スクリーニングの条件って、結局いくつにすればいいの?
スクリーニングの条件を調べると、PER・PBR・ROE・PEG・ROIC……と指標の名前が十数個も並びます。目安の数値も書いてあるのに、自分の証券アプリのどこに何を入れればいいのか、決まらないまま閉じてしまう。私も同じでした。
この記事では、自分の方針を4行書くだけで、スクリーニング画面にそのまま入る「6行の条件表」をClaudeに出させる手順を書きます。
載せているプロンプトと出力は、2026年10月5日に私がClaudeで実際に回したものです。うまくいかなかった聞き方も並べて、どこを直したら変わったかを書きました。
読み終わるころには、今夜10分で自分用の条件セットを1つ作って、証券アプリに保存できる状態になります。
こんな人に向けて書きました
- AIに条件を聞いたら、指標が十数個返ってきて止まった人
- スクリーニングを開くたびに、条件をゼロから考え直している人
- 条件を入れたら0件か500件になって、やり直す気が失せた人
読むと分かること
- AIに渡す「方針4行」の書き方(資金・期間・狙い・避けたいこと)
- そのままコピーして使える、条件表を出させるプロンプト1本
- 残った件数が20〜60社から外れたとき、どの項目をどちらに動かすか
書かないこと
- どの銘柄を買うか、株価がどうなるか
- どの証券会社のスクリーニングが一番いいかという比較
使い方の軸は1つだけです。AIに決めさせるのは「数値」ではなく「数値の並べ方」です。6行という形と、理由を1行で書くという縛りを先に渡すと、同じAIが別人のように具体的に答えます。
用意するのは、Claudeの無料プランと、いま使っている証券会社の画面だけです
新しく契約するものはありません。使うのは次の2つです。
| 使うもの | プラン | この記事での役目 |
|---|---|---|
| Claude | 無料プラン(0ドル)で足ります | 条件表を6行で作らせる |
| 証券会社やサイトのスクリーニング画面 | いま口座を持っているところ | 条件を入れて、残った件数を見る |
Claudeの料金は公式ページで確認しました。2026年10月5日時点で、無料プランは0ドル、Proは年払いなら月17ドル、月払いなら月20ドルです(出典は記事末尾)。この記事の作業は、無料プランのまま最後まで終わります。
用意するファイルもありません。渡すのは、次の章で書く4行のテキストだけです。
02方針は4行で足ります。多く書くほど、答えはぼやけます
AIに渡す材料は4行です。私が使っているのはこの形です。
・1銘柄に出せる金額:20万円まで ・持つ期間:半年〜2年 ・狙い:売上が伸びていて、まだ人気が高すぎない日本株 ・絶対に避けたいこと:赤字の会社、借金が重い会社
金額と期間は、ご自分の数字に置き換えてください。この4行が、6つの条件の中身をほぼ決めます。
| 方針の行 | 条件に化ける先 |
|---|---|
| 1銘柄に出せる金額 20万円 | 株価の上限(100株で20万円に収まる水準) |
| 持つ期間 半年〜2年 | 人気度(PER)の上限。長く持つほど上限を緩める |
| 狙い 売上が伸びている | 売上高成長率の下限 |
| 避けたいこと 赤字・借金が重い | 営業利益が黒字、自己資本比率の下限 |
ここで「業種はこれが好きで」「配当もほしくて」と足していくと、条件が8個10個に増えて、残るのが0件になります。足すのは、1セット作って保存したあとです。
03プロンプトに「出力の形」を書くと、6行の表で返ってきます
方針の4行を、次のプロンプトに貼って送ります。長く見えますが、変えるのは【私の方針】の中だけです。
あなたは日本株のスクリーニング条件を設計する担当です。 以下の【私の方針】だけを前提にして、証券会社のスクリーニング画面にそのまま入れられる条件表を作ってください。 【私の方針】 ・1銘柄に出せる金額:20万円まで ・持つ期間:半年〜2年 ・狙い:売上が伸びていて、まだ人気が高すぎない日本株 ・絶対に避けたいこと:赤字の会社、借金が重い会社 【出力の形】 1. 条件表:6行ちょうど。列は「項目名/入れる数値(以上・以下まで書く)/この数値にした理由(30字以内)」 2. 想定の残り件数:この6条件を東証の全銘柄にかけたとき、だいたい何社残りそうか。レンジで書く 3. 多すぎた・少なすぎたときに動かす順番:1位から3位まで。どの項目を、どちらに、どれだけ動かすか 【制約】 ・項目名は、一般的なスクリーニング画面にある指標だけを使う(時価総額・PER・PBR・ROE・売上高成長率・自己資本比率・営業利益など) ・個別の銘柄名は書かない ・株価の予想や売買の推奨は書かない ・その数値にした理由を1行で書けない条件は入れない
大事なのは【出力の形】と【制約】です。「6行ちょうど」「理由は30字以内」「理由が書けない条件は入れない」の3つを入れると、指標の羅列が表に変わります。
実際の出力(Claude・2026年10月5日に実行)
| 項目名 | 入れる数値 | 理由 |
|---|---|---|
| 株価 | 2,000円以下 | 100株で20万円以内に収まる |
| 売上高成長率(前期比) | 10%以上 | 売上が伸びている会社だけ残す |
| 営業利益 | 0円より大きい(黒字) | 赤字の会社をここで外す |
| 自己資本比率 | 50%以上 | 借金が重い会社を外す |
| PER(予想または実績) | 0倍より大きく18倍以下 | 人気が高すぎる水準を外す |
| 時価総額 | 100億円以上 | 売買が細い小型を外す |
入力時の注意:
・「株価2,000円以下」は20万円の枠そのものなので動かさない(単元が100株でない銘柄だけ例外的に確認)。
・PERは下限0倍を必ず入れる。入れないと赤字銘柄のマイナスPERが「低PER」として残る画面がある。
・売上高成長率は「前期比(直近通期)」を選ぶ。四半期前年同期比しか無い画面ならそれで代用。
想定の残り件数:東証全体(約3,900社)に6条件を同時にかけた場合、おおよそ30〜70社(中心は50社前後)。
この表のいいところは、3列目があることです。理由が書いてあるので、自分が納得できない行だけを捨てられます。たとえば「時価総額100億円以上」は、小型株も見たい人なら外して構いません。
ちなみに、出力にあった「約3,900社」を日本取引所グループの公式ページで確認したら、2026年10月2日時点で合計3,885社でした(プライム1,546社、スタンダード1,553社、グロース595社、TOKYO PRO Market 191社)。AIの数字は近かったのですが、こうやって必ず確認してから使います。
手順03:Claudeの画面で、この聞き方をするとこう返ってきます
画面は、2026年10月5日にClaudeで実行した入力と出力を、読みやすい大きさに組み直したものです。
残った件数が20〜60社から外れたら、動かす項目は1つだけです
条件を6つ入れたら、残った件数を見ます。私は20〜60社に収まったら合格としています。1社ずつ中身を見られる上限がこのあたりでした。
2つ以上まとめて動かすと、どちらが効いたのか分からなくなります。Claudeは動かす順番も出してくれました。
| 順位 | 動かす項目 | 多すぎたとき | 少なすぎたとき |
|---|---|---|---|
| 1位 | 売上高成長率 | 10% → 15%以上に上げる | 10% → 7%以上に下げる |
| 2位 | PER上限 | 18倍 → 14倍以下に下げる | 18倍 → 25倍以下に上げる |
| 3位 | 時価総額 | 100億円 → 300億円以上に上げる | 100億円 → 50億円以上に下げる |
1位を成長率にする理由:6条件の中でいちばん件数が大きく動くため、まずここで粗く合わせる。
3位まで動かしても足りない場合に限り、自己資本比率を50%→40%まで緩める(それ以下には下げない。「借金が重い会社を避ける」という方針の線そのものなので)。
営業利益の黒字条件と株価2,000円以下は動かさない。前者は避けたいことの直接条件、後者は資金枠の条件。
ここまで決まっていると、スクリーニング画面でのやり直しが1回か2回で終わります。動かさない行をAIに宣言させておくのが効きます。資金の枠と「赤字は外す」は、方針そのものなので触りません。
件数が多すぎたとき
1位の売上高成長率を10%→15%へ。それでも多ければ2位のPERを18倍→14倍へ。
件数が0〜数社のとき
1位を10%→7%へ下げます。それでも出ないときは、PERの上限を25倍まで緩めます。
一般論しか返らないのは、プロンプトに「出力の形」が無いからです
同じ日に、私はわざと雑な聞き方もしてみました。
割安で成長している日本株のスクリーニング条件を教えてください。
割安かつ成長している日本株を拾うためのスクリーニングは、「成長性」「割安性」「財務の健全性」「収益の質」の4ブロックに分けて条件を組むのが基本です。
1. 成長性:売上高成長率 直近3年平均で年+10%以上/営業利益成長率 年+10%以上/EPS成長率 年+10%以上/会社予想 今期も増収増益見通し
2. 割安性:PER(予想)15倍以下/PBR 1.5倍以下/PEG 1.0以下/EV/EBITDA 8倍以下/配当利回り 2%以上
3. 財務の健全性:自己資本比率 50%以上/D/Eレシオ 0.5倍以下/流動比率 150%以上/営業CF 直近3期すべてプラス
4. 収益の質:ROE 10%以上/ROIC 8%以上/営業利益率 10%以上/営業CF÷当期純利益 0.8倍以上
間違ってはいません。でも条件が17個あって、スクリーニング画面に入れられません。EV/EBITDAやROICは、無料の画面には項目が無いことも多いです。
どこを直したら変わったか
| よくある失敗 | プロンプトの直し方 |
|---|---|
| 指標が十数個返ってくる | 「6行ちょうど」と行数を先に指定する |
| 自分の資金で買えない銘柄が混ざる | 方針に「1銘柄に出せる金額」を金額で書く。AIが株価の上限に変換してくれる |
| 数値の根拠が分からず、消すか迷う | 「理由を30字以内で」「理由が書けない条件は入れない」を制約に入れる |
直すのはプロンプトの最後の2ブロックだけです。【出力の形】で行数と列を決め、【制約】で使っていい項目を縛る。これだけで、同じAIが表を出します。
06AIに任せないのは「その数値を信じること」です
- AIが出した数値を、理由を読まずにそのまま使う。理由が1行で書けていない行は捨てます
- 残った会社名や株価、業績の数字をAIに聞く。会社名と数字は、必ず証券会社の画面か会社の資料で見ます
- 条件に合ったから買う。条件は「見る会社を選ぶ道具」で、買う理由ではありません
AIが得意なのは、方針を条件の形に翻訳することです。苦手なのは、個別の会社の最新の数字です。株価や業績をAIに聞くと間違うことがあるので、裏取りの手順は別の記事に分けて書いています。
07次にやる作業は、残った数十社を3社に絞ることです
条件セットが1つできたら、次は残った会社を絞る作業です。同じ柱の記事に続きがあります。
- テンバガー候補の探し方|AIプロンプト4本で「10倍株の型」から3社に絞る手順
- ChatGPTの株価が間違う理由|AIの数字を裏取りする3ステップと確認先
- 【ChatGPT×株式投資 実践③】銘柄比較・スクリーニングをAIで時短する方法
- 作業別プロンプトのまとめページ(投資の作業ごとに1本ずつ)
よくある質問に3つ答えます
ChatGPTやGeminiでも同じプロンプトで動きますか?
残った件数が0件のままです
条件は何セット作ればいいですか?
この記事のまとめは3行です
私がいちばん変わったのは、スクリーニング画面を開く前にClaudeを開くようになったことです。条件を思い出す時間がなくなって、画面に入れるまでが10分で終わります。今夜1セット作って、保存しておいてください。
株ちゃん投資情報 管理人。AIで投資の作業を手順にして、自作のスキルとアプリで毎日回しています。YouTube登録者12,000人。
・Claude 料金ページ(Anthropic公式)https://claude.com/pricing 2026年10月5日取得。無料プランは0ドル、Proは年払いで月17ドル・月払いで月20ドル
・日本取引所グループ「上場会社数・上場株式数」https://www.jpx.co.jp/listing/co/index.html 2026年10月5日取得。2026年10月2日時点で合計3,885社(プライム1,546社、スタンダード1,553社、グロース595社、TOKYO PRO Market 191社)
・記事中のプロンプトと出力:Claudeで2026年10月5日に実行
この記事は投資助言ではありません。特定の銘柄の売買を勧めるものでも、株価を予想するものでもありません。投資の判断は、ご自身の責任でお願いします。
また、AIの出力には誤りや古い情報が含まれることがあります。記事中のプロンプトで出てきた数値や会社名は、必ず証券会社の画面や発行会社の資料でご確認ください。


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