておけば、どれが来ても「想定のどれか」に収まります。準備していないパターンが来たときだけ、人は動揺して余計な売買をします。紙に4行書いておくだけで、その確率を下げられます。
週次の振り返りをAIにやらせるプロンプト
この記事と同じ作業を、毎週自分でやるためのプロンプトです。ポイントは数値をこちらが渡すこと。AIに株価や指標を検索させると、古い数値や誤った数値が混じることがあります。証券会社アプリと経済指標カレンダーから数字をコピーして貼り付ければ、材料としては十分です。
あなたは相場を構造で説明するアナリストです。 以下のデータだけを使って、今週の相場を整理してください。 【今週の数値】 ・日経平均:週初◯◯円 → 週末◯◯円(前週末比◯◯円) ・TOPIX:週末◯◯ポイント(前週末比◯◯%) ・S&P500 / ナスダック:週間◯◯% / ◯◯% ・ドル円:◯◯円 ・米10年債利回り:◯◯%/日本10年債利回り:◯◯% ・WTI原油:◯◯ドル ・今週発表された経済指標と結果:(貼り付け) ・業種別騰落の上位5・下位5:(貼り付け) 【出力してほしい内容】 1. 今週の値動きを動かした変数を2つに絞り、それぞれ1行で 2. 日経平均とTOPIXの騰落率の差を計算し、その差が 何を意味するかを1行で 3. 上位5業種と下位5業種を「金利上昇が効く/原油高が効く/ 両方効く/両方逆風」の4象限に振り分けた表 4. この整理が間違っていたと分かる条件(反証条件)を2つ、 具体的な数値の線として 渡したデータのみを使用し、最新株価の推測はしないこと。 数値が不足している項目は「データ不足」と明記すること。 売買の推奨ではなく、判断材料の整理として出力すること。
⚠️ 注意ポイント:AIが出した4象限の振り分けは、あくまで渡したデータの範囲での整理です。同じ業種でも会社ごとに借入の大きさも海外売上比率も違うため、業種の分類がそのまま個別銘柄に当てはまるとは限りません。個別の判断に使う前に、必ず決算資料で裏取りしてください。
おまけ:「日本のAI半導体だけ戻りが鈍い」をなぜで5回掘る
今週いちばん気になったのは、S&P500が7,656.98まで戻っているのに、日経平均が約1か月ぶりの安値圏にいることでした。同じAI相場なのに差がついている。ここを5段だけ掘ります。
| なぜ① | 日経平均の戻りが鈍いのはなぜか → 指数を押し下げている上位5社がすべてAI半導体だから(9月11日の寄与度下位:アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、キオクシアホールディングス、イビデン) |
|---|---|
| なぜ② | AI半導体が売られるのはなぜか → 米10年債4.96%、日本10年債2.99%と、金利が日米同時に上がっているから。将来の利益を今の価値に直すときの割引率が上がる |
| なぜ③ | では米国の指数はなぜ戻るのか → S&P500は金融・エネルギー・ヘルスケアを含む500社の時価総額加重で、ハイテク以外が支えるから。日経平均は225社の株価平均で、値がさのハイテクの比重が構造的に大きい |
| なぜ④ | それは今週だけの話か → いいえ。実際TOPIXは9月11日に-0.65%と、日経平均の-1.93%より小さい下げでした。日本市場全体が弱いのではなく、指数の組み方の差が出ている |
| なぜ⑤ | なぜそれを知る必要があるのか → 「日経平均が下がった=自分の持ち株も下がっているはず」と考えると、実際には上がっている保有まで売ってしまうから。指数は市場の平均ではなく、特定の銘柄群の合計です |
結論:ニュースで「日経平均1,259円安」と聞いた日は、日経平均の騰落率からTOPIXの騰落率を引いてください。今週は1.28ポイント。この数字が大きい日は、下げているのは市場全体ではなく値がさのハイテクです。そして自分の持ち株がそこに入っていないなら、その日のニュースは自分の話ではありません。
この引き算は毎日30秒で終わります。私はこれを、相場のニュースに引っ張られて余計な売買をしないための最初のふるいとして使っています。
よくある質問
Q. 利上げが決まったら、株は必ず下がりますか?
A. 必ずではありません。今回のように利上げ確率が71.6%まで織り込まれている場合、利上げそのものはすでに株価に入っています。むしろ動くのは「次に何回上げるか」の部分です。9月16日のドットチャートと、9月18日の植田総裁の会見。ここが想定より厳しいか、ゆるいかで方向が決まります。
Q. 日経平均とTOPIX、どちらを見ればいいですか?
A. 両方の騰落率を並べて、引き算をしてください。9月11日は日経-1.93%、TOPIX-0.65%で差は1.28ポイント。差が大きい日は値がさのハイテクが売られた日、差が小さい日は全体が同じ方向に動いた日です。1日30秒の引き算で、その日の資金の向きが分かります。
Q. 原油高はいつまで続きますか?
A. 分かりません。トランプ米大統領は11月の米中間選挙後に戦争が終わり原油も急落するとの見方を示していますが、これは政治的な発言でもあります。予想の代わりに線を1本引くなら、WTIの終値90ドルです。ここを割ったら「原油高が続く前提」で買った理由は消えた、と判定できます。
Q. AI半導体はもう終わりですか?
A. 今週売られた理由は、AI需要が減ったからではなく金利が上がったからです。判定に使うなら、需要側の数字を1つ決めておくのが確実です。たとえばメモリの契約価格が四半期で前期比マイナスに転じたかどうか。株価の上下ではなく、製品価格で判断すれば、ニュースの雰囲気に流されずに済みます。
まとめ
今週の日経平均は前週末比1,009円安の64,011円34銭。2週続けて1,000円を超える下げになりました。動かした変数は原油と金利の2つで、WTIが1バレル100ドルを突破し、米10年債が4.96%、日本の10年債が約2.99%まで上がりました。
米8月CPIは総合が前年比+3.4%で予想通り、コアは前年比+2.4%と前月から鈍化した一方、コアの前月比は+0.3%と予想を上回りました。この+0.3%が12か月続けば年率3.7%。FRBの目標2%との差1.7ポイントが、9月15日〜16日のFOMCで利上げ確率71.6%まで織り込まれている理由です。
セクターは、保険・海運・鉱業・卸売が上げ、AI半導体が売られました。日経平均とTOPIXの騰落率の差1.28ポイントが、その入れ替わりを1つの数字で表しています。来週この差が縮んだら半導体が戻ってきた合図、開いたままなら主役は金融と資源のままです。
次の答え合わせは9月16日と9月18日。そして10月14日の米9月分CPIです。当たったかどうかではなく、自分が引いた線をどこで直すか。それを決めておくのが、この記事の目的でした。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載した数値は各出典の取得時点のものであり、現在の値とは異なる場合があります。「※要確認」と付した項目は一次情報での確認が取れていません。AIの出力には誤りが含まれる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
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