日銀が利上げしたのに円安|JX金属の利益の前提まで、あと1.05%に縮みました

日銀が利上げしたのに円安|JX金属の利益の前提まで、あと1.05%に縮みました
日次相場レポート 2026年9月18日(金)|AI投資の総論は こちらの完全解説記事 から
🤔
日銀が利上げしたのに、円安になって株が上がったんですか? 逆じゃないですか…?

そこがいちばん引っかかりますよね。利上げ=円高、が教科書の順番ですから。でも今日の東京市場は、発表後にドル円が157円台まで円安に振れました。理由は「利上げしたこと」ではなく、「何人が賛成したか」のほうにあります。

📈
9人のうち2人が「据え置き」に投票しました。市場はそこを「次はしばらく無いな」と読んだんですよね。

✅ この記事の結論(先に要点だけ)

  • 1日経平均は65,018.95円で882.70円高(+1.38%)。一方でTOPIXは3.05ポイント安。上がったのは「指数」であって「市場全体」ではありませんでした
  • 2JX金属にとって今日は株価の日ではなく「利益の前提」が動いた日。会社が置く1ドル159円まで、実勢との差が2.08%から1.05%へ縮みました
  • 3私は保有継続のままです。ただし1日の為替で期中平均は動きません。判定は9月24日(木)の取引再開後に持ち越します
目次

PART1 2026年9月18日の相場全体感

まず数字を置きます。今日の東京市場は日銀の金融政策決定会合を受けて日経平均が大きく上げました。ただ、中身はかなり偏った上げ方です。

指数・指標 終値 前日比
日経平均株価(9月18日) 65,018.95円 +882.70円(+1.38%)
TOPIX(9月18日) 4,091.14pt −3.05pt(−0.07%)
NYダウ(9月17日) 51,778.04ドル +316.14ドル
ナスダック総合(9月17日) 26,418.30pt +439.88pt(+1.69%)
SOX指数(9月17日) 11,599.49pt +353.39pt(+3.14%)
ドル円(9月18日 東京午後) 157.33円前後 午前155.87円前後から円安
COMEX銅(9月17日) 1ポンド6.661ドル +0.152ドル(+2.34%)
JX金属(5016)※9月17日終値 3,500円 −152円(−4.16%)

出典:日経平均・TOPIX、NYダウ・ナスダックは共同通信(2026年9月18日配信)/SOX指数は株探・日足時系列(9月17日終値)/ドル円はみんかぶFX「東京為替概況」(9月18日15時40分)/COMEX銅はstock-marketdata.com(9月17日終値)/JX金属は松井証券(9月17日15時30分・東証)。※JX金属の9月18日終値は、本記事の執筆時点(2026年9月18日17時台)では一次情報で確認が取れませんでした。表の株価は9月17日終値です(※要確認)。

日銀は1.25%へ。ただし反対が2票ありました

日銀は9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%引き上げて1.25%にしました。公表は11時54分です。ポイントは投票の内訳で、賛成7・反対2。反対した2人はいずれも「据え置き」を主張した側でした(出典:OANDA証券、2026年9月18日)。

声明の物価の見方も一歩進みました。「消費者物価の基調的な上昇率は2%に近づいている」に加え、「基調的な物価上昇率が2%を超える上振れリスクが顕在化しないよう、2%程度の水準で安定させていく観点が重要」という文言が新しく入っています。ここだけ読むとタカ派寄りですよね。

それでも為替は円安に動きました。発表直後のドル円は156.16円から156.85円へ70銭ほど上昇し、日経225も64,660円から65,190円へ500円ほど跳ねています(出典:OANDA証券、2026年9月18日)。

日経平均は882円高、TOPIXはマイナス

ここが今日いちばん大事な数字です。日経平均は+882.70円(+1.38%)で3日続伸し、9月10日以来の6万5,000円台を回復。ところが同じ日のTOPIXは4,091.14ポイントで3.05ポイントの下落でした(−0.07%)。

日経平均は225銘柄の株価を足して割るので、株価の高い銘柄ほど効きます。いわゆる値がさ株です。対してTOPIXはプライム市場全体を時価総額で測ります。つまり「値がさの半導体株は買われたが、市場全体はほぼ横ばい」という形でした。

実際、後場には一時+1.86%の6万5,300円台まで買われています(出典:ニューズウィーク日本版、2026年9月18日)。引けが65,018.95円ですから、高値から300円ほど押し戻されての着地です。買われたのはAI・半導体で、アドバンテストが強い一方、三菱UFJフィナンシャル・グループは弱いという並びでした。利上げの日に銀行株が上がらない。ここも「次の利上げが遠のいた」という読みと符合します。

今日の主要ニュース4本

  • 1日銀が0.25%利上げ、政策金利1.25%へ。賛成7・反対2で可決。公表は11時54分、植田総裁の記者会見は15時30分から(出典:OANDA証券)
  • 2円が全面安。ドル円は午前の155.87円前後から午後は157.33円前後まで上昇し、約2週間ぶりの高値。ユーロ円も180.67円と9月7日以来の180円台(出典:みんかぶFX)
  • 3前夜の米国市場は4営業日ぶりの反発。FRBの利上げでインフレ対応への信認が高まり、米長期金利が低下。SOX指数は+3.14%と半導体が主導(出典:共同通信、株探)
  • 4今日は5連休前の最終売買日。9月19日(土)から23日(水・秋分の日)まで東京市場は休みで、次の取引日は9月24日(木)。11年ぶりに「国民の休日」が発生する並びです

📅 連休前という条件:5営業日ぶんの空白をまたぐので、今日は「持ち越したくない人の手じまい」が混ざります。引けにかけて高値から300円ほど押し戻されたのも、その説明で読めます。ここは事実ではなく私の読みです。

なお、東証33業種の騰落率は執筆時点で当日分を確認できませんでした。数字がないので業種の順位は書きません。

PART2 JX金属の「利益の前提」まで、あと1.05%

ここからが本題です。私はJX金属(5016)を、AI半導体相場を素材の側から見る定点にしています。今日はその株価ではなく、会社が置いている利益の前提のほうが動きました。

おさらいします。JX金属は2026年8月6日に通期予想を上方修正しました。売上高1兆250億円、営業利益2,320億円、最終利益1,410億円。そのとき会社が置いた前提が期中平均1ドル159円LME銅604セント(1ポンド6.04ドル)の2本です。この2本と実勢の差が、そのまま「会社計画に対する余裕」になります。今日はその片方が縮みました。

前提 会社の置いた値 実勢
為替(9月17日時点) 1ドル159円 155.70円 2.08%の円高
為替(9月18日 東京午後) 1ドル159円 157.33円 1.05%の円高まで縮小
銅(9月16日) 1ポンド6.04ドル 6.509ドル +7.76%
銅(9月17日) 1ポンド6.04ドル 6.661ドル +10.28%

差は私の手計算です(為替=(159−実勢)÷159、銅=(実勢−6.04)÷6.04)。会社前提の出典はJX金属の2027年3月期第1四半期決算(2026年8月6日発表)。

JX金属の利益は、ざっくり「ドル建ての銅の値段 × 円の安さ」の掛け算です。銅は追い風のまま9月17日にさらに開き、為替は円高で前提に届かないぶんが逆風でした。その逆風が今日、半分近くまで小さくなった。それが1.05%です。

なぜ5回:利上げしたのに円安、そして日経平均だけが882円高だったのはなぜか

今日の材料はこの1本に絞り、事実と推測を分けて掘ります。

  • 1Why1 決まったのは金利の水準ではなく、票の数だった【事実】0.25%の利上げ自体は織り込み済みでした。市場が反応したのは中身です。9人のうち2人が据え置きに投票した。この「反対2票」が、次の利上げまでの距離を長く見せました(出典:OANDA証券、2026年9月18日)。
  • 2Why2 だから円が全面安になった【事実】ドル円は午前155.87円前後から午後157.33円前後へ、約2週間ぶりの高値。ユーロ円も180.67円と9月7日以来の180円台で、ドルだけでなく全通貨に対して円が売られました(出典:みんかぶFX、2026年9月18日15時40分)。
  • 3Why3 円安の効き方が、指数によって真逆だった【事実】日経平均は+882.70円(+1.38%)、TOPIXは−3.05ポイント(−0.07%)。値がさのAI・半導体株が日経平均を押し上げる一方、TOPIXで重い銀行株は伸びませんでした。
  • 4Why4 今日の上げは日銀の前から始まっていた【ここからは私の推測ですが】寄り付きで日経平均は+545円30銭の64,681円53銭でした(出典:株式新聞Web)。日銀の公表は11時54分です。つまり半分以上は前夜のSOX指数+3.14%とナスダック+1.69%を引き継いだ上げだったと読めます。日銀は「上げを止めなかった」に近い役回りだった、というのが私の見立てです。
  • 5Why5 JX金属にとっては、株価ではなく前提が動いた日【投資判断】私の結論は保有継続、買い増しなし、利益確定なしです。今日動いたのは1日の為替であって、会社が使う「期中平均」ではないからです。159円の前提に対して157.33円まで戻っても、9月の1日ぶんが入れ替わっただけ。動かす条件は前から2つに固定しています。①電気銅建値が会社前提にあたる1トン約211万7,000円まで下りて居座ったとき。②2026年11月の第2四半期決算で、半導体材料と情報通信材料を足した営業利益の比率が第1四半期の約34%から切り上がったとき。今日の材料ではどちらも動いていません。

⚠️ この見立てが外れるとしたら:植田総裁の会見や、9月24日(木)の取引再開後に円が155円台へ戻った場合です。今日縮んだ1.05%はそのまま元に戻ります。判定は9月24日の終値とそのときのドル円で行います。

私が「1日の為替」で動かなくなった理由

昔の私なら、今日みたいな日にポジションを増やしていました。半導体ブル3倍ETFのSOXLで−80%をやったのが2022年です。あのときの負け方は、値動きの理由を毎日つくり直していたことでした。上がれば「金利が落ち着いたから」、下がれば「地政学リスクだから」。理由が毎日変わる投資は、どこで降りるかも決まりません。

いまは判断の材料を2つに固定しています。会社が置いた前提に実勢が近づいているかと、利益の中身が半導体寄りに寄っているか。この2つ以外の数字は、記事には書きますが売買には使いません。今日の1.05%も、記録としては大事ですが引き金ではないんですよね。

銅のほうは9月17日のCOMEX銅が1ポンド6.661ドルで+2.34%。会社前提との差は+10.28%まで開きました。会社が売る電気銅建値も、直近の改定は9月17日の1トン231万円です(出典:JX金属「銅建値」)。銅は追い風のままで、為替の逆風が減った。数字だけ見れば、第2四半期の前提はむしろ楽になっている側です。

それでも株価が9月17日に−4.16%の安値引けだったのは、市場が見ているのが「利益の前提」ではなく「金利と資金の向き」だからです。ずれているからこそ、決算で答え合わせができます。

PART3 AI投資活用プロンプト:会社の前提と実勢の差を測る

今日やったのは「会社が決算で置いた前提」と「いまの実勢」の差を%で出す作業です。手でやると1銘柄10分。地味ですが、ここを飛ばすと「上がった/下がった」の話しかできません。作業はAIに渡せます。ただし数値は自分で集めて渡すのが鉄則です。AIに最新の為替や商品価格を聞くと、平気で古い数字を返してきますから。

📋 コピペOK:決算前提と実勢の乖離チェック プロンプト
あなたは決算資料を読み慣れた証券アナリストです。
以下の「会社が置いた前提」と「現在の実勢値」を突き合わせてください。

【会社の通期前提】
(例:期中平均 1ドル159円 / LME銅 604セント=1ポンド6.04ドル)
(決算資料に書いてある前提をそのまま貼り付け)

【現在の実勢値と取得時点】
(例:ドル円 157.33円・2026年9月18日 東京午後)
(例:COMEX銅 1ポンド6.661ドル・2026年9月17日終値)

【出力してほしい内容】
1. 前提ごとに「実勢 − 前提」の差を、絶対値と%の両方で表にする
2. その差が会社の利益にとって追い風か逆風か、どちらでもないかを1行で
3. 前提が複数ある場合、どれとどれが打ち消し合う関係かを矢印で示す
4. この資料だけでは感応度(前提が1%動くと利益が何円動くか)が
  分からない項目を、はっきり「判断不能」と書き出す
5. 判断不能の項目について、何の数字が手に入れば判断できるかを列挙する

渡したデータのみを使用してください。
最新の為替・商品価格を推測で補わないでください。
売買の推奨ではなく、判断材料の整理として出力してください。

実際にJX金属の前提で流すと、4番の「判断不能」に為替感応度が入ってきました。第1四半期の決算短信だけでは、1円の円安で営業利益が何億円動くかは読み取れないんですよね。そこを「たぶん増える」で埋めずに判断不能と返してくれる。そこがこの型の使いどころです。3番の「打ち消し合う関係」も効きました。今日のように金利が動いて為替が動く日は、銅と為替が同じ方向に動くとは限りません。矢印で書かせると、掛け算のどちら側が動いたのかが1行で分かります。

⚠️ 注意ポイント:AIは渡した数値の範囲でしか整理できません。前提の記載を読み違えて貼ると、そのまま間違った%が出てきます。前提は必ず決算短信か決算説明資料の原本から拾ってください。出てきた%も、自分で一度電卓を叩いて検算すると安心です。

よくある質問

Q. 利上げなのに円安になるのは、よくあることですか?

A. 珍しくはありません。為替が見ているのは「今回いくら上げたか」より「次はいつ上げそうか」だからです。今回は9人中2人が据え置きに投票したことが、次の利上げまでの距離を長く見せました。決定そのものより票の内訳が動かす日は、年に何度かあります。

Q. 日経平均が882円高なのにTOPIXがマイナスって、どちらを信じればいいですか?

A. どちらも本当です。日経平均は株価の高い銘柄の影響が大きく、TOPIXはプライム市場全体を時価総額で測ります。今日のように「半導体だけ強い」日は、この2つが逆を向きます。自分の持ち株が値がさの半導体かどうかで、見るべき指数が変わります。

Q. 「会社の前提」はどこに書いてありますか?

A. 決算短信の業績予想の注記か、決算説明資料の後ろのほうです。JX金属の場合は2026年8月6日発表の第1四半期決算で、期中平均1ドル159円・LME銅604セントが置かれています。ここを一度メモしておくと、毎日の為替ニュースの読み方が変わります。

まとめ

今日は日銀が政策金利を1.25%へ引き上げ、それでも円は157円台まで売られ、日経平均だけが882円70銭高で終わった日でした。TOPIXは3.05ポイント安。上がったのは指数であって市場全体ではありません。

JX金属にとっての意味は1つです。会社が置く1ドル159円までの距離が2.08%から1.05%に縮みました。銅は前提6.04ドルに対して6.661ドルで+10.28%。逆風が減って、追い風はそのまま。ただしこれは1日ぶんの為替で、会社が使うのは期中平均です。

だから私は今日も動きません。保有継続、買い増しなし。次に数字を見るのは5連休明けの9月24日(木)です。ここは崩さずいきます。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資助言ではありません。記載した数値は本文中に示した出典・取得時点のものであり、その後変動します。AIの出力には誤りが含まれる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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