テンバガー候補の探し方|AIプロンプト4本で「10倍株の型」から3社に絞る手順

テンバガー候補の探し方|AIプロンプト4本で「10倍株の型」から3社に絞る手順
テンバガーを探している人の、いちばんの疑問

AIに聞けば、10倍株は見つかる?
先に決めるのは銘柄名より「型」

時価総額35億円
・
上場から6.8年
・
実績PER14.4倍

上の3つは、2012年末から2022年末に株価が10倍以上になった日本株の「出発時点の中央値」です(岡三証券の調査)。

10倍株には、はっきりした共通点があります。小さく、若く、利益が出ていて、まだ割高ではない会社です。

この記事では、この共通点を「上がる会社の型5つ」と「上がりにくい会社の型5つ」に分けて、AIに〇×を付けさせる手順を紹介します。

プロンプトは4本。順番にコピペすれば、候補を3社に絞り、10倍に必要な利益の伸びまで計算できます。

こんな人に向けて書きました
  • 「テンバガー候補◯選」を見て買ったことはあるが、選んだ理由を自分で言えない
  • ChatGPTやClaudeに銘柄を聞いても、それっぽい名前が返ってくるだけで困っている
  • NISAの一部で、大きく伸びる1銘柄を自分の基準で選びたい
読むと分かること
  • 10倍株の型10個(上がる型5つ・上がりにくい型5つ)と、それぞれの数字の線
  • コピペで使えるプロンプト4本と、回す順番
  • 「3年で10倍」に必要な利益の伸びを出す式(PER13倍の会社でも年+65%)
書かないこと
  • 「この銘柄が10倍になる」という予想、買い時・売り時、目標株価

まず手順を1行ずつで言うと、こうなります。

1
AIに銘柄名を聞かない。先に「型」を渡す型は過去の10倍株のデータから作った10個。AIの役目は〇×を付けることです。
2
数字は取れる場所を指定して集めさせるYahoo!ファイナンスとIRBANKだけを使わせ、取れない数字は「記載なし」と書かせます。
3
最後に「10倍に必要な利益の伸び」を式で出す必要な年率が会社の予想とどれだけ離れているかで、夢と確率を分けます。
株ちゃん株ちゃんのひとこと

AIは「探す係」より「判定する係」にしたほうが、ずっと当てになります。基準を人間が決めて、AIには〇×と計算だけをさせる。この分担で組み立てていきます。

01
目次

AIに「10倍株を教えて」と聞くと失敗する

いちばんやりがちなのが、ChatGPTに「テンバガー候補を5つ教えて」と聞く使い方です。

これには2つの問題があります。1つは、AIが持っている株価や業績は学習した時点のもので、古い数字や存在しない数字が混ざることです。

もう1つは、選んだ理由が「成長市場にいる」「将来性がある」のような言葉だけになり、あとで答え合わせができないことです。

そこで順番を逆にします。先に人間が型を決め、AIには数字を集めさせて〇×を付けさせます。

図1 AIの使い方を「探す」から「判定する」へ

① 型を決める上がる5つ・上がりにくい5つ
▶
② 数字を集める取得先を指定
▶
③ 〇×を付ける3社に絞る
▶
④ 式で検算する10倍に必要な利益の伸び

この記事の手順。①は人間、②〜④はAIの担当

02

上がる会社の型は5つ:小さい・若い・伸びる・稼ぐ・オーナー経営

型の出どころは、岡三証券が2023年9月に公表した調査です。2012年末から2022年末の10年で株価が10倍以上になった銘柄を、全上場企業と比べています。

型判定の線10倍株の中央値(全上場)
① 小さい時価総額50〜500億円35億円(100億円)
② 若い上場5年未満6.8年(12.3年)
③ 伸びる売上成長率が年10%超(直近3期)年8.8%(3.3%)
④ 稼ぐ営業利益率5%以上4.9%
⑤ オーナー経営創業者・社長・会長(資産管理会社を含む)が大株主の上位3位約7割がオーナー系

出典:岡三証券セミナー資料(2023年9月14日)。オーナー系の割合は、渡部清二氏の分析で約8割とする例もあります(ハーバー・ビジネス・オンライン、2020年1月12日)

判定の線は、中央値より少し広めに取っています。中央値の35億円ぴったりに絞ると、候補が数社しか残らないためです。

もう1つ、覚えておきたい数字があります。10倍になるまでの平均期間は8.2年で、5年以上かかった銘柄が80%を超えます(日本経済新聞、2022年)。

「3年で10倍」は、過去の平均の半分以下の速さだということです。

03

上がりにくい会社の型も5つ。先に外すと候補が早く絞れる

上がる型を満たしていても、次のどれかに当たる会社は外します。

型外す線理由
① 大きすぎる時価総額5,000億円超10倍で5兆円超が必要になる
② 伸びない売上成長率3%以下全上場企業の中央値3.3%と同じか下
③ 資本効率が低いROE8%未満かつPBR1倍未満東証が改善を求めている区分
④ 親会社がいる事業会社が50%以上を保有成長や配当が親会社の都合に左右される
⑤ すでに割高会社予想PER30倍超10倍株の出発時PER14.4倍の約2倍

①④⑤の線は筆者が置いた基準です。②③の根拠は岡三証券(2023年9月14日)と東証の「資本コストや株価を意識した経営」の要請。ROEとPBRの意味はPBRとは?の記事で解説しています

④の親会社は、創業者の資産管理会社なら外しません。これは「上がる型」の⑤オーナー経営として数えます。

⑤のPER30倍は、あとの式で使う「人気度の上限」にもなります。

04

手順:プロンプト4本を上から順にコピペする

ここからが本題です。Web検索ができるAI(ChatGPTの検索モードやClaudeなど)で、上から順に使ってください。

Step 1:候補を10社まで集める

まずは型の①②③だけで広く集めます。ここで絞りすぎないのがコツです。

📋 コピペOK:Step 1 候補集め
あなたは日本株の調査担当です。今日は(今日の日付)です。
次の3つの条件をすべて満たす東証上場企業を、Web検索で10社まで挙げてください。

・時価総額が50億円以上500億円以下
・上場から5年未満
・直近3期の売上高が年10%以上のペースで伸びている

出力は表で、列は「証券コード/社名/上場年月/時価総額と取得日/確認に使ったURL」。
条件を満たすか確認できない会社は入れないこと。
数字を推測で埋めないこと。
売買の推奨ではなく、判断材料の整理として出力すること。

Step 2:数字を集める

次に、候補ごとの数字を集めます。取得先を2つに限定するのがポイントです。

📋 コピペOK:Step 2 数字の取得
今日は(今日の日付)です。次の銘柄の数字を公開データで取得し、表だけ返してください。
使うのは finance.yahoo.co.jp/quote/(コード).T と irbank.net/(コード)/results、irbank.net/(コード)/holder だけ。
推測で埋めないこと。取れない項目は「記載なし」と書くこと。

銘柄:(Step 1の表から証券コードと社名を貼る)

列:株価と日付/時価総額(億円)/上場年月/会社予想PER/実績PBR/実績ROE/
直近3期の売上高と営業利益(→売上の年平均成長率と営業利益率を計算)/
今期の会社予想(売上・営業利益)/大株主の上位3位(創業者・社長系かどうか)/
事業会社が50%以上持つ親会社の有無/直近の下方修正・大株主の売却

渡したデータと指定したページの内容のみを使用すること。
売買の推奨ではなく、判断材料の整理として出力すること。

Step 3:〇×を付けて3社に絞る

Step 2の表を貼り、型10個で判定させます。

📋 コピペOK:Step 3 型で判定
次の表の各社に、下の基準で〇×を付けてください。

【上がる型(すべて〇が理想)】
① 時価総額50〜500億円 ② 上場5年未満 ③ 売上の年平均成長率10%超
④ 営業利益率5%以上 ⑤ 創業者・社長・会長(資産管理会社を含む)が大株主の上位3位

【上がりにくい型(1つでも該当したら除外)】
① 時価総額5,000億円超 ② 売上成長率3%以下 ③ ROE8%未満かつPBR1倍未満
④ 事業会社が50%以上保有 ⑤ 会社予想PER30倍超

【表】
(Step 2の表を貼る)

出力:
1. 全社の〇×表(上がる型5列+除外の該当有無)
2. 除外した会社と、当たった基準を1行ずつ
3. 残った会社から3社を選び、選んだ理由を数字つきで3つずつ
4. 3社それぞれについて、反対の理由を1〜2行

渡したデータのみを使用すること。
売買の推奨ではなく、判断材料の整理として出力すること。

Step 4:10倍に必要な利益の伸びを計算する

最後に、夢と確率を分ける計算です。式は次の章で説明します。

📋 コピペOK:Step 4 10倍の検算
次の3社について、「3年で株価10倍」に必要な1株あたり利益の伸びを計算してください。

前提:株価=1株あたり利益(EPS)×PER。3年後のPERは上限30倍とする。
計算式:
・必要なEPS倍率=10×現在の会社予想PER÷30
・必要なEPSの年率=必要なEPS倍率の3乗根-1

【3社のデータ】
(社名/現在の会社予想PER/今期の会社予想の営業増益率 を貼る)

出力:社名/必要なEPS倍率/必要なEPS年率/会社予想の増益率/その差 の表と、
差が大きい順に1行ずつのコメント。
10倍になると言い切らないこと。渡したデータのみを使用すること。
売買の推奨ではなく、判断材料の整理として出力すること。
⚠️ 注意:Step 1とStep 2の数字は、AIが検索した結果です。時価総額や大株主の順位は、必ずYahoo!ファイナンスやIRBANKのページを自分で開いて1社ずつ確かめてください。特に「上場年月」と「親会社の有無」は、AIが取り違えやすい項目です。
05

10倍に必要な利益の伸びは、PER13倍の会社でも年+65%

株価は「1株あたりの稼ぎ(EPS)」と「人気度(PER)」のかけ算です。10倍にするには、この2つを合わせて10倍にする必要があります。

人気度には上限を置きます。ここでは、上がりにくい型⑤と同じ30倍です。

図2 3年で10倍に必要な利益の伸び(PER上限30倍の場合)

EPS倍率必要な稼ぎの伸び
=
10 × 今のPER株価10倍ぶん
÷
30人気度の上限

年率に直すときは、EPS倍率の3乗根から1を引く

今のPERで計算すると、次のようになります。PERの数字は、この記事で手順を回したときの実際の値です。

今の会社予想PER必要なEPS倍率(3年)必要な年率
12.25倍4.08倍+59.8%
13.43倍4.48倍+64.8%
20.53倍6.84倍+89.9%
29.27倍9.76倍+113.7%

今のPERが低いほど、人気が上がる余地があるぶん、利益に求める伸びは小さくなります。10倍株の出発時PERが14.4倍だったことと合っています。

それでも、PER13倍の会社で年+65%の増益を3年続ける必要があります。この数字を会社予想の増益率と並べると、どこまでが計画で、どこからが期待かが数字で見えます。

06

実際に回すと、残ったのは3社(2026年9月30日時点)

この手順を2026年9月30日に回した結果です。14社を調べ、上がりにくい型で11社を外しました。

ここに出す社名は手順の実例であり、買いを勧めるものではありません。

社名(コード)主な数字10倍に必要な年率
ヒューマンテクノロジーズ(5621)時価総額149.5億円・売上成長22.0%・営業利益率18.3%・PER13.43倍+64.8%
ARアドバンストテクノロジ(5578)時価総額94.8億円・売上成長18.0%・営業利益率5.9%・PER12.25倍+59.8%
ジーデップ・アドバンス(5885)時価総額170.2億円・売上成長25.4%・営業利益率16.1%・PER20.53倍+89.9%

出典:株価・PERはYahoo!ファイナンス(2026年9月30日終値)、業績と大株主はIRBANK・有価証券報告書。売上成長は直近3期の年平均。3社とも上場は2023年、大株主の1位は社長・会長の資産管理会社

外した例も見ておきます。売上が年52%伸びている会社でも、時価総額517億円・PER53倍で「大きすぎる」「すでに割高」に当たり外れました。

売上成長40.8%の会社は、PER29.27倍で30倍の線の目前だったため、3社の段階で落としました。必要な年率が+113.7%になるからです。

そして大事なのは、3社とも過去3期の売上の伸び(年18〜25%)が、10倍に必要な利益の伸び(年60〜90%)の3分の1前後しかないことです。利益率が上がれば利益は売上より速く伸びますが、これまでのペースが続くだけなら、3年で10倍には届かない計算になります。

07

この手順は四半期に1回、決算のあとに回し直す

型に当てはまるかどうかは、決算のたびに変わります。回し直すタイミングは次の3つです。

  • 決算発表の翌日毎四半期
    Step 2とStep 3を回し直し、営業利益率と成長率の〇×が変わっていないか見る
  • 株価が大きく動いた日時価総額500億円・PER30倍の線をまたいでいないかだけ確認する
  • 毎年1回上場5年の線
    2023年上場の会社は2028年に「若い」から外れる。候補プールを入れ替える
この手順の結果を見直す線
  • 決算で営業利益率が5%を割った、または会社予想が下方修正された
  • 大株主の創業者が持ち株を売り出した(型⑤が崩れる)

どちらかが起きたら、その会社は候補から外してStep 1からやり直します。

▲ この手順の強み

  • 基準が数字なので、誰が回しても同じ〇×になる
  • 「10倍に必要な年率」で、期待の大きさが数字で見える
  • 1回あたり20〜30分で回せる

▼ この手順の弱点

  • 型は2012〜2022年の10倍株から作ったもので、次の10年も同じとは限らない
  • AIの取得した数字に誤りが混ざる(必ず自分で確認)
  • 事業の中身(競合・技術)は判定していない
まだ証券口座を持っていない方へ

この手順で使うPERや時価総額は、証券会社のアプリでも1社ずつ確かめられます。小型株の情報が見やすい証券口座を、手数料とツールで比べた記事はこちらです。口座開設は無料で、スマホから申し込めます。

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FAQ

よくある質問

Q. 無料版のChatGPTでも使えますか?

A. Step 3とStep 4は、数字を自分で貼れば無料版でも動きます。Step 1とStep 2はWeb検索が必要なので、検索できるモードで使ってください。検索できない場合は、Yahoo!ファイナンスとIRBANKの数字を自分で写して貼ります。

Q. 3社に絞ったら、全部買えばいいですか?

A. この記事では売買をおすすめしていません。残った3社も、これまでの成長ペースのままでは10倍に届かない計算でした。10倍株は外れる確率も高いので、投資する場合も資産のごく一部にとどめる前提で考えてください。

Q. 米国株でも同じ手順は使えますか?

A. 型の数字(時価総額35億円など)は日本株のデータなので、そのままは使えません。米国株なら、時価総額の線をドルの規模に合わせて置き直す必要があります。

SUMMARY

まとめ:AIは「探す係」ではなく「判定する係」にする

1
型は10個。小さい(50〜500億円)・若い(上場5年未満)・伸びる(年10%超)・稼ぐ(利益率5%以上)・オーナー経営と、その逆5つ
2
プロンプト4本で「集める→数字→〇×→検算」。数字は必ず自分で1社ずつ確かめる
3
3年で10倍には、PER13倍の会社でも利益の伸びが年+65%必要。過去の平均は8.2年

私はこの手順を、決算のたびに回し直しています。10倍になるかどうかより、「10倍に必要な数字」と「会社の計画」の差を毎回見るためです。

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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するもの、または投資助言を目的とするものではありません。記載した数値は本文中に示した時点のものであり、その後変動している場合があります。AIの出力には誤りが含まれる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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